第3話―最強の忍 弟子をとる―
読んでくださっている方々更新が遅れて申し訳ございません。
(俺の実力を試そうってことか・・)
そう考えそちらへ向いた。
「なるほど・・その風態足運びは暗殺に特化しておるな・・ならこうのうような正面戦闘は苦手であろう」
そう言いダーチェと呼ばれる男は剣を上に立てて構えた。
「加減しようか?」
「無用!!」
ダーチェと呼ばれる男そう叫びながら一気に間合いを詰め剣を振り下ろした。それを左手で手首を掴んで止めたときダーチェの表情が驚きに変わった瞬間に右手を拳にし、そのまま五発胴を殴った。鎧は砕けダーチェの体が吹き飛びそうになっていたが剣を止めた手を離さずに掴んでいた。ダーチェは口から血を吹き出し全身の力が抜け地に倒れそうなのを持ち上げられている様な形になっていた。
「去れ」
そう言い左手に持っているモノをフェリスの方に投げた。鎧を着ている者たちはダーチェを何人かで抱えた。
「おぬし!妾のものになれ妾が出来ることなら望むもの全てをおぬしに与える」
「断る」
鳥の子を一つ自分の足元に叩きつけ煙が充満してから木の生い茂ったところに走り身を隠した。煙が晴れフェリスたちは俺がいないことを確認し、そのままその場を後にした。その間遠くて聞こえなかったがフェリスはイライラしながら何かを言っているようだった。
(こちらを背にしていて口元が読めないな・・)
そう思いながら去っていくところを見ていた。
(そろそろ良さそうだな・・)
隠れているところから出て洞窟の方へ向かった。
「シーシャの言う通りあんだけ強ければおいらたちをどうこうしたければ一瞬だな」
「お兄ちゃんわたしのこと信用してなかったの?」
「そんなんじゃねぇよ・・そんなバケモノがいるってことが信じれなかっただけでシーシャだってそうだろ?」
「それは・・そうだけど・・」
そう話しながら二人は洞窟からこちらに歩いて来た。そのまま二人の横を通り過ぎ洞窟に向かうが二人は後ろをついて来ていた。
「なーなー!そう言えばちゃんと自己紹介してなかったよね?」
物の怪の童がこちらに話しかけて来た。
(なるほどな・・忍術もチャクラも使えて力も変わっていないのに異なる世界?そんなことがありえるのか?・・それなら尚更何故言葉がわかるのかが説明がつかんなあとこっち来る前に爆破で付いたはずの傷がなくなっていた点だ・・それどころか装束ですら少しも破けていなかった・・)
そう考えていると目の前に童の顔が覗き込んだ。
「聞いてのか?おいらはカルバ・トルッロスそんで妹のシーシャ・トルッロスだ」
前に出てきて言った。そのまま洞窟内に入って行った。
(もしもこの状況が誰かの意図によるものだとしたらこの状況を説明することができ元のところに戻るとかの選択肢が出てくるだろうが事故だとすれば説明もなくここで生きることとなるのか・・誰かの意図なんてこともあり得るのだろうか?正直よくわからないな・・そんなことをする必要性か・・)
カルバの話しをそっちのけで考えていた。
「それでは聞いていくがここはどこだ?地球なのか?」
「地球?それって星の名前?」
いつも寝ている格子状の扉の部屋に入り、地べたに座って話した。
「ああ・・」
「違うよここはブルーメティスって言う星だよ」
「おいら地球なんて初めて聞いたよ」
「じゃぁこれはなんだ」
そう言いながら懐にある袋から金を出して見せた。
「すごい!金貨じゃん!」
「これどうしたの!?」
「これがなんなのか聞きたいんだが・・」
「これは金貨って言って一番高い硬貨だよ」
「この下に銀貨と銅貨があってこれで買い物するんだよ」
カルバとシーシャは金貨を持って言った。
(なるほど・・小判と同じと言うことか・・だが三種類のみなのか・・地球ではなくブルーメティス?海の向こうなのか?)
