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全世界の覇者。  作者: 治崎 龍也
第1章 「べクトラム学院編」
5/15

目覚め。

前回のあらすじと今回。


前回まで。

凛馬と神牙が上半期学内順位決定戦に向けて訓練をしていた。

生徒会室で紳助が神牙に興味があると話を聞いた琉尊は神牙と練習試合をした。

結果は神牙の圧勝だった。

それを見ていた4人のルーキー。

板谷流星。松山薫。永久未羅生。永久夏虹。

は学内順位決定戦を楽しみにしていた。

そしていよいよ。

上半期学内順位決定戦学内順位開幕した。


今回。

第1回戦のカードが発表された。

清水凛馬 対 松山薫。

龍崎達也 対 板谷流星。

善龍寺神牙 対 新川雪乃。


凛馬は神牙に背中を押され目覚める。

一方その頃。龍崎は……


「全世界の覇者」第4話

~目覚め。~どうぞ。


いよいよ、上半期学内順位決定戦が開幕した。

第1回戦のカードが発表された。

そこには見知る名前もあった。

神牙は対戦表を見る。


「ほう。俺の1回戦目の相手は新川 雪乃か。って誰だ。」

神牙が凛馬に尋ねる。


「あぁ、新川さんか、新聞部の部長だよ」

凛馬は落ち着いた口調で答えた。


「へぇ、新聞部か。俺の平穏な暮らしを邪魔しようとした新聞部か。叩きのめしてやる。」

神牙は目に炎を宿らせながら言った。


「あはは…。ほどほどにね?」

凛馬が心配そうに言った。


「そーゆーお前の対戦相手は?」

神牙が凛馬の対戦相手を聞いた。


「僕は。。松山薫だよ。2年生の学年順位2位だよ。」

凛馬はそれが当たり前のように言った。


「初めから負ける気なんだから勝てるわけないだろ」


「そうかもしれないけど。。」


神牙はこの前の練習で知っている。

凛馬がまだ全力で戦っていないことを。

それが心に引っかかってずっと気になっていた。


「暴れてみろよ。バハムートの使い手さん。」

そこへ現れたのは。松山薫だった。


「松山薫!!」


「ほう、こいつか」


「どうも、転校生の善龍寺くん。」


「なんだ、凛馬。いかにも弱そうじゃねぇか。大丈夫だ!」

神牙は薫をフル無視して凛馬にエールを送った。


「おい、無視してんじゃねぇぞ。雑魚転校生。」

それは薫から神牙に対する煽りだった。

その煽りが逆鱗をかすめる。


「なんだと。?」

そう言うと神牙は薫に近づいた。


「おいおい、戦闘前に手なんか出したら失格だぜ?」

薫がそう言っても神牙は止まらない。


「神牙!!やめるんだ!」

凛馬が神牙の腕を掴んで止めた。

その瞬間。凛馬は見てしまった。

神牙の()を。


「は。な。せ。」

神牙がそう言った。


「う、うん。」

凛馬はすぐさま手を離した。


「なんだなんだ?仲間割れか?雑魚らしいじゃねぇか。」

薫がさらに煽る。そしてそれは完全に()()()()()()()()()()()()


神牙が薫の鼻と鼻の先まで近づいた。

そして大きく目を見開き。()()()()()()


