第7話―最強の忍 ヴァンパイアと会う―
俺は近くに街はないか探していた。
(ん?あれは・・街か・・)
俺の目の端に捉えたのはなかなかデカい街だった。
(この街から頂くかな・・)
そう思いながら印を結んだ。
“風遁 眠陰香の術”
“風遁 眠陰香の術”を使い街全体の人間を眠らせた。
眠った頃合を見計らい街の中に入った。
(立派な屋敷は・・)
そう考え近くの屋根に跳躍し昇った。
(見つけた・・)
俺はなかなかデカい屋敷を見つけ、そこに向かって走った。
(門・・か・・)
そう思い門の格子を軽く引っ張ると取れた。
(なんだ・・ちゃんと作れよな・・壊れてたのか?まぁ良い・・)
そう思いながらその門の格子状の扉を後ろに捨て、中に入っていった。
(またなにかあった時のために置いておくか・・)
そう思いながら時空間忍術の印を刻んであるクナイを地面に刺しておいた。
(さてと・・)
デカい内開きの扉の前に着いた。
(とりあえず開けてみるか・・)
そう思いながら扉の真ん中に右腕の指を入れ、右に動かすと右の方に飛んで行った。
(やはり開いているのか・・不用心なことだな・・)
そんなことを思いながら中に入り一つ一つ部屋の中を覗いて行った。使用人のような者や護衛の者たちは床に倒れ眠っているがその上を踏みながら探していた。
(まぁないだろうな・・隠し部屋でもあるのか・・)
そう思いながら十字眼を発動させ周りを見始めた。
人影は通っているがそこは壁になっていた。
(ここか・・)
その壁をつま先で軽く蹴ると勢いよく吹き飛び、天井に突き刺さった。
そのまま下に向かって階段があったのでその階段を降りて行った。
(ここのやつは地下に隠してばかりだな・・)
階段が終わると左右に格子状の牢屋がある。
(こいつら・・奴隷か?)
手錠のしている亜人らしき人達が牢屋の中で眠っていた。
(奥には何があるんだ?)
そんなことを考えながら奥に向かって行った。
そこには大きめな鉄の扉があった。
(この鍵穴・・見たことないな・・鑿で開けられるものじゃないな)
そんなことを考えながら扉を引っ張ると物凄い音を出しながら扉が抜かれた。
(また鍵もしていないのか不用心だな・・開ける度に壊れるのでは修理するのも一苦労だろうに・・)
そんなことを思いながら手にある扉を離した。
そのまま中に入った、そこには広い空洞があり棚のように木が組まれておりそこに金貨やその他の色々な物が置いてあった。
(金貨とかは懐に入れておくか・・)
そんな風に考え金貨を全て懐に入れた。
(これは剣か・・)
そう思いながら一振の剣を手に取ると光始めた。
(・・眩しい・・)
そう思い地面に叩きつけ破壊した。
(これは・・使えんな・・)
刀身を失った剣を捨てた。
(あとは・・)
そう考えながら物色を続けた。
(なんだ・・この箱は・・)
そう思い目の前の大きく黒い箱に白い剣が刺さっている箱を見た。
(箱の蓋に白の十字?それに白い剣が刺さっているのか・・)
その箱の中身を蓋を少し開けて確認した。
(なんだ・・童子か・・)
そう思い蓋を閉めた。
(ここの主人は変な者を集めているのだな・・)
そう考えると箱のある方から声が聞こえた。
「あのー!無視せんといてくれるか!?」
そう聞こえたので箱の所に足を運んだ。
(箱が話してる・・)
「えっとなんであそこで閉めんねん!普通ビックリして開けるんちゃう?」
(なんかよく話す箱だ・・)
「えっと・・聞こえてるやろ!」
そんな話しを聞いていた。
「えっと・・この剣抜いてくれへん?それが刺さってると動けないんや」
「何故?」
「ここから出たいからや」
「なるほど・・」
俺はその箱を持ち上げ左手の人差し指と中指を立て“時空間忍術”で外に移動しそこに箱を置いて歩いてさっきの部屋に移動した。
その後、物色も終わり奴隷のいる所に来た。
(あ・・この奴隷はどうするかな・・まぁ仕方ないか・・)
そう思いながら鉄格子の扉を壊し懐から出した紐で繋げ印を結んだ。
“土遁 重力解離の術”
“土遁 重力解離の術”を使い奴隷達を浮かせ“時空間忍術”を使い外に出て奴隷達が繋がった紐は剣の刺さった箱の剣に繋げた。
(この屋敷は要らないな・・)
そう考え屋敷の中に入り印を結んだ。
“灰炎球の術”
“灰炎球の術”は直径はチャクラの量に応じた火の玉を作り、対象に向けて吹く。
屋敷は炎の玉に飲み込まれ屋敷は炎に包まれた。
(こんな感じで良いか・・)
そう考え剣から紐をとり、左手で持った。
「いつ抜いてくれんねん」
箱はそんなことを言っていた。
(外に出してやっただろうに・・俺の術内でよく起きていられるな・・)
「日が!日が少し入ってんねん!」
「うち!ヴァンパイアやねん!日に当たると焼けんねん!」
(バン・・バンバン嫌?)
