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The world of rights 【わるらい】  作者: SAKURA
第一章 アネモネ学園入学試験編
17/21

2-5 2つの試験

アネモネ学園。そこは世界で唯一の国際学園。世界中から優秀な15歳以上の若者がこの学園を受験し、幾度となく散っていった。

大金を払えば入学することもできるがその額は一般人にはそうそう出せない金額だった。

しかし入学試験に合格すれば受験費のみでその後の学費は全額免除となる制度もあった。


「ここがアネモネ学園…デカすぎるだろ…」

「流石は各国が資金を提供するだけあって綺麗なところね。」

「この試験に俺の全てがかかってる…かかってる…」


受験生が学校内に続々と入っていく中、巨大な校門を新たに潜った黄金色の髪をした人物がいた。


彼は校内に入ると長い石レンガの道を息を整えるように歩き、髪を掻き上げて赤い目を輝かせながら額の汗を手の甲で軽く拭った。


なぜこんなにも俺が疲れているのかと言うと…


それはここに来るまでの道のりだ、この学園はは街の中に聳える崖の上にある。


もちろん崖登りをしたとかではない。

坂道だがちゃんとした道はあった。


だが俺もきちんと鍛えている身、その程度で疲れるということはない。


問題はその少し前…。街中での出来事だった。


この学園の場所を知るために駅で道ゆく人に道を教えて欲しいと言ってその方向を教えてもらった。


だがここは大都市。

方向だけ教えられても中々学園らしきものが見えて来ず焦りからか足取りも速くなって行った。


そのうち街中を駆け巡ることになり道ゆく人に何度も方向を聞いたが状況は変わらなかった。


単純な道なら真っ直ぐ行って右などと教えてもらう事もできるだろう…。


だがこの街はあまりにも広く、道が入り組んでいるところも珍しくはなかった。


幸いだったのは目印があった事だ。崖の上に立つ立派であまりにも大きな城。それだけが俺にとっての方位磁針となっていた。


だが俺は方向を聞いただけでそれ以上の話を聞かなかったことが災いし、その目印自身が学園なのだと知ることにそれなりに時間がかかってしまった。


そしてなんとかここまで来たわけだがなんとか時間には間に合った。


試験は全部で2つ。


一つ目は常識を問う問題。

ここは世界中から人が集まる。だとすれば文化の違いというものが必ず生まれる。

だからこのセントコアルでは全ての文化を尊重するなんて不可能なことはできないので共通するルールや法律、秩序を維持するための法律を独自で展開した。

つまり常識を問う問題とはこの街でのルールを問う問題ということだ。ルールを理解できない者は秩序を壊す。それを防ぐためにもこの試験は行われている。この学園に入るためにはこのことが必要不可欠なので多くの人がここでのルールを知ることにもなる。


二つ目は何を出来るかで変わってくる。

研究なら自らの知見や過去の実績を

戦闘ならその実力を

他にも様々な目的でこの学園に集まる者のためにそれぞれの分野に見合った試験が用意される。


俺の場合は戦闘だろう。むしろそのためにここに来たのだから。


ここで俺は一人前になるんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「今年はどんな新入生が入ってくるかな?」


校内から窓を覗いて受験生たちを見ていた2人の人物が窓の縁に寄りかかって話し合っていた


「リアさんみたいな人はそうそう現れませんよ」


茶髪の吸血鬼の青年が悪気のないお世辞のように黒髪の青年に言った


「そうかい?わからないよ?世界は広いからね…」

「それよりも僕的にはその'さん'呼びやめて欲しいんだけどな…。コルヤも同い年で同級生なんだからタメ語でいいのに。」


「そうもいきませんよ!なんてったってあの"血の女帝ブラッディカイザリン"のたった1人のご親友なのですから!」


コルヤは目に見えて焦りながら答えた。きっとリアに敬意を持っているんだろう。


「親友、ねぇ…」


彼は不服そうにそう窓の外の空を眺めて呟いた


「リアさんも我らの派閥に入れば良いじゃないですか!カイザリンもきっと喜びますよ!」


期待を込めて詰め寄るように告げられたが彼の心は空に飛ぶ鳥に惹かれていた


「俺には向いてないよ。フィオラの所は吸血鬼のための派閥だから…」

「フィオラが許してもまわりはどうかな…」


そう言う彼の顔はどこか悲しそうに見えた


「そういうことだから僕はもう行くね」


淡々と話を終わらせて去っていく背中をただキョトンと眺めていると彼は我にかえった


「って!待ってください!」

「聞きたいことがあるんですけど!?」


吸血鬼の青年が彼を追いかけるも、曲がり角を曲がった途端、リアの姿を見失ってしまった


「あれ?さっきここ曲がって…」


コルヤは唖然としながらしばらくその近くを徘徊するも彼の姿はどこにもなかった

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