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第八話
「……勝ったの?」
「勝った。たぶん、俺の勝ち」
魔法陣は消滅し、洞窟の奥には静寂だけが残っていた。
「今の、何?」
「……スキルじゃない。“この世界の魔法”じゃなくて、“システムの中身”そのものを触った感じ」
「カケル、やっぱり……変だよ。普通じゃない」
「でも、その“変”が、たぶん俺の武器なんだ」
俺は立ち上がった。
バグだらけのまま、でも一歩前に進んだ気がする。
そして――
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《新たな進化条件を取得しました》
《次回、賢者クラスへの転職が可能です》
⸻
「賢者、か……。道は、見えてきたな」
「うん! これから、だね!」
この世界の理を超える“バグの勇者”と、誰よりも素直な獣人少女。
ふたりの旅は、今まさに始まったばかりだ。