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第二話
その結末が、いまのこの牢屋である。
「不審者を確保したぞ!」
ボロ布同然の服で街をさまよっていた俺は、人々の通報で捕まった。
「ステータス:未登録、ジョブ:不審者。王都で召喚された転生者と特徴が一致したため、拘束。……ふん、下手な工作だ」
鉄格子越しに、衛兵が嘲笑混じりに言う。
「いや、マジで俺、転生された側なんだけど……!」
「不審者は喋るな。気分が悪くなる」
ぐうの音も出ない理不尽。だが――
状況があまりにもコントのようで、逆に冷静になれてきた。
目の前に浮かぶステータス画面を見つめる。
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【ステータスウィンドウ】
名前:カケル(転生者)
ジョブ:不審者
レベル:ERROR
スキル:取得不能(ERROR CODE 014)
状態:転生バグによるシステム干渉あり
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(……やっぱり、バグってる)
けれど、これはただのミスじゃない。
この“異常”は、きっと可能性の裏返しだ。