「黙れ。雑魚が。」

とだけ言った。すると。


「ひっ、ひっ!な、なんだよ!冗談だろ!それぐらい分かれよ!クソが!!叩きのめしてやるからな!清水凛馬!!くそっ!!」

そう言いながらそそくさと逃げていった。


ゴクリ。凛馬は唾を飲む。

「神牙。。?」


「ん?どーかしたか?」

すると、神牙はもう普段の神牙に戻っていた。


「ど、どーするんだよ。松山薫を本気にさせちゃったじゃないか。」


「まぁ、どーにかなるさ。凛馬、お前の勝てない相手じゃない。」


「けど……」


()()()()()()。」


その言葉は凛馬を変革させるものだった。


「うん。できる限り、全力で取り組むよ。」


凛馬と神牙はそこで固く、強い握手をした。

互いの手を握りしめ。お互いの想いを伝えた。


()()()()()()()と。


「そういえば、他の奴らの対戦相手は?」


「他の奴らって?」


「パーフェクト・ベクトラムとか、龍崎とかだよ」


「あぁ。パーフェクト・ベクトラムはシードだから3回戦目からなんだ。達也くんの相手は……」


「ん?どうかしたのか?」


「これはまずいかもしれない。」


そのカードは龍崎 達也 対 板谷 流星だった。



その頃。龍崎の控え室では。


「くそっ!!」

その頃、龍崎は苦悩していた。


「なんでだ!!なんで1回戦からアイツなんだ!!」

龍崎と板谷流星は毎回当たっていて龍崎は未だに勝てたことがない。


「やぁ、龍崎くん。」

そこへ板谷流星がやってきた。


「なにしに来たんだ。笑いたきゃ笑え。俺はお前には勝てない。」

龍崎は負けを確信していた。


「そうだね。君では僕には勝てない。」


「くっ。。その通りだ。」

龍崎は悔しさを押し殺し、拳を血が出るまで握りながら。自分の弱さを認めた。


「せいぜい、楽しませてくれたまえ。負け犬は負け犬らしく果てるがいい、、最高のショーにしようじゃないか。」

そう言って高笑いをしながら龍崎の控え室を板谷流星は出ていった。


「くそっ。くそっ。。くそっ。。。」

龍崎の控え室には自分の弱さへの怒りで嘆く声が響いた。



第1回戦が徐々に始まりつつあった。

ここで1346人中673人が脱落する。


凛馬の試合が始まる。


「じゃあ、行ってくるよ神牙。」


「おう、ここで見てる。負けるな。」


「うん。必ず。必ず勝ってくるよ。」

パシン!

神牙は凛馬の背中を叩いた。


「い、痛いよ。」


「ごちゃごちゃ言ってねぇで。早く行け!」

凛馬は神牙に背中を押されてステージに立った。

神牙のこの行為は凛馬の力の糧となる。


審判がルールの説明をする。


「ルールは相手を戦闘不能にすること。ただし、殺害行為に及んだ者は失格とする。いいね?」


「はい、分かりました。」

凛馬がきちんと返事をした


「そんなの、言われなくてもわかってるって。」

松山薫は流しながらの返事をした。


「それでは、両者位置について!デバイスを起動してください!!」


松山薫がデバイスを起動する。

「ウィザードデバイスON。装備。炎のグリモワール。」


ふぅ。凛馬が一息つく。

神牙に背中を押されたんだ。こんな所で負ける訳にはいかない!!!凛馬はいつも以上き気合が入る。


「ドラゴンナイトデバイスON!!装備!蒼の槍!神魔を喰らい!顕現せよ!!破壊竜・バハムート!!」

地面から漆黒の体と紅の翼の龍が現れる。


「ギャァァァァァ!!!」

バハムートが雄叫びをあげる。


「それでは決闘(デュエル)開始5秒前!準備(スタンバイ)。」


決闘準備(デュエルスタンバイ)


5。


4。


3。


2。


1。


決闘開始(デュエルスタート)!!


STARTの合図と共に松山薫が速攻を仕掛ける。


「シー・メッツ・ルーナ・ボルフレア!!」

松山薫が呪文を唱えると無数の火球が凛馬に向かって飛んでくる。


凛馬はバハムートを乗りこなしかわして行く。

しかし、それは囮だった。


「ルーツ・エンズ・フレイムスピア!」

その瞬間。炎の槍が凛馬目掛けて飛んできた。


「なっ?!」

当たる。そう思った。しかし。。

()()()()()()()。固く、強い握手を思い出す。


「はっ!!バハムート!薙ぎ払え!!」

凛馬がそう言うと炎の槍をバハムートが薙ぎ払った。


「へえ、やるじゃないか。清水凛馬。さすが破壊竜・バハムートだ。」

松山薫は少しとさ驚いたが想定の範囲内だったようだ。


「なら、これはどうだ!」

松山薫が速攻魔法を唱え、100発の火球を出現させた。

「これを避けきれるかな?」

100発の火球が一斉に飛んでくる。


「もう、避けないっ!!打ち消す!!」

凛馬はそう言うと蒼の槍を天井に掲げた。

「ヘビーレイン!!」

そう言うと槍の先から放射線状に豪雨が降る


「水だとっ!?!」

シュウゥゥ。と音を立てながら火球が全て消えた。


「やるじゃねぇか。凛馬。」

神牙はその様子を成長と確認した。


「くっ。こーなったら。」

炎のグリモワールのページがめくられる。

「エイナ・キーツ・ミーシャ!」

その瞬間床に魔法陣が描かれ巨大な炎岩巨人(フレイムゴーレム)が現れた。

「炎岩巨人!!あいつに向かって炎の息吹(フレイムブレス)!!」

そう言うと炎岩巨人は炎の息をはいた。


「バハムート!こっちもだ!破壊の咆哮(ブレイク・バースト)


