破壊者と超越者
破壊者と超越者がぶつかる。
果たして勝つのはどちらか。
そして新たな歯車が回り始める。
第1章最終話。
「全世界の覇者」
第10話。「破壊者と超越者。」
ここは人界。
べクトラム学院。
神。魔。人。龍。が住まう世界でその全てを
超越。越えるもの善龍寺 神牙。
べクトラム学院史上最凶の男であり。
全ての破壊者。清水 紳助。
いよいよ全ての破壊者と全ての超越者の決勝戦が始まろうとしていた。
真の強者は闘いに餓える。
「早く。闘いてぇ。破壊者!!」
善龍寺 神牙は餓える。
「早く。殺したい!転校生!!」」
清水 紳助は飢える。
べクトラム学院上半期学内順位決定戦。
決勝戦。清水 紳助VS善龍寺 神牙。
最凶と最強がぶつかる。
――試合開始1時間前。
凛馬の病室で神牙は喋っていた。
「いよいよだね。神牙。」
凛馬が窓の外を眺めながら言う。
「あぁ。いよいよだ。俺もやっと少しは本気で闘えそうだ。」
神牙はニヤつきながら言う。
「全く、神牙は…普通この状況でそんな顔して喜ぶヤツなんていないよ?」
凛馬も少しニヤついて言う。
「そうか?だって楽しいだろ。あの力は強い。」
神牙は三日前の凛馬戦を思い出す。
あの闘いで大体の技は掴めた。
しかし、あの男があの程度の技しか使えない。
そんなことは絶対にありえない。
警戒は怠らない方がいいな。
神牙は紳助を警戒していた。
それはそのはずだろう。あの秘奥義。雷・斬。
あれは強い。念の為あれの 用意もしておくか。
神牙はなにか、何かの力を準備していた。
「凛馬、俺は勝つぞ。悪いがお前の兄だからって容赦はしない。」
神牙は少し声を強くして言った。
「ああ。分かってるさ。闘いに情けはいらない。」
凛馬も声を強くする。
「そうか。ならいいんだ。行ってくる。」
「ああ。勝ってこいよ。神牙!!」
「おう!任せろ!」
神牙は笑みを浮かべて答えた。
――生徒会長室。
「いよいよだ。この日をどれだけ待ち望んだか。」
紳助は体が震えていた。飢えがそこまで迫っていた。
「あいつは俺が殺す。俺が殺さなきゃならない。」
震えた声で発していくその言葉は
完全なる殺意によるものだった。
「いざとなれば。あれを使う。」
紳助はニヤつく。
「あれの前ではいくらお前でも歯が立たない。」
そうして紳助が高く笑った。
そして、試合が始まろうとしていた。
「両者。入場してください!!」
審判の合図と共に最凶と最強が舞い降りる。
「やっとだな。善龍寺 神牙!!」
紳助のその眼は澄んだ青色の瞳。しかしその奥は
燃え盛る業火。青い火が燃え盛っていた。
「そうだな。清水 紳助…いや。全ての破壊者か。」
神牙のその眼は澄んだ紅き瞳。その紅の眼に宿るものは力のみ。
「そんな名はどうでもいい!!俺はお前を殺す。破壊したいだけだ!!」
そして、紳助は完全に目覚める、
「それでは両者。位置について。デバイスを起動してください!!」
審判が合図する。
「ソードマスターデバイスON。装備。神威。」
鞘に収まる神威が現れる。
「オールデバイスON。装備。魔剣・ダインスレイフ」
禍々しい形をした剣が現れる。
それは血を求める魔剣。
「新たな魔剣か。さぁ、やろうか!!」
紳助は吠える。
「それでは決闘準備。」
5。
4。
3。
2。
1。
「決闘開始!!」
合図と共に紳助は神威を引き抜く。
「抜刀。神威!!!!」
ゴォォォォン!!!
