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●ⅩⅤⅠ
翌朝、顔を洗いながら考えていた。
昨晩は寝ている時にも救急車がすごく走っていたな。
寝ながらも、うっすらと覚えている。なんだか嫌な予感がする。
だけど、ヒカルはいつも通りの爆睡中だ。
すこし安心した。
今日も今日とて、うんこを見に行く。
大家さんはいるのかな?
大家さんは今日も私を待っていた。
「おはようございま--す」
「おはようさん。今日のうんこは、また三人になってるわ」
りっぱな、一本うんこが三人分あった。
あったが、側に紙が無いのも不思議だ。
拭いてないのかと思うが、大家さんには話しにくい。
「昨日帰ってくる時には無かったから、その後にしたんでしょうね」
「何時ぐらいに帰ってるの?」
「昨日は20時過ぎてたと思います」
「夜中にしてるんでしょうね。全く迷惑だわ」
救急車の話が出たが、大家さんも事情は知らないそうだ。
何か分かったら、明日の朝、教えてくれることになった。
大家さんはいつも通りに、うんこをかたし始めた。