そう思っている時だった。
「もしかして異世界の人とか?」
「いせかい?」
「そうかもなおいらたちに子どもでも知ってるようなこと聞くのはそれだけだもんな」
「違う世界の人って意味だよ」
二人は身振り手振り使い話してくれた。
「わたしたちも又聞きだけど・・まずはこの世界では大きく三つの国に分かれてるの・・一つ目はMSDとか機械や武器とか道具に魔法陣を埋め込んで魔法を発動させるゾディスガイル帝国そして二つ目は魔法陣を展開したり描いたりしてその陣を媒介に魔法を使うシャンティル共和国それで三つ目がここ詠唱したり魔法名を言って魔法を使う王都エルティアの三国があるんだって」
「魔法?」
「自然の力を使って不思議なことができるものってやつだよおいらたち獣人には使えねぇけどその代わり身体能力に長けてんだ!」
そう言いながらカルバは胸を叩き咳き込んだ。
「その鎖はなんだ?」
そう言いながらカルバとシーシャの首や手首や足首にある鎖を見た。
「これは奴隷の証しだよこれがある奴は物くらいの価値しかねぇってやつ」
「これが外れるのなんてことはないの」
そうカルバは言い二人は下を向いた。
「そうか・・」
そう言い印を結んだ。
"雷遁 雷指刀"
指先にチャクラを帯電させシーシャの首輪に触れたとき、首輪は帯電させた電気が流電しバラバラになって落ちた。首輪がバラバラになった時、二人は驚いた顔をしていた。
「それってもしかして魔法?」
「いや・・これは忍術だ・・」
「忍術・・」
俺は二人の枷を壊した。
「す・・すご~い!ありがとう」
「で・・弟子にしてください!」
「そんなもの※1.募った覚えはない」
「お願いだ!」
そう言いながらカルバは俺に向かって土下座し始めたが、見ないように話しを進めた。
※1.募った=募集
「三国に分かれているなら戦はあるのか?」
「戦?」
「国同士で戦うことだ」
「そういうのはカルバの方が詳しいよ」
「そりゃ仲は良くないから小さいものはあるけど大きいものは少ないよ師匠」
カルバは頭を上げて言った。
(なるほどな・・その小さいものが新しい魔法とやらの実験とかであれば大きいものも遠くないうちに起こるか・・まぁ俺には別に関係はないが・・でも確かに一人では今後の情報収集とかが少し大変か・・まぁ用済みになれば置いてもなんとかするだろうし・・俺の技を教えるのは※2.武田信玄のところの※2.山本勘助以来か)
そう思いながら目を瞑り顔を上げた。
※2.武田信玄=戦国時代の武将、甲斐の守護大名・戦国大名、甲斐武田家第19代当主。
※3.山本勘助=戦国時代の武将、武田二十四将にして武田の五名臣、武田信玄の伝説的軍師である。
「いいだろ御前たちを弟子にしよう」
「よっし!」
「なんで急に?」
「一人より三人のほうがやれることが多いからな」
そう言いながら二人を見ながら話した。
「まずはチャクラの使い方だな」
「でもわたしたち獣人だから魔法とか使えないよ?」
「魔法と言うのがどう言う原理かは知らないからな」
「おいら聞いたことあるよ・・確か・・魔法と言うのは身体の外にある自然の力と自分の精神力を混ぜて魔力にして知識で実体するだったかな」
「なるほどな・・」
そう話し地面に落ちていた葉を二枚拾った。
「試してみるか・・そのままで目を瞑れそしたらヘソの下の辺りに力を込めながら口から息を吐き切れ・・鼻で三呼吸するそれを繰り返してみろ」
そう言うとカルバとシーシャはやり始めた。
「二人ともそのままで目を開けて俺の手の動きを真似してみろ」
そのまま二人に分身の印を見せると二人は真似をした。煙があがりシーシャは二人になりカルバには変化がなかった。
「おぉ!シーシャが二人になってる!」
「で・・出来た・出来た!」
「なんでおいらには出来ないんだ?」
「普通いきなりやれと言われて出来るものか・・チャクラを練れるようになるのに何年も費やす者もいるくらいなのだからな」
「コツとか教えてくれよ」
「そうだな・・身体能力と精神力を集中で混ぜる感じだ」
「シーシャにあっておいらにないもの才能か!」
「お兄ちゃんには集中力が足りないのよ・・」
「そうだな・・」
さっき拾った葉を見ていた。
(集中力か・・)
