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The world of rights 【わるらい】  作者: SAKURA
第一章 アネモネ学園入学試験編
24/30

2-12 再会の食いしん坊娘たち

とても広い高台に拡がる学園から離れた2人は街の中を歩いていた


「はぁ…。どうして僕がこんなことを…。」


トボトボと肩を落としながら自然と頭も下を向いているラフィはとても大きなため息をした


「ラフィ。そんなに落ち込むなよ!」


「君ねぇ…そんな態度してたら…」


「帰るって?」


「、!」


話を遮られたラフィは言いかけていた言葉を当てられて少し驚きながらハッとラウルに目を向けた


「もし帰ったらさっきのお姉さんに言ってその石塔から追い出してもらうから」


「くそぉー…どうして僕がこんな目に…」

「せめて言葉遣いくらいは、さ?敬語に戻そうよ?」


「なんでチビっ娘に敬語使わなきゃいけないんだ?」


「チビっ娘言うな!」


その単語に反応して流れるようにラフィは歩いているラウルの脛を思い切り蹴った


「痛ぁ!なにすんだ!」


ラウルは蹴られた脛をしゃがみ込んでおさえながら涙目で怒った


「うるさい!文句いうな!」


見上げるようにラフィを見ているラウルに指差しながらそう吐き捨てた


「あれ?ラウル?」


人混みの中から聞き覚えのある声がしてラウルは声のした方を見ると大量のチキンレッグの入ったバケットを持ったルキナとジルグが居た


2人を見たラウルは痛さの余韻が残る足に鞭打って立ち上がり合流した


「お前はまた食ってるのか…。」


「別にいいでしょう!?」


片手にチキン、もう片方に大量のチキン入りバケット。そのダブルコンボを見たラウルは無限の胃袋を持つ彼女に対してかなり引いていた


「あんな約束してこんな再会の仕方ってあります!?」


「まぁ…しょうがないですよ。試験が終わってもどうせ必需品のためにお店に行くんですから。まさか偶然ルキナさんと会って一緒にお店に行こうとなって少しの寄り道のはずがこんなに買うなんて…。」


ジルグも彼女の食欲に頭を抱えていたようだった


「私が自分で買ったからいいじゃないですか!」

「もしかして食べたいんですか?」


彼は目の前に差し出されたチキンをキチンとお断りした


「結構です…。」


拒否されたチキンを一口で食べて飲み込むと彼女はラウルの隣にいる子供に目が留まった


「ところでラウル。そっちの子は誰なんです?」


「子?」


眉間にシワを寄せて明らかに不機嫌になっているラフィを暴走させないようにラウルはルキナと幼女の間に割って入った


「ルキナ、この人は…」


「もしかして石塔の錬金術師ですか?」


思い当たる節があったのか、ジルグが突然その称号を口にした


「錬金術師?コレが?」


「ねぇ?今すぐ選びなよ。ここで土下座して謝るか僕にボコボコにされるか。」


ラウルの不適切な発言に小さな彼女は身長以上の大きな威圧を彼に向けた


「ごめんて。」


「ふんっ!」


手を合わせ頭下げる彼を見ても満足はしないようでその足にローキックを叩き込んで痛みでうずくまる彼を見てようやくスッキリした顔をした


「痛ぇ…」


【蹴った僕も痛い…】


ラフィは足の甲のジンジンとした痛みに歯を噛み締めて耐えていた


「これに懲りたら僕のことなんて呼ぶべきかわかるよね?」


「ロリ錬金術師」


「わかった。もう1発欲しいみたいだね?」


小さな声で呟いたラウルの反省のしてなさに怒りがすぐに沸いたが足の痛みが彼女を抑えていた


「ちょっと待ってください!」


ラフィが苦痛を覚悟して再び蹴ろうとしたところをジルグが止めた


「どうして止めるんです!?このノンデリ男がこんなになってすごく気分がいいのに!」


ルキナの本音が飛び出してきたのでラウルは「お前、趣味悪いな…」と言葉を溢した


「この男はこれくらいやらないと反省しませんよ!?」


「まぁまぁ」


ラウルに指差す彼女を静止させてジルグは続けた


「私の名前はジルグと申します。あなたと同じ錬金術師です。」


「ふーんそうなんだ。それで、僕を止めるなんて相当のことがあるんだろうね?」


「正直に言うと憧れの人が目の前にいて自分が抑えられなかっただけなのですがあなたに教えて貰いたいことがあるのです」

「私はあなたに憧れてこの学園に来ました。このどこの国にも属さない街の発展に幼少期の頃から大きく尽力し路面汽車や衣類の発展、数多くの元素の発見などの数々の功績。そしてなにより…」


「賢者の石」


興奮して話す彼とは打って変わってドライに腕を組んでしたり顔もしないでラフィは返した


「そうです!万物を創造できる究極の物質!錬金術師の永遠の夢を持っていると…」


「悪いけど賢者の石について僕はなにも話すつもりはないよ」


関わるなとも取れる目つきで彼を睨みつけたことでジルグは身長差にかまわず萎縮してしまった


「はぁ…友達がいるならこの子たちと行きなね。僕はもう帰るから。この2人なら店の紙持ってるでしょ」

「それじゃあね。」


そう言うと彼女は早々に話を切り上げて来た道を戻って人混みの中に消えていった


ジルグはその様子に唖然としているとラウルが彼の肩を叩いた


「その話聞くの不味かったんじゃね?」


「そうですね…」


肩を落とすジルグを慰めるように寄り添って暗い雰囲気を散らすためにラウルは冗談を言い始めた


「本当は作り方とか知らないじゃね?」


「いやいや彼女が賢者の石を持っていることは錬金術師の間では有名な話です。」

「これまでも多くの錬金術師が彼女に作り方を聞きましたが誰1人として教えられていません。強行手段に出た者もいたと聞きましたが全て彼女自身の手で返り討ちにあっています。」

「それに実際に石を使ってこの街中や世界中を走っている汽車は造られたのですから持っていないなんてことはないはずなのです」


「もうどうでもいいのでお店行きませんか?」


興味を示さないルキナは全てチキンを食べ終え彼女のバケットの中には何本もの鶏の骨が入っていた


「もう全部食べたのですか…」


「太るぞ」


「私もラウルのこと殴っていいですか?」


また余計なことを…とジルグは頭を掻き、案の定ルキナは血管をピキらせながら右手をブンブンと振り回した


「グーはいけませんパーにしておきなさい」


「ラジャー!」


「え、まっ、!」


パシーンッ!


辺りに響き渡る平手打ちはなにか言おうとしていたラウルを無視して彼の頬を赤く染めた

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