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全世界の覇者。  作者: 治崎 龍也
第1章 「べクトラム学院編」
9/15

それぞれの思い。

美島玲奈。

善龍寺神牙。

清水凛馬。

清水紳助。

それぞれの思いが交錯する。

その時、4人は何を思い何を成すのか

「全世界の覇者。」第8話。

それぞれの思い。

準決勝戦を控えた4人の選手。

最強の姉妹。美島 瑠希那(みしま るきな)美島 玲奈(みしま れいな)

全ての超越者。善龍寺 神牙(ぜんりゅうじ じんが)

神魔を喰らう者。清水 凛馬(しみず りんま)

全ての破壊者。清水 紳助(しみず しんすけ)


4人はそれぞれの思いを心の中でもちあわせていた。


ベクトラル学院学内病棟。第一棟。

瑠希那は準々決勝から目を覚ましていなかった。


「姉上……」

玲奈は自分を責める。

自分が弱かったから。

自分が1人で戦えないから。

全くもって最龍神に。()()だったから。

その責任を玲奈は眠っている瑠希那の目の前で噛み締めていた。


「私は弱い。英雄・ジークフリートのバルムンク。この剣にも封印はある。だけれど制御できる自信はない。今の私にその力もない。姉上。申し訳ありません。私が弱いために。。すいませんでした。」

玲奈は意識が戻らない瑠希那の手をしっかりと握りそう言った。


瑠希那に意識がもどる。わずかな力で玲奈の手を握り返し、意識が朦朧としている中でただ一つ。真っ直ぐに一つだけを玲奈に伝える。


「玲奈は………強いよ……すごく…強い………だから……諦めちゃ……ダメ。」

途切れ途切れでもその思いだけをしっかりと伝えるために伝える。

そうして、また意識が途絶える。


「姉……上……。。」

涙目になりながら玲奈は心から感謝した。


「ありがとうございます。姉上。かならず、必ず勝ちます。」

玲奈は姉を意思を受け継ぎ、覚醒する。


「全ての超越者。善龍寺神牙。私が貴方を倒す!!」

玲奈は決心した。



――男子寮。

「いよいよ、明日が準決勝だね。神牙。」

凛馬がいつもより真剣に神牙に伝える。


「そうだな。凛馬。お前の相手は……」

神牙は言葉が詰まる。


「大丈夫だよ。やれるだけの事はやるさ。」

凛馬は強い声でそう言った。


「本当に強くなったな。凛馬。」

神牙は感心した。自分の力に見切りをつけてこれより自分は強くならないと確信していた凛馬が自分の持つ全力の力で学園最強の男に挑もうとしている。

それが関心以外、何も浮かばなかった。


「何を言ってるんだい?神牙。僕を変えたのは君じゃないか。」

あの日、神牙が背中を押してくれたから自分は成長出来た。凛馬は心の底からそう思っていた。


それを引き金に覚醒した凛馬。あれは強かった。

バハムートを変幻自在に操る圧倒的力。

しかし、凛馬は未だにそれを制御できていない。

あの力はとてつもなく強いが制御出来なければ力は引き出せない。完全に制御すれば学園1位にも勝てるかもしれないが、今の凛馬にはそれは不可能であった。


「明日のためにもう寝ようか?」


「そうだな。そうしよう。」

神牙と凛馬は深い眠りについた。


一方その頃、全ての破壊者。清水紳助。

彼は冷めていた。


「記念すべき1回戦目があの雑魚とはな。出来損ないがっ。」

清水凛馬。清水家の汚物。清水家を穢すもの。

俺から母親を奪ったもの。


幼い頃、紳助は母親が大好きだった。

清水香織。彼女は息子を愛していた。

凛馬。紳助。二人とも。しかし、だんだんとそれは変わっていった。紳助が強くなるにつれて凛馬が一族から省かれるようになるにつれて香織の愛は凛馬に傾いているように紳助には見えていた。

紳助はもっと強くなろうと。母に愛してもらうために強くなろうとどんなにきついことでもやり遂げてきた。それなのに何故。出来損ないのあいつが愛されて俺が愛されないのか紳助は自問自答を何度も繰り返したことがあった。しかし、ある日。決定的に紳助は変わる。母。香織が凛馬を匿ったせいで清水家から追放された。そして、清水家の完全なる教育を受け。

