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全世界の覇者。  作者: 治崎 龍也
第2章。「七つの大罪編」
13/15

神器に選ばれし者

神牙達はZHHの初任務として常闇の森。

ダークフォレストに来ていた。

四年前のデーモン襲来の際、それを倒した村の青年の様子がおかしいと連絡が入ったからだ。

そして調査を進める中で驚きのことが起こる。

さらに、神器に選ばれし者と出会う。

徐々に歯車が噛み合っていく。


全世界の覇者。第2章〈七つの大罪〉編

第2話。「神器に選ばれし者」

火球がデーモンを包み込んだ。

そして全ての火球は切り裂かれた。


「ナンダコレハ。コンナワザ。ワタシニハ。キカナイ。」


「そんなっ。」


「クラエ。ヤミニノマレロ。」


「凛馬。まずい!!助けるぞ!」


「うん!!」


「ダークネスフィールド。」


「くっ!!」

1人の影が闇に包まれる。

しかしその闇は一筋の光によってかき消される。


「ホーリーフィールド!!」


「ナニッ? ワガヤミヲコエルヒカリダト?」


「大した闇じゃないな。泥のように汚い。」


「ナニモノダキサマ。」


「さぁな。お前に言う名前なんて持ち合わせてない。」


「ヤハリ。カンゼンタイにナルヒツヨウガアル。」


「完全体だと?」


「コノ。パーフェクトリンクハ。フカンゼン。」


「完全体になられると厄介だな。だけど、戦うのもめんどくさい。凛馬、お前がやれ。」


「本当、神牙はすぐ押し付ける。」


「仕方が無いだろ。めんどくさいもん。」


「ゴチャゴチャ。ハナスナ!ダークネススフィア!」


「危ないっ!!フェアリーシールド!!」


「おぉ。本当にいろんな魔法を使えるんだね。」


「当たり前だ。それが“その神器の力”だからな。」


「気を使ってくれてありがとう。」


「気を使う?危なかったから守っただけなのですが?」


「今のは全然危なくないよ。」

凛馬は少し微笑みながら言った。


「さっさと行け凛馬。」


「分かったよ。デーモン、僕が相手だ。」


「ガキがかわったトコロデ何もカワラナイ。」


「まずいぞ、完全体になりかけてる。」


「させない。ドラゴンナイトデバイスON。装備。ブリューナク。」


「アト少しダ。アト少しデ。」


「エンチャントスペル。奥義。」


「大丈夫なのですか?」


「それはあいつ次第だな。」


「そんな曖昧な、」


「まぁ、見てろって。」


「今ここに新たなる力を。奥義!水・竜・激!!」

凛馬がブリューナクを構え。突き出すと水竜がデーモンに直撃した。


「勝った、のでしょうか?」


「いや、まだだ。これは厄介かもな。」

1人の影が困惑したのもつかの間。

その言葉の意味は目の前に現れる。


「ふはははは!!完全体だ!!」


「そんな。なんで。?」


「それは今、あいつが喋るさ。凛馬。」


「お前の技を吸収させてもらった。その結果。予想以上の力が手に入った。」


「ごめん。神牙。失敗した。」


「どんまいだな。次に繋げろよ。あとは任せろ。」


「うん。」


「あ、あの!大丈夫なのですか?その、失礼ではありますが貴方が倒されたということはあのか方も。」


「大丈夫だよ。神牙は僕より遥かに強い。負けないさ。」


「は、はぁ。そうでしょうか。」


「まぁ、見ててよ。」


そして。全てを超えし者とデーモンが対峙する。


「さてと。片付けるか。」


「人間風情が。何を言っている?完全体の私に勝てると思っているのか?」

刹那。デーモンの右腕が吹き飛んだ。


「え?なにが?」

リンシアが首を傾げる。


「ば、バカな。一体いつの間に!」


「おいおい。今の攻撃も見えなかったのか?話にならないな。」


「くっ。なめるな。来い。(むくろ)の剣。」

デーモンがそう言うと1本の骨で出来た剣が出てきた。


「いいだろう。剣で勝負だ。」

そうして神牙もデバイスを構える。


「オールデバイスON。装備。神器・草薙剣。」

そこに出現したのは和風の剣。


そして。両者の剣は交わる。


「おぉぉぉ!!」

「はぁっ!!」


デーモンが放った上段からの一撃を神牙は受け止める。


「草薙剣よ。今ここに力を示せ。」

そう言いながら神牙は剣を構える。


「なんだ?!」

デーモンが逃げようとするが遅い。


「天翔斬波!」

その瞬間。神牙の草薙剣が7回空を切る。

そして、その斬撃がデーモンを襲う。


「くっ。こんなもの!ファントムダークネス!」

斬撃は闇に吸い込まれる。


「それは囮さ。」


「なんだとっ?!」

直後、神牙はデーモンの背後に回り込んでいた。


「はぁっ!!!天翔(てんしょう)!!」

草薙剣はデーモンを切り裂いた。

しかし切り裂かれたはずのデーモンは元に戻る。


「ふはは。いい技じゃないか。だが私には効果がなかったようだ。」


「本当にそうか?」


「ん?どういうことだ?」


「こういうことさ。」

直後。神牙は手で拳を作った。


「ぐっ。ぐあぁぁぁ!!!!き、きさま!何をした!」


「草薙剣は切ったところに対して永続的にダメージを与え続けれる。」


「なんだと?」


「こんな感じでな。」

さらに拳をにぎりしめる。


「ぐあぁぁぁ!!!!あぁぁぁぁ!!!!」

デーモンはもがき苦しむ。


「そろそろ蹴りをつけてやる。秘奥義。」


「くっ。この私が負けるなど。ありえ……」


「滅・天翔。」

一気に地面を蹴りあげデーモンの目前に迫りデーモンを計15回切り刻んだ。


「ぐぁっ。ばかな、私が人間風情に?負け……」


「お前は人間風情に取り付いてるんだから俺には勝てない。」


「貴様…は一体…なんな…んだ」


「お前に教えることは何もない。」


「いつか。必ず、復讐…してやる。」


「やれるものならな。」

デーモンは骸の剣を投げたが神牙は気づかない。


「あ、危ない!!」


「ブリューナク!!」

骸の剣はブリューナクによって消滅した。


「わ、わるい。気抜いてた。」


「ちゃんと気を抜かないで。最後まで。」


「す、すまん。ところでこいつは…?」

そこには1人の美少女がいた。


「あ、あの、先程は助けて頂いてありがとうございます!」


「あぁ。さっきの黒ローブか。」


「そうだよ。さっきの戦闘でローブ飛んでったけどね」


「あ、わるい。。」


「い、いえ!高価なものでもないので。あ、申し遅れました。私、リンシア・ヴォルスという者です。以後お見知りおきを。」


「ヴ、ヴォルス?!」


「どうした凛馬、知ってるのか?」


「知ってるも何も世界三大都市のひとつ。僕らの町アリネリアに並ぶ大きな町だよ!!」


「それがどうかしたのか?」


「どうかしたのか?って、それが名前ってことは!

