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レプリカのアイドル~声真似系VTuberが天下をとる話~  作者: 独身ラルゴ
第三章 創作者

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第59話 4期生学力テスト②

「さて、これにて全問終了ですわね。では得点順位を発表しましょうか」


《みんなおつかれさまー》

《結果はどうかな? wkwk》


「まずは4位、8問正解のダークさん。続いて3位は13問正解のティアさん。まずまずといったところですわね」

「なんとか赤点回避っス……」

「んー、パッとしない結果。つまんなくてごめんね」


《つまんなくない! 二人共頑張った! 立派!》

《俺も同じくらいだったからなんも言えねえや》


「続いての順位発表は……シューコさんとセンカさん、同率1位ですわ。17問正解ですの」

「っしゃあ! アルマさんとコラボだ―♪ きゃっきゃっ」

「わーこんなはしゃいでるシューコさん初めて見たっス……」

「ご褒美が一人だけというのも不公平ですわね。センカさんは何か望みはありますの?」

「んー? じゃあロカちゃん先輩とのコラボでいいヨ」

「あら嬉しいことを言ってくれますのね。もちろん構いませんわよ」


《シューコさんおめめ》

《喜び方がガチ過ぎるww》

《センカちゃんもマルチリンガルなだけあって地頭良いね》


「それでは最後に5位の発表、もちろん貴女ですわよ。ツムリ」

「うっ……はぁい」


《ですよねー》

《あれ? 何故か最初からこうなる気がしてたぞ?》

《で赤点回避できた?》


「気になる得点は……正解5つに△2つ、おおまけにまけて合格としてあげましょう」

「ふぅ……助かりましたぁ」


《できないなりによく頑張った!》

《でもちょっとは自主勉した方が良いかもなぁ》


「皆様お疲れ様でした。学力テストは以上で終了ですわ。しかし折角テストしたのにそのまま終わりでは勿体ない。間違えた問題はしっかり復習しなさいな。特に今日なんかはほぼ常識レベルの問題ばかり、この程度の結果で満足しないように」

