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The world of rights 【わるらい】  作者: SAKURA
第一章 アネモネ学園入学試験編
19/22

2-7 第1部試験 土壁の迷路

「これより戦闘の実技試験を始めます」


広大な芝生が広がる学園の広場にて実技試験は行われた


年配のおばあさん教師が高台に立ち、何百人もの受験生がそれを見上げるように彼女の説明を聞き始めた


「それではまず合格条件ですが本試験は2部構成となっており、まずは第1部試験。」

「これからここに現れる迷路を抜けてゴールを目指してもらいます。しかしゴールをするだけが合格とはなりません。迷路内部を彷徨い無限に生み出される土人形【ゴーレム】の撃破、1人5体を倒すことでもゴールとなる資格を得ることができます。」


その時、地面が大きく揺れ始めた


「地震か!?」

「キャーー!」


戸惑う受験生たちを囲むように高い土の壁が作られ、空から見るとそこは迷路の中心へと変わっていた


「それでは実技試験、第一部、制限時間は1時間、始め!」


彼女の合図を機に四方に迷路へと通じる扉が現れて土煙をあげながらその扉は開かれた


「い、行くぞー!」


受験生は次々と扉を超えて迷路へと入って行った


「どうして行かないんですか?遅れちゃいますよ?」


「いや…同時にスタートすれば土人形を俺たちが倒せる確率は大きく下がる。無限に生み出されるのなら彼らが通り過ぎた後に新しく生まれた土人形を倒すのがよっぽどいい。まぁそれを考えてるやつは他にもいるようだがな…」


ラウルーレンスと彼女はその場に残った数人を見て、少し緊張していた息を整えた


騒がしい声が聞こえなくなった頃、ついにラウルーレンスは腰を上げた


「そろそろ行くか…」

「生み出される間隔がわからない以上、アイツらよりかは早めに動いた方が良さそうだからな」


「はい!」


そして2人は扉を超えて迷路内を進み始めた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「退け退け!邪魔だーー!!」


迷路内部、大勢がスタートした中でブッチ切りで人々を破竹の勢いで吹き飛ばして土人形を狩る男がいた


赤髪の彼は人々の先頭に躍り出て次々と人の二、三倍はある土人形を倒して行った、そして、すぐに向日葵色の目が捉えた先には2体目の機械人形がいた


「これでもくらえ゛ー!!」


"爆烈(バースト)"


大きな爆発とともに消し飛んだ土人形はあちらこちらに元となっていた岩が散乱した


「これであと3体だぁ!」


地面に吸収されていく岩には目もくれずに彼は迷路の先へと進み続けた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


とある獣族の女は茶色い翼で羽ばたいて鷹のように空へと舞い上がり、迷路を上空から俯瞰して観察し始めた


「ゴールはあの北側の一つだけみたいね。」

「楽勝じゃない♪」


彼女はゴール向かって一直線に飛んで見事に出口に降り立った


そんな彼女の姿を見た地上の人々はゴールの方向は北にあるのだとわかった


「空を見ろ!きっとゴールは北だ!北をめざせ!」


しかしここは迷路…ただゴールが北にあると言われても真っ直ぐゴールに直行できるわけではない


東西南北に無数に分かれる道を正しく進まなければゴールはできないのだ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「我が筋肉は世界一ィ!」


成人男性よりも一回りも二回りもそれ以上に大きな鋼のような筋肉に覆われた短髪の黒髪、そして先端がクルリとした綺麗に整えた髭を携えた大男はそのメリケンサックを付けた拳だけで土人形をサンドバッグのように殴り倒して頭を吹き飛ばした


「これで5体達成か…口程にもならないな…」

「我の筋肉はまだ物足りないと言っているぞぉ!」

「確か合格条件は5体撃破かゴールかだったな…。ならばどちらでも合格して見せようではないか!」


彼は訳のわからないことを言い始めて壁を殴ると、あまりのパワーに土壁は崩れて彼が通れるくらいの大きさになった


その時、彼の足元に手紙を持った小さな土人形が現れた。


彼はそれに気がついて手紙を拾い上げ読んだ


「実技試験第1部合格です。手紙右下の魔法陣に触れれば外へ出れます。」


「ふん!このようなもの不要だ…」

「なぜなら…我が筋肉は言っている。我が覇道に壁は無し!と!」


彼はそう言うと次々と壁をぶち破って一直線に進んでいった


「ラッキー!あのバカ筋肉、この穴を通ればゴールまでいけんじゃん!」


そんなことを考えた男がその穴を通ろうとした瞬間、次々と土壁が元に戻り始めて彼が通る前にその穴は塞がってしまった


「クソが、!」


男は癇癪を起こしながらも迷路の道を再び進み始めた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ラウルと彼女は迷路内を走って土人形を探していた