お嬢様だよ?!?!」


「ふーん、大都市のお嬢様ね〜…お嬢様?!?!?!」


「あ、いえ、私は第4王女なので。」


「お嬢様でしょうがー!!」

「お嬢様だろうがーー!!」


「あ、は、はいっ!!お嬢様ですっ!!」


「あ、認めたね。」


「おう、認めたな。」


「一つ質問してもよろしいでしょうか。」

リンシアは神牙の方を向いて言った


「ん?なんだ?」


「先程の戦いを見てて思いました。何故あなたはそこまで強いのですか?その強さはなんなんですか??」


「リンシア・ヴォルスって言ったか?」


「はい。私はリンシア・ヴォルスです。」


「一つ言っておく。他人の強さは自分には真似できないぞ。」


「べ、べつにわたしは!真似しようなど思っていません!」


「悪いがそうは見えない。お前、勝てない確率の方が高かったのにデーモンに勝負を挑んだだろ。」


「それは……でも!勝てる確率だってありました!」


「それは…お前が戦いの中で“その神器”を使いこなせるようになるとか言った運任せの確率か?」


「こ、この武器が神器だとどこで聞いたのですか!」


「別にどこでもいいだろ。」


「第1、私がこの神器を使いこなせるかどうかはあなたには関係ないです!」


「お前から聞いてきてお前から怒るとかなんなんだ。関係はある。神器の持ち主が神器に飲み込まれ暴走する可能性があるからな。」


「暴走……。」


「その反応。心当たりがありそうだな。まぁいい。お前、その神器。どこで選ばれた。」


「こ、この神器は我が王宮に伝わる先祖代々の神器です。いつも通りなら第1王女の方が選ばれるはずなのですが。今回は何故か第4王女の私が選ばれました。そして……わたしは。王族に批判され、力を扱いきれず、自らの国の民にすら恐れられてしまいました。」

