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●ⅩⅤ
救急車を横手に見ながら、通り過ぎる。
病気でも流行っているのかな? こんな日もあるだろう。
それよりも、今日のうんこだ。
生垣が続く手前までやって来た。懐中電灯を点けて、うんこを探す。
今日は無いな。ちょっと安心した。
「ただいま」
「お帰りなさい」
部屋着に着替えて、気になっていることを聞いてみた。
「救急車けっこう近くに2台来てたけど、何か聞いてたりする?」
「知らないよ? だけど、何回もサイレン鳴らしながら走ってたのは知ってるよ」
「変な病気じゃないといいけどね」
「なにそれ? 気持ち悪いし怖いよ」
寝るまでにも、遠くに近くにサイレンは聞こえてきた。
寝入る時に、うんこ男達の事が脳裏をかすめた。