雷が刀身に宿る。
「早いな?もう抜刀かー?」
神牙は少し煽る。
「初めから抜いておかないと闘えないからな。」
「なるほど?それは光栄だな。なら俺もそうしよう。」
そうすると神牙は魔剣・ダインスレイフを構える。
「ダインスレイフ。我が血を喰らえ。」
そう言うと神牙の血が魔剣に吸収されていく。
「何をしている。転校生。」
「これでいい。強化・ブラッド」
「どうでもいい。行くぞ!!」
「おう、こいよ。破壊者!!」
「神威。神器解放!!真・神威・改。」
そうして神威を天へ掲げる。
「落雷!!」
たくさんの落雷が落ちる。そして神牙に落ちる。
しかし
「危ないだろ。」
ダインスレイフを一振。雷を弾いた。
「さすがだ。こんな技ではダメか。なら、これはどうだ」
紳助は正眼に神威を構える。
「真・雷・滅・斬・改。」
32連撃。次々と連撃が繰り出される。
「いいじゃねぇか。だけど効かねぇ。」
神牙は全ての斬撃を弾いていた。
「想定内だ。奥義・雷・殲滅鬼神斬。」
50連撃。全てが光の速さの斬撃。神牙でも全てはかわせない。
「くっ。やるな!」
何発か神牙の体に当たる。服に血が滲む。
その血は吸収された。
「なに?どうなっている。」
「俺の血はダインスレイフに吸収される。」
「それがどうした!!」
「吸収されればされるほど強くなる。」
「バカな。」
紳助は驚愕する。それはつまり紳助が攻撃すればするほど神牙が強くなるという事だ。
「さて、解放してやる。」
神牙はダインスレイフを構える。
「終結の血潮。」
「何をする気だ。」
紳助の真下に魔法陣が現れる。
「喰らえよ。1位。奥義!」
そしてダインスレイフを床に突き刺す。
地面から血が吹き出る。そしてその血が紳助を包む。
さらに血が固まる。
「どうだ。動けないだろ。」
「こんなもの。効かない。」
そうすると終結の血潮が弾ける。
「流石だな。清水 紳助。尊敬に値するぞ。」
「そうか。それは嬉しいな。だが。ここからだ。」
「なに?」
黒雲が立ちこめる。そして雷が紳助に落ちる。
ゴォォォォン。
「強化装甲・神威。」
「なんだとっ。?」
そこには前身に雷を纏う紳助がいた。
「これで対等だ。善龍寺 神牙だ!!」
「こい!」
ダインスレイフを正眼に構える。
「行くぞっ!!!」
光の速さで紳助が動く。
「うわぁっ!」脇腹に一撃。
「ぐはっ!!」肩に一撃。
「ぐはぁっ!!」みぞに一撃。
神牙でさえもその攻撃を避けれない。
「なんだその力。」
「これは神威の真の力。雷を自身の体に纏い。光の速さの移動を可能とするものだ。」
「そうかよ。普通にすげぇじゃねぇか。」
「そして、触れたものは感電する。」
「なるほどな。つーことはダインスレイフじゃ勝てねぇな。」
「フッ。その通りだお前でさえも俺には勝てない。」
「勝手に決めつけるなよ。清水 紳助。」
「なに?実際その通りだろう?勝ててない。」
「仕方がない。少しだけ本気を出してやる。」
「なんだとっ。?今までは本気で闘っていなかった?!」
「チェンジ・ザ・ウェポン。」
「くっ。何をする気だ。」
「完全なる魔法書。」
「パーフェクトグリモワールだと?!?!円卓の騎士団マーリンの伝説の魔法書だぞ?!そんなものを何故お前が持っている!!」
「話すと長くなるから省略だ。じゃあやるか。」
「くっ!!こい!!!」
完全に立場が逆転した。
「パーフェクトグリモワール。エンドレス・インパクト!!」
無数の衝撃が紳助を襲う。
「くっ!うっ!!なんだこれは!!ぐあっ!!!!」
「どうした破壊者とやら。本気を出せよ。」
「くっ!いいだろう!最終秘奥義!!」
「ほう。最終秘奥義か。少しは楽しめそうだ。」
「はぁぁぁ!!!!覚醒しろ!!!うわぁぁ!!」
