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2-3

「これは私の推理なので事実と相違があるかもしれませんが。

ルトガー様、カイ様、カミラ嬢は幼馴染であったということでした。

カミラ嬢はカイ様のお家の分家のご令嬢ですのでご婚約は順当で誰にも文句のつけようがありません。

ですが人の心というものは(まま)なりません。

ルトガー様が密かにカミラ嬢に想いを寄せていたとしても不思議ではないでしょう。

カイ様は親友ですからこれに気がついても不思議ではない。

不安になったのではないでしょうか?

まあ、これについては後ほどお話しすることがございます。

カイ様が不安になったとして話を進めます。

ルトガー様の想いの有無を確かめたいカイ様は一計を案じます。

騎士の間では想いが通じた乙女に剣の柄に口づけを落としてもらうと死なずに戻れるというジンクスがあるそうです。」


---


これはシャルロッテがお茶会で仕入れた情報である。

令嬢同士がいかに自分が恋人に愛されているかマウントを取り合っている時に得たのだ。


「先日、XX様とお会いした時に剣にキスして欲しいと懇願(こんがん)されましたの」

「まあ貴女、もう乙女ではないのではなくて?」

「う、うるさいですわ!そういうことは黙っておくものよ…」


---


「カイ様はカミラ嬢に口づけを落としてもらったとルトガー様の耳に入るようにふれまわったのでしょう。

そして2人になる機会を待ち、剣の柄にピーナッツ・バターを塗っておいて席を外す。

ルトガー様にカミラ嬢への想いがあるならば同じところに口づけをするのではないかと。

幼馴染であればピーナッツに対するアレルギーを知っていて当然ですから。」

「まるで見ていたようだ…その通りです。

寸分たりと違っておりませんシャルロッテ嬢。

申し遅れました、私、カイ・ヒンメルと申します。

メスナー伯爵夫人にも大変失礼致しました。

ルトガーは…無事でよかった。

まさかこんなことになるとは…体が痒くなるだけだと思っていました。」

「アナフィラキシー・ショックでしょう。アレルギー反応は怖いのですよ。

このように劇症化して命を落とすことがあります。」


伯爵夫人は落ち着きを取り戻したようで少し表情を和らげた。


「カイ…あなたたちが仲違いしたのではなくてよかったわ。

横恋慕(よこれんぼ)ですか。ルトガーには困ったものだわ。天罰が下ったのね。」

「いえ叔母さま、すべて私が悪いのです。

親友を試すようなことをして危うく大事なものを無くすところでした。

申し訳ありません。」


関係が修復されたのを見計らってシャルロッテは本題に入ることにした。

既に容体の安定したルトガーは別室に運ばれて医者が処置を施している。


「お二方にお話ししておきたいことがございます。」

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