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全世界の覇者。  作者: 治崎 龍也
第1章 「べクトラム学院編」
3/15

ベクトラム学院生徒会長。

前回までのあらすじと今回。


すべてを超えし者の善龍寺神牙はベクトラム学院へ転校生としてやってきた。

転校初日に同じクラスの2年生ルーキー龍崎 達也から洗礼を受けた。

だが、龍崎 達也がすべてを超えし者の逆鱗に触れ

返り討ちにされた。


毎日が憂鬱だった。全ての破壊者。清水 紳助は

たった一人の転校生によって。目覚める。

今。全ての超越者・善龍寺神牙という歯車と

全ての破壊者・清水紳助という2つの歯車が

交わり始める。


「全世界の覇者」第2話。

~ベクトラム学院生徒会長~

―生徒会長室。


ベクトラム学院生徒会長。

学内順位1位。学年順位1位

彼は憂鬱だった。

名は清水 紳助(しみず しんすけ)

ベクトラム学院という人界の中でも

大きな都市のトップである。

彼は強すぎたが故に憂鬱だった。

彼の強さは圧倒的だった。

言うなれば全てを破壊する悪魔のような。

初めの頃は彼を倒そうと多くのものが挑戦した。

しかし、勝つものは誰一人といなかった。

次第に彼へ挑むものはいなくなった。


「はぁ。今日も暇だ。俺に勝てるやつはいないのか」

いつものように紳助は憂鬱だった。


「生徒会長。よろしければ私がお相手を務めますが。」

この女、ベクトラム学院生徒会副会長美島 瑠希那(みしま るきな)

ベクトラム学院最高峰の美貌を持ち。

それでいて学内順位2位である。


「瑠希那か。ダメだ。お前じゃ俺の相手にならない。」

紳助は本当にそう思っていた。

なぜなら瑠希那と紳助は昔、何度も戦ったことがある

その回数。2564回。結果はもちろん

紳助の圧勝である。

2564戦中2564勝0敗

紳助は校内では負けたことがなかった。


「すいませんでした。失言したことお詫び申し上げます。」

瑠希那は深く頭を下げた。


「気にするな。お前は何も悪くない。」

紳助は心からの憂鬱を隠しつつもそう言った。


しかし。その憂鬱は終わりを告げるのだった。

たった一人の転校生によって。



―翌日。


「生徒会長!大変です!!」

瑠希那が焦りながら紳助を訪ねた。


「どうした瑠希那。何があった。」

紳助は何も慌てずに落ち着いて答えた。


「はい。ご報告します。今日転校してきた善龍寺神牙は分かりますでしょうか。」

瑠希那は落ち着きを取り戻し伝え始めた。


「あぁ。理事長から聞いてる。そいつがどうかしたのか。」


「はい。たった今。第3体育館にて。1年生同士の決闘(デュエル)が行われました。」


「そうなのか。それで?」


「その決闘(デュエル)で転校生善龍寺神牙が魔剣ディザスターを使用しました。」


「魔剣ディザスターだとっ!?魔界に住まう魔王ディスティニーが持つあの剣か?!」

紳助は驚愕した。魔王ディスティニーとはかなり強力な魔王だからである。


「はい、動画を確認しましたが間違いないかと。」


「レプリカじゃないのか?」

魔剣や神器など、とてつもない武器にはレプリカが存在する。


「あれはレプリカの威力ではないと思います。」


「その動画を俺にも見せろ!」

紳助は喜んでいた。


「はい、こちらです。」

紳助は動画を確認した。そこには確かに圧倒的威力と圧倒的恐怖を兼ね備えた魔剣が存在した。


「これは…」

紳助は驚愕する。同時に高らかに笑った。


「フッ。最高じゃないか。善龍寺神牙か。この学園も楽しくなりそうだ。」

紳助は笑みを浮かべながらそう言った。


ベクトラム学院生徒会長。彼の憂鬱は終わった。

すべてを超えし者の君臨によって。同時に。

全ての超越者と全ての破壊者が交わる。



―男子寮。

ベクトラム学院は全寮制の学園である。

神牙は凛馬と同じ部屋だった。


「いやぁ、それにしても昼休みは派手にやったね転校生くん。」

凛馬は昼休みを振り返りながら、神牙に言った


「そんなことない。あとその呼び方をやめろ。俺は善龍寺神牙だ。」

神牙は気に食わないような口調でそう返した。


「そうだね。じゃあ、神牙って呼ぶよ。だけど、昼休みの件の話はまだ続くよ?まさか転校生が魔剣を持っているなんてね。ギャラリーの中に新聞部がいたから明日になれば校内中の大ニュースになるさ。」