「「「はーい」」」

「素直な生徒は好きですわよ。なんなら個人的に勉強教えてほしいということであればお誘いくださっても構いませんわ。コラボ配信でもプライベートでも。ねえ、ツムリ?」

「あはは……前向きに検討する方向で善処しますぅ……」


《しないときの常套文句やめなさいw》

《いやロカせんせぇの授業はオススメだぞガチで》


「それでは本日はこれにて閉校。最後に元気な挨拶で終わりましょう。日直のダークさん、号令を」

「はいっス。起立! 気をつけ! さよならぁ!!」

「「「さようならー」」」

「はいさようなら。気を付けてお帰りくださいまし」


 配信が終了し、一息つく。

 なんとか赤点は免れ、致命的な自体にはならなかった。

 そう安堵していると、通話を切った相手からメッセージが届いた。


「……え、ロカさん?」


 メッセージの内容は『居残り授業のお知らせ 都合が良ければ連絡くださいませ』とのこと。

 不穏な文字列に怯えつつ、恐る恐る通話をかけるとすぐに繋がった。


「さて、何故呼び出されたかお分かりですの?」

「えぇ……いやぁ心当たりないですねぇ。ひょっとしてさっき成績が悪かったから……?」

「あら、貴女がその話を続けたいならそれでも構いませんわよ?」

「あー、それはまたの機会にぃ……」

「ええ。では本題に入りますが、さて何から話したものでしょうか……」


 口籠る彼女の次の言葉を待つ。

 待ちながら、何故か嫌な予感がしていた。

 気のせいかもしれないけれど、通話の先にいる彼女から妙な圧を感じた気がして。


「まずこちらから質問しますわね。最近アルマと連絡がつかないのですけれど、ツムリは何かご存知かしら?」


 最も触れて欲しくない話題。

 しかし今更この程度では動じない。

 「何も知らない異迷ツムリ」を演じるのはもう慣れっこだ。


「? ご存じないですねぇ。いつからですかぁ?」

「10周年ライブから、それ以降一度も返信がないですわね」

「そうなんですかぁ。あれ? でも前のゲーム大会ではチーム組んでましたよねぇ」

「なるほど。意外と徹底してますのね……」


 とぼけた回答を続けていると、ロカは妙なことを言って考え込むように黙った。

 すると次にこのような言葉を投げてきた。


「では今度はこちらから教えて差し上げましょう」

「教える? アルマさんのことですかぁ?」

「当たらずとも遠からずですわね。こう言えば伝わるでしょうか? ワタクシは――――『貴女』のことをアルマと呼んだ覚えは一度もありませんわよ」

「――――……」


 流石にとぼけることすらできなかった。

 一時停止した思考を再起動し、ロカの言葉をなんとか飲み込む。

(あっダメだ。この人もう確信してる。言い逃れは……無駄ですよねぇ)

 ロカもこちらの反応を伺うように待ってくれていた。


「あー……いつから気づいてましたぁ?」

「言ったでしょう? 10周年ライブから、と。正確には登録者500万人達成時が最後ですわね?」

「さすが……ロカアルの絆は伊達じゃないですねぇ。ご馳走様ですぅ」

「茶化して誤魔化すのはおやめなさい。今日は全て吐くまで逃がしませんわよ」

「はぁい……」


 観念し、素直に打ち明けることを決める。

 導化師アルマ、もとい四条ルナが残した手紙について。

 それ以降の導化師アルマは全て自分が演じていること。

 そして、紅月ムルシェが休止することになった経緯までも……。


「なるほど……状況は分かりましたわ。原因もなんとなく予想つきますわね……」

「原因ですかぁ?」

「……いえ、ツムリは知らなくて良いことですわ。それでどうするつもりですの? こんなこといつまでも続けられることではないでしょう」

「ですよねぇ。どうすれば良いかは……正直分かりません。けど、私がやるしかないのでぇ」

「……」


 苦笑いしてみたが相手の反応は分からない。

 何を考えているのだろう? 憤怒? それとも幻滅?

 きっと良い感情ではないだろうな。

 ……やっぱり言いたくなかったな。


 そんなネガティブな思考を止めるように、ロカは大きくため息をついた。


「まったく。アルマには呆れたものですわね。後輩にこんな重荷を背負わせても動く気配を見せないなんて」

「あはは……あの、ロカさんはどうしますか? このことを誰かに……」

「わざわざ言いふらしたりはしませんわよ」

「ほっ……」

「ただし、隠すつもりもありませんの。ブイアクトのメンバーはそのうち不自然に思うでしょうし、またムルシェさんのように被害者が出るのは貴女の望むところでもないでしょう?」

「それはぁ……その通りですぅ……」


 ロカはあくまで冷静に判断を下す。

 感情的になることなく、語気を荒げることもなく。


「ご納得いただけたようで何より。……少し厳しいことを言いましたが、貴女も何か困ったらワタクシに相談なさいな。こちらも解決策を考えてみますわ」


 それどころかこちらに気を遣ってくれた。

 その優しい言葉のおかげで、救われたような気持ちになった。


「ロカさん……ありがとうございますぅ」


 打ち明けて、受け入れて貰えて、すっと胸が軽くなった。

 案外他の皆も受けれてくれるのだろうか? いやでも……。


 流石にメンバー全員に打ち明ける覚悟はない。

 それでも今日、ロカに話すことができてよかった。

 それだけは間違いなく言えることだった。


「あれ? でも気づいてたのにシューコさんのご褒美提案とかしたんですかぁ?」

「……あのときはうっかり失念していましたわ。適当に誤魔化しておいてくださる?」

「えぇ……」


 それはそれとして苦難は続きそうだ。どうしたものか……。


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