紳助は本当に()()()()()()となった。


「いい機会だ。立ち直れなくなるように心を折ってやろう。俺は破壊者だ。」

紳助は決めた。凛馬をここで()()と。


それぞれの思惑が交差する。

姉の意思を継いだ。美島玲奈。

全てを越える者。善龍寺神牙。

神魔を喰らう者。清水凛馬。

全てを破壊する者。清水紳助。

準決勝まであと13時間。


――翌日。

凛馬と神牙は最後の調整に入っていた。


「ブリューナク!!はぁぁぁぁー!!」


「魔剣・グランザム。」


――カキン。


「さすがっ。神牙だねっ!!」


「まだまだな、凛馬!!」


「ここら辺にしようか。」


「そうだな。ふぅー疲れたー!」


「はいこれ、疲れ取れるよ」

そこにははちみつ漬けにされているレモンがあった。

神牙は一口ほおばる。それは絶品だった。

ほのかに伝わる酸味。それを包み込む甘み。

ふたつが混ざりあったそれはまさしく疲れを癒すには十分だった。


「上手いなこれ。凛馬が作ったのか?」


「うん。そうだよ!すっごい疲れが取れるんだ!子供の頃。母さんが教えてくれたんだ。」


「そうなのか。いい味だな」

神牙は少しはにかみながらそう言った。


「そっか、それはよかった。」

凛馬が少しほっとした様子で返事をした。


その時、神牙は異変に気づいた。

それは殺意だった。圧倒的殺意。

それは正しく全てを破壊する殺意。


「誰だ。出てこい。」

神牙が声のトーンを変えて冷徹な声でそう言うと

一人の人が出てきた。


「にいさ……あなたは…。」

凛馬はその正体を知っていた。

最強の破壊者。清水紳助。


「久しぶりだな。出来損ないの雑魚。」

紳助は凛馬を嘲るように言った。


「おい、その言い方はないだろ。破壊者さんよ。仮にも兄だろうが。」

神牙は殺意を込めながら嘲るように言った。


「なんだ。成り上がりの転校生が。少し強いぐらいでいきがるなよ。それに、俺にはそいつのようなゴミみたいな弟はいないな。記憶にない。」

紳助は更に殺意を込めて嘲るように言った。


それは全ての超越者の逆鱗に触れるには十分の言葉だった。

「凛馬はお前より強いぞ。ああ、すまん。ただ破壊するだけのバカには分からないか。」

重く、冷徹に本気の殺意を込めて言った。


「フッ。口だけは達者だな。楽しみにしてるぞ転校生。」

紳助はまた殺意を込めて言った。

そしてその場を去った。


殺意と殺意がぶつかり合い。

その場は息ができる状況ではなかった。

凛馬は溜めていた息を吐き出し。

一息ついた。


「君は本当に怖いね。色々な意味で。」

凛馬は少し怯えていたがもう調子を取り戻していた。


「そうか?あれくらい普通だろ。それよりあんな奴に負けるなよ。お前ならあいつには勝てる。」

神牙は本気でそう言ったが。清水家から省かれていた期間を拭うにはその言葉だけでは足りなかった。


「無理だよ。僕にはあの人には勝てない。僕じゃ無理なんだ。」

凛馬は少し声を震えて拳を握りながら答えた。


「悲しんだり悔しむ暇があるなら勝つ方法を考えろ。勝つことだけ考えるんだ。負けることは一切考えるな。戦ってる最中も勝つことだけ模索しろ。そうすれば道は開ける。」

神牙は凛馬を説得するように言った。


「うん。僕にやれる全てをぶつけてみるよ。」

凛馬は少し間の抜けた返事をしながら、神牙にそういった。


準決勝。第1回戦。

美島瑠希那&美島玲奈VS善龍寺神牙。

審判から説明が入る。

「美島瑠希那選手はケガのため欠場となり美島玲奈選手対善龍寺神牙選手の試合をとりおこないます。」


「全ての超越者。すまない。私一人だが、全力で相手をしよう。」

玲奈は落ち着いて戦う意志を見せた。


「姉を意思を受け継いだ…か。楽しみにしてるぞ。第3位さんよ。」

神牙は少し、警戒しながら言った。


「そんなに強くはないが。姉上に君を倒すを誓ってきた。だから、全身全霊で挑もう。」

玲奈は気合を入れた。


「いいな。その感じ。楽しみだ。」

玲奈の気合いに答えるように神牙も気合を入れる。


「それでは両者、位置について。デバイスを起動してください。」


「ソードデバイスON。装備。幻想大剣・バルムンク。」

英雄ジークフリートの大剣。


「オールデバイスON。装備。アロンダイト。」

アロンダイト。それはアーサー王伝説に出てくるランスロットが所持していたとされる片手剣だ。

それは月日を経て神器へと進化していた。


「アロンダイトですか。相手にとって不足などいっぺんたりともありませんね。」


