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うんこをトングで庭に運んであげた。
穴をシャベルで掘ってる大家さんに、
「杭付きの立て看板、うんこがあった所に立てていいですか?」
「いいけど、どういうの立てるの?」
『うんこ禁止』
「うふふ。それはいいかも知れないわね。いいわよ」
「休みの日に作りますね」
家に戻るとヒカルは起きだしていた。
「どこに行ってたの?」
「うんこ見に行って来た。大家さんが片したよ」
「声変じゃない? 風邪ひいたの?」
「かもしれない。熱っぽいし、薬飲んで会社には行くよ」
「マスクもした方が、喉にはいいよ」
「うん。そうする」
「うんこって、かたずけないのは許せないよね」
「そうだね。夜に踏むといけないからヒカルも会社に行くときには、
懐中電灯持って行った方がいいよ」
「あはは。大丈夫だよ。道の真ん中歩くから」
暗にディスッているのか? まあ、いいけどね。