そう思いながら葉をカルバの頭の上に置いた。
「え?これはなに?」
「葉っぱ?」
「そのままその葉に二つの水が混ざり合っていくように考えてさっきと同じように手を動かしてみろ」
「わ・・わかった」
カルバは少し驚いた様子だったが指示どうりやり始めた。煙が上がったが、カルバの疲れ切った分身がいた。
「まぁこれで忍術は御前たちでも使えることがわかったな」
「いやいや!おいらのはなんか疲れ切って寝てるんだけど!?」
「それはチャクラ不足だチャクラの使い方と量がちゃんとすればちゃんとした分身ができる」
「本当に!」
「あぁ・・」
「座禅して集中力を高めればコントロールも難しくないし修行すればそれだけ術も強力なものが扱えるしな」
そう言って座禅を組んだ。
「これが座禅だ」
目を瞑ったままそう言った。
「さっきの呼吸法を忘れずやるんだぞ」
そう言い目を開け二人を見ると座禅を組んでいた。
(教えてる時が一番暇なんだよな・・やることないし・・勘助のときは確か勘助に向かって手裏剣とかクナイとか当たらないように投げてたな・・仕方がない今日は初日だしな・・)
そう思い逆立ちして左腕を腰につけそのまま腕立てし始めた。回数が千を超えた頃ふっと見るとカルバはうとうとしてるように頭が上下に動き始め左でクナイを取ってそのままカルバの頬を擦れるように投げた。
「いっ!」
「集中力を切らすな強くなるには地道な修行しかないんだ」
カルバは頬を指で撫ですぐに座禅を始めた。そのまま腕立てを再開した。そのまま回数が一万に達し腕立てをやめた。
「止め・・それじゃ次をやるか」
「はい」
二人も座禅をやめ付いてきた。
「次はこれだ」
「崖?」
「こんなところでなにをするの?」
「これを片腕と片足で登るんだ」
「そんなん余裕だぜ」
「ただし・・」
跳躍し崖の一部を抉り大きな岩を作りその岩に縄状にしたものを被せた。
「そんなでかいのはどこから?」
「忍びなら持ってて当たり前だ」
「いやいやいや」
「この装束には時空間忍術が編み込んであってな帯をしながら懐を開けると時空にものとかを入れておけるんだ・・その代わりに帯をしたままで入れられる大きさに限定されるが大きささえなんとかできれば無限に入れられるんだ」
「そんな忍術まであるんだ」
「すご!」
何が言いたかったのかを察し話しをした。
「それじゃこれを口に咥えて最初は右腕と左足を使って登れ」
そう言いカルバに咥えさせ左腕と右足を縛った。
「本当に!」
そう言うとカルバは崖を登ろうとするが最初の地点から動けなくなっていた。
(今考えるとダーチェという男のもこの童たちに斬りかかったやつのもそうだったが剣と言うのには刃がなかったな何故だ・・鍛冶屋の者に話を聞ければ良いのだが・・)
そんなことを考えながら崖を登ろうとしているカルバを見ながら逆立ちをし右腕を腰につけ腕立てを始めた。
(あの剣と言うのに刃がないがその状態での戦闘となると撲殺か刺し殺すか絞殺あとは首を突き刺して首を斬るかそれくらいしか思い浮かばないな・・何故そんな物を・・刃のない利点か・・安く簡単にできると大量に作ることもできるってところか・・クナイも刀も手裏剣もどこかの鍛冶屋を借りて自らで作らないとならないか・・クナイも手裏剣も数に限りがあるしななくなる前にどうにかしないとな・・一番手っ取り早いのは鍛冶屋一件皆殺しにして作るのが一番早いが・・だが・・そうなると危険な点が出てくるな・・納品できなければ確認とかで兵が来てしまうと言う可能性だな時間が経てば経つほどそこでの作業は難しくなるだろう・・いっそのこと鍛冶に必要な物を買ってしまうか・・買ってしまって行商人は幻術でもかけてやれば足はつかないだろうが・・)
などと考えながら腕立ては二千回を超え、二人は悪戦苦闘しながら登ろうと頑張っていた。
(それにしてもこの状況は人攫いの下手人と言われても仕方ないが・・物の怪の童を助けて下手人と言うのも笑えんな・・だがそれは今更言っても仕方なき事だが・・)
そんなことを考えながら腕立てをしながら二人を見ていた。
ただいま第四話の作成に取り掛かっています。メッセージなどあればご遠慮なくメッセージしてください、感想などもよろしくお願いします。