破壊の咆哮と炎の息吹がぶつかり合い、打ち消された。


「くっ。炎岩巨人でもダメか。なら!!」

松山薫がとても長い呪文を唱え始める。


「何をする気だ?!」


「できた。現れよ!炎に包まれし精霊龍。サラマンダー!!!」


「グルルァァァァ!!」

魔法陣から全身が炎で出来た龍型の精霊が現れる。


「なにっ?!サラマンダーだとっ?!」

神牙は驚いた。

「これは。少し面倒だな、頑張れ凛馬。」


「炎に包まれし精霊龍。サラマンダー。。」


「さすがに驚いたか!!いくら破壊竜・バハムートと言えど、サラマンダーには勝てないだろ!!」

松山薫は自信満々に言った。

しかし、サラマンダーを召喚した時既に。松山薫は引いたのだ。

凛馬のトリガーを。


「炎の精霊龍。。龍。。。龍との戦い。。」

凛馬の目は変わっていた。

心の強者とは戦う際に別人格になると言われている。

その証拠に目が変わるのだ。

そして凛馬は。満面の笑みで()()()

「本気で殺る(やる)。」


「ん?凛馬??嫌な予感がするな。」

神牙のこの予感はあとで的中する。


「サラマンダー!!奥義だ!!」

奥義とは秘奥義の1段階下の技である。

松山薫が呪文を唱え始める。


「バハムート。本気で行こう。」

「ギャァァァァァ!!!」


「ドラゴンナイトデバイス。チェンジ・ザ・ウェポン。装備。破壊の槍・バハムート。」

そう言うとバハムートが槍に変形した。


「フッ、龍を捨てたか。負けを確信したようだな。負け犬らしく消えろ!!」

その瞬間、サラマンダーが大きく口を開ける。

「行け!サラマンダー!!灼熱(スコーチングファイア)!!」


「グルルァァァァ!!!」

サラマンダーは叫びながら体中から炎を飛ばす。


凛馬に直撃する。しかし。彼は無傷だった。


「なにっ?!もっとだ!アイツ当てろ!!」


「破壊しろ。破壊の槍・バハムート。」

凛馬は落ち着いた声で笑みを浮かべながら言った。

その瞬間。炎が全て消えた。

そして、サラマンダーも消えた。。


「な、な、何っ?!こうなったら!秘奥義だ!!」

呪文を唱えようとした。が出来なかった。


「炎のグリモワールを破壊。」

凛馬がそう言いながら槍を炎のグリモワールに向けるとそれは消失した。


「そんな、ば、馬鹿な。。」

松山薫が驚く。そして、怯える。なぜなら、満面の笑みで破壊の槍・バハムートを持ちながら近づいてくる凛馬がいたからだ。


「やっと()()()。」

凛馬は体を押さえ付けて槍を構える。


「サ、サレンダーだ!!審判!!サレンダー!!」


「サレンダーが確認されました。WINNER。清水凛馬。」

しかし、それは凛馬には聞こえていない。


「永遠に眠れ。はぁぁぁぁ!!!!」

槍を松山薫に突き刺そうとした刹那。。


「凛馬!!!落ち着け!!!」

神牙が、凛馬に呼びかける。


そして、凛馬は我に返る。

「はっ?!僕はなにを。。。」


「凛馬選手?松山選手のサレンダーが確認されましたのであなたの勝ちです。」


「あ、は、はい。」

凛馬は何が起きたか分からず。勝者になっていた。


その時、神牙は思った。

凛馬は危険だ。

凛馬は全力を出していなかった訳じゃなかった。

全力を出せばこうなるとわかっていたのか?