そのままリンシアは続ける。

「だから私は強くなるのです!!」


「凛馬も知らないと思うが、リンシア。神器には人間と似たような部分がある。」


「神牙、それは神器に人間と同じような意思があるっていうのかい?」


「さすが凛馬理解が早いな、つまりはそういうことだ。」


「どういうことですか?」


「まぁ、簡単に言うと神器にも好みがあるんだ。自分を扱う人間のな。そして適性を見極める。」


「な、なるほど。」


「神牙、そーなるとリンシアちゃんはフィナーレ・ロッドの意思で選ばれたということかい?」


「その通りだ。そして、もうひとつ教えてやる。神器の意思で選ばれるがもうひとつ神器は人を見極める点がある。それは、しっかりと自分を扱える人間しか選ばないことだ。」


「え、それはつまり。」


「この私がほかの王女よりその資格があると…?」


「そーゆー事だ。」


神牙の話はあまりに衝撃的だった。

なぜなら今の話通りならリンシアは神器を受け継ぐ王族の中で一番の適性があるということになる。

それはつまり、王族から受けた批判を徹底的に否定するものだった。


「ですが。そうなればわたしにはなぜかの神器を扱えないのですか!」

リンシアの疑問はいたって普通だ。

神器が自身の意思で選んだのであれば。

その選ばれた者に扱えないはずがない。

そう思ったのだろう。

しかし神牙はその疑問すら吹き飛ばした。


「そんなの簡単だ。神器の意思にお前の意思が伴ってない。」


「神器の意思にわたしの意思が?」


「神牙どういうことだい?」

凛馬とリンシアは理解できていなかった。


「理解力のないやつだなぁ。ひとつ聞くぞリンシア。魔法を使う上で大事なこと、必要なことはなんだ。」


「大事なことは...想いで。必要なことは...わかりません。」


「まさか。神牙わかったよ。そういうことかい。」


「さすが、凛馬だな。ならそこにいる王族のくせにバカなやつに教えてやれ。」


リンシアは少しむすっとした。


「ちょっと言いすぎだよ...神牙...。」

凛馬は少しにやけながら神牙に言われた通り説明を始める。

「リンシアちゃん。まず君には二つ足りていない点がある。」


「2つ...ですか。」


「うん。まずひとつめがさっき大事なことは想いって言ったけどそれだと抽象的すぎるんだ。」


「想いは抽象的なものでは??」


「確かにそうかもしれないね。でもそうするとひとつの仮説が浮かばないかい?」


「仮説...。あ!」

リンシアは何かを閃いた。


「わかったかい?」


「そもそも、大事なことは「想い」じゃない...ということですか?」


「正解だよ、リンシアちゃん頭いいじゃないか。」

凛馬は優しく微笑む。そして話を続けた。

「じゃあ、本当に大事なものは何かわかるかい?」


「想いが抽象的だとするなら、具体的に考える力が大事だと思うので具体的な想像力ですか?」


「さすが、わかるじゃないか。」


「凛馬の教え方が上手いだけだろ。」

神牙の発言にリンシアはまたむすっとした。


「まぁまぁ、つまりは魔法を使う上で大事なのは想像力なんだよ。簡単に言うとリンシアちゃん、さっき使った〈ファイアスフィア〉はどんなイメージなんだい?」


「私はファイアスフィアは火球をイメージしています。燃えている球体をそのままですが?それが何か?」


「じゃあ、今から僕がファイアスフィアを使うから見ててよ。」


「今から?!常人でも習得するのに一週間はかかりますよ?!」


「大丈夫。やり方は()()()()から」

リンシアは唖然とした。

なぜなら魔法はそんな簡単じゃないと身をもって知っているからだ。しかし、そんな常識を凛馬は塗り替えた。