「はよ出してぇな!」
そう話していた。
「いや・・バンバンいあってなんだ?」
「ヴァンパイアや!この剣欲しいやろ!?」
「いや・・別に・・」
「この剣は魔封じの聖剣って言うてな!刺されて封印された者より強い奴が近くにおらんと起きれへんし剣を抜くことも出来へん!」
「いや・・いらないな・・」
「ホンマに言うてんの!」
「本当だ・・」
「せやけど少しは興味あるやろ?」
「・・いや・・まったく・・」
そんな話しをしたがまったく興味が持てなかった。
「お前なんなん?ここまで言うて抜いてくれへんの?」
「御前の中にいた童子はなんだ?」
「何言うてんねん!箱が喋るわけないやろ!」
「人間の童子が心臓に剣を刺されて生きれるわけがないだろ」
「だからうちはヴァンパイアなんやて!」
「そうなのか・・箱は?」
「箱は封印されてから後付けされたものや」
「その封印とやらが解けたら御前はどうするんだ?何年寝ていたかは知らんが周りは変化しているだろうし知り合いは亡くなっていると思うが?」
「せやろな・・どうするかか・・せやったらお前んとこに厄介になるのもええな!」
「何故・・」
「お前うちより強いからな!そんな簡単に死なんやろ!」
「まぁその封印の剣の説明が確かならそうだろうな・・」
「せやろ!ならうちはお前と居るんがええと思うねん!お前もうちのこと好きやろ?」
「いや・・別に・・」
「せやろせやろ!うち結構好かれやすいんや」
そう話していた。
(人の話しを聞かないやつだな・・この騒がしさ服部に似てるな・・俺と戦闘中だと言うのに文句を言うは忍だと言うのに隠れないわ・・思い出しただけで頭が痛くなる・・しかも人の話しを聞かない所まで似てるな・・)
そう思いながら右手を頭に当てた。
「俺といるって・・居ても面白いことはなにもない・・」
「そんなことあらへん!うちの勘が言うとるお前はおもろいやつやってな」
「なんかずっと言ってそうだからな抜いてやるか・・」
そう話しながら俺は剣を右手で持った。
「ゆっくりな!ゆっくり抜かなあかんからな!」
「だが・・今は昼で日が出てるが大丈夫か?」
「そらあかんな!日陰とかないん?」
「・・ないな」
「ないんかい!」
「いや・・待て・・」
そう話し印を結び地面に両手を当てた。
“土遁 土傘”
“土遁 土傘”は土を操り上空に地面を作る術チャクラの量に応じて広く出来る。
村を覆う程の土で上空に地面を作った。
(これで良いだろう・・)
そう思いながら剣を右手で掴んだ。
「日陰は出来た・・抜くぞ・・」
「ゆっくりやからな!ゆっくり抜くんやで!」
そう話しながら剣を一気に抜いたら剣は砕け散った。
「ガハ!」
箱から大量の鮮血が吹き出した。
「ゆっくりや言うたやろ!」
そう言いながら中から血塗れの黒髪の紫色の瞳をした子供が蓋を頭で壊しながら言った。
「・・・そうか・・」
そう言いながら見ていると傷口から煙のような物が出て傷口がどんどん塞がっていった。
「シャバはええな!うちはアリス・ブラッドトーカーよろしゅう!」
「・・藤林陽天・・」
「陽天がファミリーネームってけったいな名前やなぁ」
「ファミリーネーム?」
「ファミリーネームも知らんのかいな・・家族で共通しとる名前や」
そう話しながらアリスは上を向いた。
(苗字のことか・・)
そう思いながら上を見たままのアリスを見た。
「いや・・藤林がファミリーネームとやらだ・・」
「上のあれは・・なんや・・」
「・・あれは日陰がなかったからな作っただけだ・・」
「だけって・・なんなんや」
「地面だ・・なにをいっているのやら・・」
「いやいやいやいや!うちらが立ってるのが地面やろ!」
「だから空に地面を作ったと言っている・・」
「つ・・つつつ作った!人間がこんなもん作れるわけないやろ!」
「いや・・これくらい普通だ・・」
「こ・・これが普通ってほんとに何者や・・」
「忍・・」
「忍かいな・・よう知らんけど・・うちの始祖ですらこんなんは出来へん・・」
「そうなのか・・」
「魔力は感じひんのに・・どんな術なんか・・うちが封印されて魔法も変わったんやな・・」
そんな話しをしていた。
(まぁ・・忍術と言ってもわからんだろ・・別にいわなくても良いな・・)
そんなことを考えていた。
「そろそろ行くぞ・・足に自身は?」
「せやな・・封印から出て本調子やないが・・人間には負けへん・・せやかて日はまだ昇っとるで?」
「問題ない・・上の傘ごと移動する・・」
「ホンマに人間かいな・・どこまで行くんや?」
「知らんが付いてくればわかる・・」