「さすがにこれくらい有名だと知っているか。それじゃぁ。やろうか。」


決闘準備(デュエルスタンバイ)。」


5。


4。


3。


2。


1。


決闘開始(デュエルスタート)!!」


「バルムンク。封印解除!!」


「なに?いきなりだと??」


玲奈がそう言った瞬間周りに嵐がふきあれる。


「何だこの風は。どこから来てるんだよ。たっく。」


「我はジークフリート。英雄。ジークフリートだ。」


「ほう、これは姉と同じ力か。」


「貴様は倒すべきもののようだ。倒してやろう。」


「来いよ。ジークフリート。」


「はぁぁぁぁ!!」

ジークフリート(玲奈)がバルムンクを振るってくる。

神牙はアロンダイトで受け流したが

その力は100%女生徒の力ではなかった。


「一撃な重いな。英雄さんって言うのは。次は俺だ!」

神牙はアロンダイトを構える。


「来るがい良。我が倒すべきものよ。」


「湖の巫女よ。俺に力を貸してくれ。アロンダイト。神器解放。」

アロンダイトの剣先に水流ができる。


「ならば、私もするか。バルムンク。英雄化。」

英雄化それは武器を英雄オリジナルの武器に改造することだ。


「幻想大剣・真・バルムンク・(アラタ)。」

そこには普通のバルムンクよりふた周りほど大きいバルムンクがあった。圧倒的に力量が変わっている。


「ほう、対等に戦えそうだ。やろうか。ジークフリートさんよ。」


「よかろう。くらうがいい滅龍幻想(エンドリボルブ)。」

ジークフリートが件を一振した瞬間青色の龍が複数体現れ神牙に食らいつく。


「アロンダイト。飲み込め。」

刹那。青色の龍は突如出現した湖に飲み込まれた。

そして。

「湖の巫女よ。現れよ。」

そう言うとそこ大きな湖が出来上がりそこから一人の女性が現れる。

「湖の巫女よ。超高音声(ハイトーンボイス)!」

湖の巫女が叫ぶ。


「くっ。。なんだこれはあたまがわれるようにいたい。。」


「これはな脳の周波数に合わせて声を出して、相手の頭に激痛を与える技だ。」


「ならばこれはどうだ。バルムンク!極寒大地(コールドグラウンド)。」

バルムンクを地面に突き刺した瞬間。床が凍った。


しかし、そんなものは全ての超越者の前では無意味。


「湖の巫女よ。トドメをさせ。秘奥義。」

そう言った瞬間。巫女が両手を大きく開いた。

水素(スプラッシュ)爆発(エクスプロージョン)!!!」

刹那。湖の巫女は水蒸気を出しながら凝縮していく。

「終わりだ。姉を意思を受け継いだことには敬意を評する。せめて、安らかに眠れ。」


そして、湖の巫女はジークフリート(玲奈)を巻き込み爆発した。

水蒸気の煙がなくなっていくと、そこには倒れている

玲奈の姿があった。


「WINNER!!善龍寺神牙!!」


「悪いな。今回復してやる。全回復(オールヒール)。」


「全ての超越者。ありがとうございます。」


「まだ、お前にはその技は早すぎた。今は少しでも休め。」


「はい。すいません。」

そう言って玲奈はたおれた。


あいつに技を悟らせないために早々に蹴りをつけたが

凛馬が勝つことを願おう。

神牙は心の中でそう呟いた。


準決勝。清水紳助VS清水凛馬まで。

あと2時間。

否定と肯定の兄弟がぶつかる時。

勝つのは肯定か否定か。はたまた新たなるものか。

それは誰にもわからない。


次回。「全世界の覇者」第9話

「兄と弟。」

「全世界の覇者」第8話。「それぞれの思い」を

読んでいただき、ありがとうございます。

作者の治崎 龍也です。

※ネタバレ含みます。

今回はアクションと言うよりそれぞれの心境を書いてみました。個人的には全然納得していません。それなら投稿するなよと思う方もいらっしゃるかもしれませんが笑


玲奈は瑠希那の気持ちをつぎ。

凛馬と紳助は次のお話で色々展開がありますよー!

神牙に関しては10話で何かあるかもですね!笑

一応、10話で一章完結の予定ですのでそれまでお付き合いくださると嬉しいです!


具合悪い中で書いたので少し内容があっさりしていますが許してください。。

読んで評価してくれると本当に嬉しいです。

ブックマークとか貰えると本当にうれしいです。

底辺でも走り続けますので応援してくれる方は応援お願いします。


最後に

本当に読んでいただきありがとうございました。

ちざきりゅうやでした。

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