「はぁ。最悪だ。」

神牙は魔剣を使ったことを後悔しながらそう言った。


「何せ、魔剣クラスの武器を持っているのは、この学園じゃ。うちの生徒会長くらいだからね」

凛馬はこの学園のトップについて話した。


「なんだと?この学園に魔剣クラスの武器を持つ奴がいるのか?」

神牙は驚きながらそう言った。


「ああ。いるとも、ベクトラム学院生徒会長。清水紳助。彼は神器を持ってる。」

凛馬は軽い口調で説明し始めた。


「神器だとっ!?」

神牙は驚いた。そのはずだろう、神器と言うのは神の力が宿った武器なのだから。


「うん。彼の神器の名は神威(かむい)。刀身が雷の太刀さ。」


「神威か。あの太刀か。」


「知っているのかい?」


「ああ。名前だけな。確か、天を黒く染め。大地に大穴を穿ち。魔に住まうものには裁きを下す。その太刀筋は落雷のように速く、まさしく。電光石火の雷の如し。だったか?」


「うん。古来より伝えられ神話の一部だね。さっき刀身が雷って言ったけど。どっちかって言うと刀身に雷を纏わせてる感じかな?」


「だろうな。どうなんだ?強いのか?」

すべてを超えし者は戦いに餓える。


「うん。かなりね。神話の通りだよ。生徒会長が抜刀すると空が黒雲に包まれて、その刀身に雷が落ちるんだ。すると刀身は雷を纏う。その威力がとてつもないんだ。地面に突き刺すと大地がひび割れたり。空に掲げれば、落雷の雨さ。」


「つよいな。かなり。」


「うん。あの人はそれ故に憂鬱だから。」

凛馬は悲しみを含む声でそう言った。


「清水ってことはお前の兄か?」


「うん。。僕なんかより全然強くて。あの人は本当にすごい人だよ。」

凛馬は少し切なそうに言った。


「なるほどな。いつか戦ってみたいな」

神牙は少し笑いながら言った。


「やめとくんだ。危険すぎる。」

凛馬はとても低いトーンで言った。


「ん?なんでだ?」

神牙はきになって聞いた。


「あの人は破壊者だから。1度戦えば相手が壊れるまで戦う。神牙の命が危ないよ。だから、絶対にやめるんだ。」

凛馬は忠告するように告げた。


「お、おう。冗談だっつーの!」


「そ、そうだよね。ごめんなんか変な空気にして。あ!それより明日の授業の準備をしようよ!」


「おう、それもそーだな。」

そう言って2人は準備をし始めた。


すべてを超えし者。全てを壊す者。今2つの歯車がゆっくりと回り始める。ただひたすらにゆっくりと。

回り始める。


「フッ。神威の使い手。。楽しくなりそうだ。。俺をもっと奮い立たせてくれ。」

神牙は小声でそう呟いた


そういえば。。

さっきの会話の時凛馬は1度も生徒会長を()と呼ばなかった。なんでだ?いや、あんまり詮索するのはやめておこう。するのもされるのも好きじゃないしな。

神牙はそう思いながら、準備を進めたのだった。


こうしてすべてを超えし者の転校初日は幕を閉じた。



―翌日。


凛馬の言う通り。昨日の戦いは全校に広がっていた。


「なんなんだよ!どうして朝からあんな思いしなきゃ行けないんだ!!」

神牙が怒りながら吐き捨てるように行った


「あはは……。ま、まぁ。新聞部の子もいたし仕方が無いんじゃないかなー…。」

凛馬はこめかみを掻きながら怒りを収めるように告げた。


「それでもあれはおかしいだろ!!なんで朝、目覚めて寮から出ようとしたら寮の前に人だかりができてるんだ!!邪魔だし!!馬鹿か!!もっかい言うわ!ば!!か!!か!!!」


