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ブタの鼻


僕の名前は「中川 徹」31歳のサラリーマン。自動車部品の製造ラインで現場の管理を任されている。


新築の一戸建てに両親と共に暮らしており、兄弟はいない。両親は一階、徹は二階に自分の部屋があった。


毎日変わらぬ日々の繰り返し。友達という友達はほとんどおらず、女友達も彼女もいないため、休日は専らネットサーフィンで暇を潰している。


そんないたって凡人の彼に、一つだけ他人とは全く異なる異質な秘密が存在する。


それは…

今から3ヶ月ほど前になるか、彼はある事件がきっかけで、過去の記憶が脳内に閉ざされてしまう。


代わりに、

奇妙な記憶、彼は「自分が豚であった」、という記憶が

何かの記憶とすり替わって、それが明確に存在してしまったのだ。



そう、僕は豚から「中川 徹」という一人の人間になった。


過去の記憶は一切ないが、一時的な記憶喪失と医者から

説明を受けている。


豚の事は誰に話しても当然信じてもらえず、相手にされないため、唯一話しを聞いてくれる近所の心療内科の

カウンセラーに、週に一度だけ話しを聞いてもらっていた。


しかし、なぜ?という疑念が無くなる事はなく、

「中川 徹」と関わりのある、あらゆる物や人から

過去の記憶を調べ、豚との因果関係を探るが、何も手がかりになる様な情報は見つからなかった。



それには理由があった…

「中川 徹」が失った記憶には、あまりにも残酷過ぎる

事実があり、それを本人に知らせては、この先

抱えきれないほどの何かを背負っていかなければならないと両親が思い、過去の思い出を消す作業をしていた。


特に、豚に関わる物は、徹底して探し処分をした。



豚を愛する彼女の存在。まだ、徹には気付かれていない。

安堵しつつも、両親は不安に苛まれる日々が続いていた。


そんなある日、

「中川 徹」が、ベッド横のサイドテーブルにあった

シルバーのバングルにふと目がいき、右手首にはめてみた。

なんの特徴もないただのバングル。徹は直ぐに外し、

サイドテーブルに戻した時、バングルの裏に、

何かのマークを見つけた。


そのマークは、楕円に点が二つ。

ブタの鼻?


見つけてしまった豚を連想させるもの。

これが、彼の閉ざされた記憶の鍵となってしまう…




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