「おい。食いしん坊娘」


「それもしかして私のこと言ってます?」


名前がわからなかったので思いついた呼び名で呼ぶと、彼女は怒りはしなかったが、その言気には怒りがしっかりと込められていた


「私にはルキナっていう立派な名前があるんです!」

「赤目のニャンコさんっ!」


「それもしかして俺のこと言ってんのか?」


心外な言われ方につい自分のことだと一瞬わからなかった


「あなた以外に誰がいるって言うんです?赤い目にその歯、猫の耳付ければネコちゃんですよ」


「俺にだってラウルーレンスっていう名前があんだよ。お前の2倍以上長い立派な名前がな!」


「長さで立派とか決めるってガキですか!?あなたは!」

「だったらいいです!あなたのことはこれから私と同じ3文字のラウルって呼ぶことにしますから!」

「ラウじゃないだけありがたいと思ってください!」


「そんなとこで張り合うなよ…どっが子供かわからねぇな。」


そんなくだらない言い争いを終わらせて2人は目の前に歩く2体の土人形を発見した


「あれが土人形か…」


「それなりに大きいですね…3、4メートルはありそう…」


一目見て少し怖気付いたが2人はすぐに戦う姿勢に入って機械人形に突撃していった


「俺は右でお前は左な!」


「わかりましたよ!」


"火球(ファイアボール)"


ルキナはファイアボールを数発中距離から叩き込み、一体の人形を焼き尽くして一体目を撃破した


「意外と脆いんだなっ!」


"鋼の籠手(スチールガントレット)"


右手を鋼で固めて攻守万能な鋼の手を作り、相手の初撃の拳を避けてカウンターで思い切り殴り飛ばした。


「ワイルドな戦い方しますね…土人形のお腹の凹み具合がとてつもないことになってますよ…」


吹き飛ばされた土人形は腹部が大きく凹んで貫通しそうになっていた


「まぁこれでお互い一体目か…まだまだ時間はあるし出口に向かいながら倒すとするか…」


「ゴールを目指すなんて無謀だみたいなこと言ってませんでした!?」

「それに、ゴールの位置がわかるんですか?」


ラウルの発言につい驚きながらそう問いかけてしまった


「別に徘徊して出会った土人形を倒すでもいいけどどこにどれくらい現れているのかわからない以上、両方とも同時に進められるなら進めた方がいいだろ」

「いいか?それにな、迷路っていうのはな左手の法則ってやつでゴールできるんだ。」


「左手の、法則ですか…」


「あぁ左手の法則っていうのはな、迷路を攻略する際に、左手を壁に沿わせながら進むことで、必ず出口にたどり着けるという方法なんだ。」


「へぇ…そんなものが。」


「つまりだ。このまま壁の左側に沿って走ってゴールを目指し…その道中で土人形を撃破する。」

「そうしたら2つの目標を同時にこなせるし合理的だろ?」


「ラウルって意外と頭いいんですね。」


ルキナはあっさりと余計な一言を付け加えた


【意外とってなんだよ頭悪いとでも思ってたのか…。まぁ別に今はそんなこといちいち言ってる場合じゃないしな。別に怒るほどのことじゃないな…。】


ラウルは寛容にそれを咎めることはなく迷路の道を進んでいった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「今年は豊作ですね…」


校舎の窓から試験が行われている広場を眺める人影があった


「あぁそうだな…優秀な奴には全員に声をかけておけよ」


「YES!MY!BOSS!」

「YMB!YMB!」


一斉に3人の敬礼が行われてたのだが…1人だけ浮いてふざけている女子がいた


「任せとけ!YMB!私がバッチリ声かけておくからさ!」


そんな彼女の態度にため息を吐いて部下に命じた


「はぁ…誰かそのすぐ略語にする奴、外に追い出しとけ」


「YES!MY!BOSS」


2人の部下が彼女の両腕を掴んで彼女は引きずられながら部屋の外へと連れ出されていった


「え、ちょっと待ってよ!ボス〜!?」


扉が閉められてその部屋にはボスと呼ばれる男と1人の部下が残った


「今年は俺が勝つ…ブラッディカイザリン、!」

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