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第21話


「さっきのは?」


 お姉さんはさっきの衝撃のことを尋ねると、僕の手をとって立ち上がるのを手伝ってくれた。


「僕のスキルですよ。ただ自分にも返ってきてしまうので...。」


 僕は念のため吸収術を発動しながらゴーレムに近づいて動かないのを確認すると魔石を異空間収納に回収した。


「あれ?魔石は...?」


「異空間収納ってスキルにしまったんです。」


「さっきボスは君のスキルで倒したって言ってたような...」


 しまったぁぁああ。いらないこと言っちゃったぁ!!!

 ダブルスキルは珍しいってことが完全に頭から抜けてた。僕も瑠璃に聞くまで知らなかったし、瑠璃は病室で他の人に伝わらないように結界で防音してたってことはそれだけ貴重なことなんだろう。


 どう言い訳しよう...。


「ふふふ。そんなに困った顔しなくても答えられないならそう言ってくれればいいのに」


 お姉さんはおかしいと言った様子で笑ってくれた。


「安心して恩人に失礼なことはしないから。」


 かっこいいことを言っているんだろうけど、いまだにお姉さんの足が震えている事がかっこよさを激減させている。



 僕らがボスを倒したことで無事にダンジョンの入り口への転移魔法陣が使えるようになっていて、僕らはそこに乗って地上に帰還する。





 ダンジョンの入り口を出るとお姉さんがポーションを取り出して差し出してきた。


「念の為ポーションを...。」


「あの時は肺が押されて呼吸ができなかっただけで怪我はないのでそのポーションは大丈夫ですよ。」


 事実、別に強がりでもなくて右足を少し捻ってしまったくらいでポーションを使うほどの外傷もない。職業の身体強化もあって別に歩くのにも支障はないしね。


 それにあれは僕の注意不足が招いてしまった事だしお姉さんにポーションを使わせるのは少し気が引けてしまう。


 異空間収納から衝撃を取り出す時は自分の体の強度と相談しながら使っていかないといつか死んでしまう気がする。次からは少し慎重になった方がいいかもしれない。



「だから本当なんだって!あの新人が自分で突っ込んでいって死んだんだよ!」


 僕らがギルドに入ると先ほどの人たちが受付で騒いでいるのが聞こえてきた。しかし彼らは僕たちが入ってくるのを見るなり彼女に近づいて白々しく演技し始める。


「なんだ生きていたのか!あぁよかったー!勝手に突っ込んでいったから心配したんだよ!今からまたダンジョンに潜ろうとしてたんだ!生きてたなら一緒に行くぞ!」


「なんであんたなんかと一緒に行かないといけないのよ。むしろ置き去りにしたのはあんたの方でしょ。」


「あ?せっかく俺たちが親切で連れてってやろうとしてるのに」


 これ以上放置してしまったら彼女が危害を加えられてしまうかもしれない。ここは強引にでも僕に矛先を変えた方がいいだろう。


 それに何よりギルドで揉め事を起こされるのは非常にまずい。あまりに度を超えていない限り基本的に受付嬢は見ているだけの事が多い。では彼女たちに代わって誰が問題を起こしている者を止めるのか。それはその場にいた僕らのような同じ探索者たちが対処するんだ。


 問題行動が増えればそのギルドに依頼を出すものが減る。するとギルドは全国で一つの組織なので困らないけど、そのダンジョンを中心として活動しているものたちは収入がダイレクトで減ることになってしまう。


 そのため、近くにいる探索者が騒動を止めに入るのが暗黙の了解となっている。


「すいません、困っているようでしたがどうされましたか?」


「おい!俺たちが一緒にダンジョンに行ってやろうって話してただけだぜ。なぁお前ら?突然イチャモンつけられちゃ困るなぁ。」


「そうだ!俺らはこの子と一緒にダンジョンに行こうとしてただけだ!」


「おいチビ!関係ない奴は引っ込んでろよ!」


 あ”?チビ?


応募規定の文字数になったので不定期連載にしています。大体1週間ごとに上げる予定です。

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