「精霊達に命ずる。今ここに、我の命により対象を燃やし尽くせ!」

凛馬はそう言うと火球が現れる。

しかしその火球は火球と言うにはあまりに大きく

そして燃え盛っていた。


「これが、私と同じ〈ファイアスフィア〉?」

リンシアには理解し難かった。

それもそうだろう。自分が習得するのに5日間もかかった技をやり方を理解しただけで数分で威力を何倍にもして使ったのだから。


「今のは一体…?」

リンシアが凛馬に問う


「リンシアの〈ファイアスフィア〉の模倣さ。少し違うとするなら僕はただの火球じゃなくて燃え盛る灼熱の火球を想像した。ってとこかな?」


「想像力だけで、ここまで差が出るなんて。」


「でも、想像力だけじゃいけないんだ。魔法を使う上では必ず必要なことがある。それはね意思の強さと言うか。簡単に言うと高い精神力が必要なんだ。」


「高い精神力...。」

それはつまり。リンシアは精神面、いわゆるメンタルが弱いと言うことだろう。思い当たる節が多いリンシアはそれを痛感した。


「その2つを強くすれば私は強くなれますか?」

リンシアが神牙に問う。


「さぁな。結局全部お前次第だ。俺から教えることは何もない。」


「神牙、任務は終えたし、そろそろ戻ろうか。」


「あぁ。そうだな。」


「あ、お待ちください!!」


「どうした?」

「なんだい?」


「いつか、また何処かでお会いしましょう。」


「あぁ。またいつかな。俺は善龍寺 神牙。」

「僕は清水 凛馬。たま会おうね。リンシアちゃん。」


「はい、いつか必ず!!」


全ての超越者。

神魔を喰らう者。

そして、神器に選ばれし者。


この三者はきっといつか。また出会う。


そしてーーーーー。



「まだだ。まだ足りない。」

大罪は。力に飢える...。

全世界の覇者。〈七つの大罪〉編。

第2話を読んでくださった方々。

どうもありがとうございました。

半年振りの治崎龍也です。

まず、今回の物語を振り返ります。

※ネタバレを含みます。

今回ではデーモンvs凛馬。デーモンvs神牙を書いてみました。まぁ、凛馬の方は初手から呆気なかったですが、神牙の方は...いや、神牙が強すぎましたね。強そうな敵を出しても毎回神牙が瞬殺するのでなかなか困ってます笑笑

そして今回今作なメインヒロインとなるリンシア・ヴァルスが登場致しました。今後彼女が多く出てくると思いますが、何卒よろしくお願いします。さて、物語の振り返りはこの辺りにして。


久々の更新をさせていただきました。治崎龍也です。半年振りの更新になってしまい。少なからずいるであろうこの作品の読者様にご迷惑をおかけいたしました。大変申し訳ありませんでした。

少しだけ言い訳じみていますが理由を言わせていただきます。私事ですが今年度の新入生としてとある高校に入学いたしました。学業が忙しくなかなか作品を更新できない日々が続きました。

その中で久しぶりに書いてみようと思いになろうを開いて書こうとしたところ。頭の中に物語が浮かびませんでした。私は一種のスランプに陥りました。では、なぜ今回書けたのかと言いますと私を救ってくれた方がいました。それは高校の同級生なのですが。奇跡的に私の読者でした。その人は私の作品を待っていると言ってくれました。私はその言葉を頂きいつまでも迷ってるわけにはいかないと決心し、作品を書かせていただきました。ですので今回から少しずつでも執筆を進めていきたいと思っています。ぜひ、また。治崎龍也をよろしくお願いいたします。長文失礼いたしました。ではまた次の作品で会いましょう。

ちざきりゅうやでした!!!!

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