「大雑把やな・・」
そう話し上の地面を動かしながらアリスとその町を後にした。
そのまま来た道を戻っているとアリスが口を開いた。
「えらい遠いんやな・・それにお前やたらと早いで!」
「まだまだ先だ・・それにこの速度じゃ三日はかかる・・」
「なんやねん・・そら遠いやないか!」
「いや・・俺一人なら一刻で着く距離だが・・」
「うちが遅い言うんか!」
「あぁ・・遅いな・・」
そう話すとムキになったのかアリスは速度を上げたが距離は縮まる所か少しづつ離れていた。
「ホンマに速いわ!速度落とし!」
そのような声が聞こえ大分速度を落としアリスに合わせた。
「そら人間の速度やないわ!ホンマに人間かいな!」
そう聞きさらに速度を落としアリスを抱きかかえた。
「何すんねん!」
「口を閉じてろ・・舌噛むぞ・・」
そう話し速度を今までの六倍の速度で走った。
「こっちの方が速い・・」
アリスは風圧で目を閉じ口が動かないようだった。
(やれやれ・・足が遅いならそう言えば良いものを・・)
そんなことを考えながら走っていると手に何かが当たる感じがしたので止まった。
「あ・・あかん・・」
そうアリスは言うと吐き始めた。
「は・・速すぎや・・あかん・・胃液しかでぇへん・・」
「この程度でか・・」
「まだ早うなるんか・・せやったらすぐに着くやろうな・・」
そうアリスは話しながら時折吐いていた。
「行くぞ・・」
「まだあか・・」
話しを聞かずに走り出した。
(あの速度だと夜になってしまうな・・)
そう考えさらに烈歩を使い速度を倍にして走った。
(この日の落ち方からして今のままでは夕刻に着くと言う感じか・・)
そう思いさらにチャクラを練りさらに二倍の速度で走った。
(・・見えて来たな・・)
そう思いながら見覚えのある林をそのままの速度で走るとすぐに着きそうだったので減速するため着地の場所と速度を考え跳躍した。
頭上に忍術で作った地面が迫り左肩にアリスを背負い右手で地面を掴むと地面は木っ端微塵になった。
(これなら解印もいらんな・・)
そう思いながら目的地の方を見ると赤色の人型機動兵器と五体の青色の人型機動兵器が入り口付近に立っていた。
(なんだあの大きいカラクリは・・)
そう思いながら手を離しそのまま落下し、人型機動兵器の前に着地した。
「何者だ!」
「空から降ってきたぞ!」
「なんで女なんか抱えてんだ」
などとザワついていた。
「御前らのほうがなんだ?人の里の前で・・」
「ここの代表に話しがあっって参った」
そう話し赤色の機動兵器は剣を突き立て両手を柄の先端に置きながら言った。
「藤林様・・」
「こいつを頼む・・」
「御意」
左肩にぐったりとしているアリスを音羽に預け、俺は印を結んだ。
“金遁 収爆転移の術”
“金遁 収爆転移の術”は“金遁 収爆縮の術”で小さくした物を左手に移動させる高等忍術。
“金遁 収爆縮の術”は左手で触れた物を小さくする高等忍術。
小さい刀を左手で持ちその後“金遁 収爆縮の術”の解印を結ぶと手にある刀は在るべき大きさに戻った。
その刀は柄が金色柄巻きが青く鞘は青色の※1.五尺の大太刀一振りだった。
※1.五尺=約150cm
「それで代表だったな・・俺がここの首領の藤林陽天だ・・用件を聞こうか・・」
刀を持ったまま左に回り人型機動兵器の方に体を向け言った。
「何を言ってるんだこのガキは!」
「そういう事はお遊びの時だけにしな!」
そう話しした瞬間に刀を抜いた。
歩いて無礼な事を言った人型機動兵器の前に行き跳躍し上から下に斬りもう一体の方にも歩いて行き下から上に斬り、そのまま歩いてさっきまでいた所に戻り刀を鞘に収めた。
「お前達!失礼な事を言うんじゃない!」
「だが隊長!こんな子供が治めてるなんてありえないだろ!」
「申し訳ない!部下がとんだ失礼を」
「いや・・構わない・・もう斬ったからな・・」
そう言うと斬られた二体の人型機動兵器は両断された。
「な!これは!」
「隊長!生命反応がありません!」
「い・・いつ・・」
「その者達が失礼なことを言った時だ・・この刀は忍神刀・・天之御中主神・・御前らで言う所の神器だな」
「そ・・そんなバカな・・動いてすらいないのに斬ることなんて出来るはずがない・・」
「この刀の力は全ての完全支配・・さっきは刻を支配し御前達の刻を止めて近ずいて斬っただけだ・・首領として話しをするからな・・言葉は選べよ」
そう言いながらその場で胡座をかいた。
すみません。仕事やRPGゲームを作ったりTree of Saviorしていて更新が遅れてしまいました。