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信長のアレを千回クリアした俺が戦国最強の軍師に転生したのに、いきなり桶狭間が消えてるんだが(ていうか、おまえら全員シナリオ無視すんな)  作者: 犬上義彦
第1章 戦国1560

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 二人になったところで藤吉郎がため息をついた。


「寧々殿はいい女子なのじゃが、最近、飽きてきてのう。簡単にやらせてくれるのはいいんじゃが、どうも男の(さが)というか、かえって萎えるというか」


 おい、ちょっと待て。


 もうやっちゃってんのかよ。


 あんたら二人、あそこでそういう逢い引きをしていたのかよ。


 だからあんな人気(ひとけ)のないところを選んでたのか。


 相手は中学生の歳だぞ。


 まあ、昔は十四五歳で成人を迎えると古典の授業で習ったし、そういう時代だったと言われればしかたがないけど、あんたは十も年上の大人だろ。


 もうちょっと責任というか、自制というか、コンプライアンスとかだな……完全にロ(以下自粛)。


 とにかく、俺だって、中学の時にクラスのかわいい女の子とデートしたりイチャイチャしてみたいと思ったけど、空気みたいに無視されていまだに手をつなぐどころか、女子とまともに会話したことなんかなくて、だから毎日ずっとまわりに壁を作るみたいにゲームに没頭して、信長のアレを千回もクリアしてたわけだけど、本当は藤吉郎みたいに気軽に話しかけてみたり、とっかえひっかえなんて贅沢は言わないからせめて一人でもいいから、ちょっとぐらい俺に興味を持ってくれて相手にしてくれるような優しいクラスメイトに出会いたかったけど、そんな願望すらかなわなかったのが現実で、今さらそんなこと考えたってどうにもならないし、ああ、もう、なんだか叫びたくなってきたぞ。


 過去の時代に来てるのに、自分の過去は取り戻せないんだな。


 なんだよ、ちきしょう。


 泣いたりしねえよ。


 絶対に立派な軍師になって見返してやる。


 将来、歴史の教科書に載って、日本中の女子中高生に俺の偉業を知らしめてやるんだ。


 そんな俺が魂の叫びを上げている横で、藤吉郎は口をへの字に曲げている。


「女子という者は手に入れるまでは天女のように気高(けだか)きものだが、一度味わってしまえば飽きてしまうのじゃ。寧々殿も、最初はわしも額で穴を掘るほど土下座してものにしたんじゃが、最近はどうも刺激が足りぬように思えてな」


 なんだこいつ。


 リア充チャラ男のクズ野郎だな。


「わしの色に染めてやるのもいいんじゃが、従順すぎるのも、物足りんし」


 今までずっと英雄だと思ってたけど、クズ過ぎて幻滅だ。


 いやでも、秀吉の色好みは有名な話で、今さらなんだよな。


 ただ、本人を目の前にして実際にそんな話をされたら、「やっぱりね」と受け流すにはきつすぎる。


「寧々殿が言っておったが、おぬし、あそこの河原で狼藉者を追い払ったそうだな」


「ええ、まぐれですけどね」


「よけいなことをしてくれたでござるな」


 はあ?


「なんでですか?」


「いや、まあ……」


 言葉を濁して黙ってしまう。


 どうも藤吉郎の目が泳いでいるような気がする。


 もしかして……。


 ヤラセだったのか?


 不良をけしかけて助けに入り、男を上げる。


 いつの時代にもありがちなヤラセだったのか。


 偽薬にヤラセ。


 こいつ、目的のためならなんでもありだな。



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