まさか俺は。とんでもないことをしでかしたんじゃ。

凛馬の全力は危険すぎる。そしてあの武器。

全てを越えし者の神牙でさえ、初めて見た。

あれは規格外だ。強い。暴走さえしなければ。。

そして同時に。

凛馬を鍛えようと思った。


「ふぅ、何とか勝てたよ。神牙~。」


「お前、何とかって何も覚えてないのか?」


「うーん。よく分からないんだ。」


「そうか。まぁ、今は龍崎の試合を見に行くぞ。」


「うん、そーだね。」


そして2人は龍崎の試合を見に行った。

試合は酷いものだった。板谷流星の圧倒的優勢。

そして龍崎の体は血だらけでボロボロだった。

そして龍崎は白旗を上げた。

その光景を見た神牙と凛馬は唖然とした。

それは決闘(デュエル)なんかじゃなかった。

ただの一方的暴力だった。

龍崎が控え室に運ばれていく。

凛馬と神牙は急いで龍崎の控え室に向かった。



―龍崎達也。控え室。


「龍崎!!!」


「達也くん!!!」


「なんだ、お前ら。2人して俺を笑いに来たのか。」

神牙と凛馬の呼びかけに対して掠れた声を出しながら龍崎はそう答えた。


「そんなわけないだろ。なんだあれは。」


「そうだよ!!」


「仕方が無いんだ。。俺じゃ、あいつには勝てなかった。。」

あの龍崎が泣いていた。

誇り高きプライドをコテンパンにされたんだ。

涙ぐらいでてしまう。


「こんなこと頼むのは間違ってる。だけど。善龍寺。。。頼む。。お前が1回戦。2回戦。勝てば。。板谷と当たる。。俺はいつかあいつを必ず倒す。だから。。だから今回は。。お前が。。板谷流星を。あいつを倒してくれ!!」

掠れた声で最大の大きさで泣き声を出しながら龍崎は神牙に頼んだ。


普段の神牙なら間違いなく断っていただろう。

龍崎は転校初日に洗礼を浴びせてきた奴だ。

龍崎はクソたけぇプライドをもってる。


そんな奴が。そんな、馬鹿なヤツが。

過去負けた相手に体が血だらけボロボロな状態で。

泣きながら頼んでる。それを断る理由なんて神牙には

見つからなかった。


「分かった。任せろ。」


「達也くん。大丈夫だよ。神牙なら必ず勝つから。」


「ああ。2人とも。あ、ありが。とう。。」

そこで龍崎の意識は落ちた。。


「凛馬。。俺は絶対に板谷流星を許さない。必ず。必ず倒す!!!」


「僕も達也くん分まで、勝ち進む。必ず2人で勝とう!!!」


新たな友情のために。

すべてを超えし者が新たなる才覚を見せつける。

愚かな者の残虐的な行為により凛馬も覚醒する。


次回

「全世界の覇者」第5話。

~最強の一端~

「全世界の覇者」第4話~目覚め。~

読んでいただきありがとうございます。

作者の治崎龍也です。

※ここからいつものネタバレです。

先に読むのをオススメします。


今回は凛馬のアクションシーンがメインでした。

思っていたよりよく書き上がったと勝手に自画自賛しているこの頃です笑

神牙との友情で背中を押された凛馬でしたが。

本気での闘いで暴走していまいました。。

何とか神牙が止めてくれましたが次は暴走しないといいですね。

そして龍崎達也ですが。ぼっこぼこにされました。それに対する神牙の友情が芽生えましたね。

次回のお話では雪乃VS神牙を書くつもりですのでよろしくお願いします。


今回から最後に次回予告を入れてみました。

いいか悪いかはわからないですが良ければ

感想やアドバイスなどよろしくお願いします。

(作品に対してもお願いします。誤字報告とかでも大丈夫です)

Twitterもやってますのでそちらに送っていただいても大丈夫です(@Ryuya_Tizaki)


最後に。今回も読んでくださって

本当にありがとうございます。

まだまだ拙いですが。

これからもより良い作品になるよう

努力したいと思います。

これからも全世界の覇者と治崎龍也を応援してくださると幸いです。

本当にありがとうございました。

次回もお楽しみにっ!

ちざきりゅうやでした!(何故かひらがな)

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