「くるか。」
「はぁ。完成した。完全なる破壊者。これが俺だ。」
「ほう。それがお前の姿か。」
そこに居たのは紳助などではなく。
覚醒した神威だった。
「神威か。お前。」
「よく分かってるじゃないか。貴様。」
「俺もそれ使えるからな。ただ、危険すぎるだろ。」
「一撃で蹴りをつける。秘奥義。」
「いいぜ。奥義。パーフェクトグリモワール。」
そう言うと黒い小さな球体が現れる。
「なんだその黒い球体は。」
「さぁ?なんだろうな。」
「まぁいい。切り捨てるまで。秘奥義!!神威!!!」
「フッ。かかったな。秘奥義!!虚無!!」
黒い球体が神威と化した紳助を飲み込む。
「なんだこれは!ここから出せ!!」
「出すわけないだろ。虚無に飲み込まれろ。」
「なにっ!!ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
「悪いな。破壊者。」
神牙は指をパチンと鳴らす。
「チェックメイトだ。」
黒い球体から紳助が解き放たれる。
そうしてそのまま紳助は倒れた。。
「WINNER!!!善龍寺 神牙!!」
「くっ。本当、規格外だお前は。」
「へぇ。ナッシングネスをくらって意識を保ってるとは。」
「既に朦朧としてるさ。死にそうだ。だけどな。讚賞するよ。善龍寺 神牙。さすが全ての超越者だ。」
「俺も1000年ぶりに楽しめたさ全ての破壊者。」
「は?今なんて。」
そう言って紳助は意識を失った。
――閉会式。
「諸君の健闘を讃えよう。そして、1位おめでとう。善龍寺 神牙くん。凛馬くんも二位おめでとう。」
「はい、ありがとうございます。理事長。」
「はいはい、どーもー。」
「ええ。それでは。新生徒会メンバーを発表します。学内順位1位。善龍寺 神牙。生徒会長。」
「はぁぁあぁぁぁぁああ?!?!!」
「え?神牙知らなかったのかい?勝った人は生徒会になるんだよ?」
「しるかぁぁぁ!!!!前生徒会につぐ!!お前ら継続だからなぁ!!!」
そんな波乱の閉会式の中、理事長に凛馬と神牙は呼び出される。
「やぁ、2人とも。今回は君たちに折り入って話がある。」
「なんなんだよ。話って」
「そうですよ理事長。急に呼び出して。」
「凛馬くん。人界保護本部の仕事はどうだい?」
「っ?!何故そのことを!!」
「人界保護本部?なんだそりゃ。」
「まぁいいさ。そして、神牙くん。君にも朗報だ。」
「俺に朗報??」
「七つの大罪が復活したかもしれない。」
「なん……だとっ?」
「七つの大罪?!」
べクトラム学院上半期学内順位決定戦は
全ての超越者が圧倒的勝利で幕を閉じた。
そして今。既に新たな歯車が回りつつあった。
「善龍寺 神牙。必ず。怨みは晴らすぞ。」
七つの大罪。史上最強の魔のもの。彼らが動き出す日は近い。
「全世界の覇者」第1章完結。
物語は新たな局面を迎える。
第2章「七つの大罪編」
乞うご期待!!!
「全世界の覇者」第10話。
「破壊者と超越者」を読んできただきありがとうございます。作者の治崎龍也です。
※ネタバレを含みますので先にお読みください。
今回は次の物語へ続く伏線が沢山あります。
例えば紳助が使った技とかとか笑
今回のお話はついに破壊者と超越者がぶつかりました。
全てを越える者と全ての破壊者を闘いを熱く見てくれたら幸いです。
そして1章が完結しました。
2章いつ書くか決まっていませんが。
物語はもう終わってはいるのでお楽しみに!
最後に
本当にお読みくださった方ありがとうございます。
無事第1章が完結したので少しほっとしてます。
第2章を心待ちにしてくれると嬉しいです。
本当に読んで下さりありがとうございました。
これからも治崎龍也をお願いします。
ちざきりゅうやでした!!