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よんばん
「バケツここに置いとくね」
「ありがとう。本当にありがとう」
バタン カチャ
今、鍵かけなかったか? まあいいや。とりあえず、足を洗おう。
2階のドア前まで歩いていって、スボンの裾を折り返してまくり上げた。
バケツに足を突っ込んで、上下左右に足を動かす。
これじゃ落ちないけど、手で洗いたくないぞ。
「ヒカル--。トイレ用のブラシ持ってきて----」
背に腹は代えられない。右足君、耐えるのだ。
トイレのブラシでこすっても、耐えるんだ。
ガラガラっと窓が開いた。
「これで良い?」
ポイっと、ブラシを放られた。
ガラガラっと窓が閉まった。
カチャ
窓の鍵しめなかったか? あんまりだ。