「ま、まぁ!!落ち着こうよ神牙!鬼本先生にも相談してみよう?」


「それもそうだな。」


「あ、いた。鬼本せんせーい!」


「お、どうした。清水じゃないか。それに善龍寺も」


「どうも。」


「それで?清水、要件はなんだ?」


「実は…」

凛馬は涼花に事情を伝えた。


「なるほど。分かった。私がどうにかしておこう。」

涼花はそう言いながら職員室へ行ったのであった。


「何とかって。あれで大丈夫なのか?」

神牙が心配しながら凛馬に聞いた


「うん?たぶん、大丈夫だよ!」

凛馬がニコッと笑いながら言った


「お前。多分ってなぁ?こっちは本気で困ってんのにー」

神牙がそう言っていると放送アナウンスがかかった。


―ピンポーン。「えぇとー?」

鬼本の声だった。


「私の生徒に迷惑のかけてるヤツらが居るようだがー?次、何か報告を受けたらどうなるか分かっておけよ?じゃ。行動を考えてくれ。以上だ。」

鬼本は元気な声で言った。


―ガチャ。

切れた。


「………」


「………」


「おい。」


「ん、ん??どうかしたのかい…??」


「今のって。」


「うん。間違えなく神牙の事だよ。」


「ただの脅しじゃねぇかぁぁぁぁ!!!!!」


「あははー…」

神牙は廊下で叫んだ。凛馬は愛想笑いを精一杯の気持ちを込めてした。


「ムフフ。。。善龍寺神牙くん。。あなたのすくーぷはこのわたしがげっとするのです。ぐへへ。。」

そう言っているこの女。

ベクトラム学院新聞部部長新川 雪乃(あらかわ ゆきの)である。

彼女の情報力はとても高い。校内だけではなく国の機密情報なども知っていてとても謎が多い人物だ。


「そう言えば神牙はカーストルールを知っているかい?」

凛馬がふいに神牙に聞いた。


「あ?かーすとるーる?なんだそれ」

神牙にはさっぱり分からなかった。


「なら、説明しておこうか。かなり簡単だから。」


「おう、頼む。」


「まず、ベクトラム学院の学生は学内順位によってカーストで分けられるんだ。全校生徒が1351人いるんだけど。まず5段階に分かれる。一番下がリュン・ベクトラム。その上がリン・ベクトラム。真ん中がシン・ベクトラム。その上がニース・ベクトラム。1番上がグラン・ベクトラム。生徒会は総じてパーフェクト・ベクトラムって言うんだ。分け方は1351~1081。ここまでがリュン・ベクトラム。1080~810。ここまでがリン・ベクトラム。809~539。ここまでがシン・ベクトラム。538~268。ここまでがニース・ベクトラム。267~5。ここまでがグラン・ベクトラム。そして。生徒会の5名だけは別でパーフェクト・ベクトラムなんだ。わかったかな?」


「う、う、うん??何となく?」

長すぎて途中聞いていなかったことは言わないことにする。


「ちなみに僕は学年順位25位。学内順位300位だから、ニース・ベクトラムだよ。神牙は来たばっかりだから学年順位451位。学内順位1351位だよ。つまり、リュン・ベクトラム!」

凛馬が説明した。


―ドスンっ!

神牙がコケた。


「大丈夫かい?!」

凛馬が心配すると。


「あ、あぁ。大丈夫だ。」

神牙はそう答えた。


いや待てよ。俺って最下位じゃねぇか。底辺じゃん。

え、雑魚じゃん。これでいいのか俺。


神牙はそう思った。


「そ、それって?どうやって上げるんだ?」


「うーんと上半期に1回と下半期に1回。校内順位決定戦があるんだ。それで決まるよ!」


「なるほどな。上半期に1回ってことはもうすぐか?」


「そーなるね。僕も最近は鍛えてるよ。今度一緒にどうだい?」


「そーだな。お前ががどんなデバイスを使うか見てみたいし」


「そうか、それは良かった。」

神牙と凛馬はそんな話をしながら廊下を歩いていった。



―生徒会長室。


「瑠希那。善龍寺の動きはどうだ。」


「はい、常に監視させていますが特に変わった様子はありません。」


「そうか。瑠希那、生徒会委員を集めろ。」


「はい。分かりました。」


―5分後。


「なんの用事だ。紳助。」

この男。学内順位5位。学年順位5位。新崎 流尊(あらざき りゅうそん)生徒会会計。


「しんすけちゃーん♡私に会いたかった?」

この女。学内順位4位。学年順位4位。神崎 瑠璃奈(かんざき るりな)生徒会書記。


「生徒会長。姉様。ご無沙汰しております。」

この女。学内順位3位。学年順位3位。美島 玲奈(みしま れいな)生徒会書記。


「集めて参りました。生徒会長。」

学内順位2位。学年順位2位。美島 瑠希那(みしま る き な)生徒会副会長。


「よく集まってくれたな。お前達。今日は大事な話がある。」

学内順位1位。学年順位1位。清水 紳助(しみず しんすけ)生徒会生徒会長。


ベクトラム学院。最高峰の5人。

パーフェクト・ベクトラム。ここに集結。


「さぁ。始めようか。力のぶつけ合いを。」



―理事長室。


「おやおや、面白くなってきましたねぇ。全ての破壊者と全ての超越者が交わり始めました。これは何かありますねぇ。校内順位決定戦が楽しみですねぇ。」

ベクトラム学院。理事長。白鳳 長嶺。

彼は高笑いしながらそう言った。

「全世界の覇者」第2話。

~ベクトラム学院生徒会長~

読んで下さりありがとうございます。

作者の治崎 龍也です。

※ここからはネタバレを含みますので先に読むことをオススメします。


第2話では、ベクトラム学院生徒会長の清水紳助が

登場しました。他にも生徒会委員のメンバーや新聞部部長など。たくさんの登場人物が出てきました。分からなくなりそうなのでキャラ一覧でも書いておきたいと思います笑


今回のお話はアクションシーンがありません。

神牙や凛馬の学校での出来事や、生徒会のなどのベクトラム学院について書いてみました。

投稿を初めて2話目なので

まだまだ拙いと思いますが。

暖かく応援してくださると幸いです。


最後に読んでくださった方へ

読んで下さり本当にありがとうございました。

これからも「全世界の覇者」をよろしくお願いします。

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