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第十九話
境界の塔は、外見以上に“異常”だった。
まず、塔の内壁がすべて光を帯びたコード文字で構成されている。
天井も、床も、壁も、“解析不能”な情報が走っている。
「うわ……これは、コード構造ってレベルじゃない。まるで“システムそのもの”」
俺はゼロ・コードで壁に干渉し、情報を抽出しようとした。
そのとき、空間が震えた。
「来るよッ！ なにか、大きいのが！」
リーネの警戒が走る。ノアもすばやく背中のアームを盾モードに変える。
そして現れたのは――
漆黒の身体に、エラーコードが刻まれた獣。
【バグ魔獣 Lv：??】
【特性：外部干渉・コード喰い・魔法反転】
「おいおい……こっちは初回訪問なんだけど？」
「ははっ、ようこそ未知領域へ、カケル君！」
レプリコードが咆哮し、空間そのものを食い破った――！
