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詩*日常から*

カタブイ

作者: a i o


風にのって

それはやって来た


空の端々に

晴れ間を保ったまま


儚い命の積乱雲が

ひと夏の蝉の鳴き声のような

雨を降らせる


明るい雨だ

淡い光に包まれた

まるで泣き笑い

嘘みたいな雨だ


雨足はとことん強く

踊るように叩きつけ


人びとは一時(いっとき)の辛抱と

仰いだ角度で

たたずむ屋根の下


一滴と一滴の隙間を縫って

光さす

煙る銀

かがやく銀

終わりある今に瞬いて


そこのみに

塊のごとく降り注いだ雨は

いつしかパタリと止み


泣きはらした風に

雲は千切(ちぎ)れ薄れゆく

濡れたアスファルトの静けさ

揺れる木々の葉 煌めくしずく


素知らぬ顔した太陽が

現れれば 踏み出した

今はもう 青いばかりの


過ぎ去りし

雨の片側












*カタブイ (片降い)

沖縄の方言で、沖縄の夏によく起こる局地的に突然大雨が降る気候現象のこと。短時間で止み、空の片側では晴れていることもある。

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