いざ新婚旅行
今日は、新婚旅行。
一年前に計画していて、結婚式を終えたら行こうってなってた。
楽しみだな。
あかちゃんの体のままなのは少し残念。
うん?
ということは、レーナはずっと僕を持ち続ける必要があるってことか。
辛すぎない?
「そんなことないわよ。むしろずっと持たせて」
ずっと持たせってレーナ無理してない?
「全く無理してないよ」
本当!ならお任せするね。
「うん!一生任せてね!」
ん?一生?まぁ赤ちゃんの間お願いします。
じゃあ、新婚旅行で出かけることみんなに言わないとね。
「大丈夫だよ、もう話してあるから。さて今、みんな外に集まっているみたいだから、窓からさっさと行こうね」
うん!わかった。
え!窓から!?
レーナは手早くベビースリングを身につけると、僕をその中に入れた。
「えっ、えーあ!」
「大丈夫だからね」
レーナは窓を開けると、そのまま窓に飛び乗り屋敷から脱出した。
遠目で庭を見ると、赤と白の幕で装飾された櫓が見える。
櫓の上には、ハチマキを巻いたお父さんが太鼓を叩いている。
ドンドンドン、カカカッカ、ドドンドドン
「あっそーれ!」
ドンドンドン、カカカッカ、ドドンドドン
「あっそーれ!」
そのリズムに合わせ櫓を中心として、昨日集まってくれた僕の知り合い達が、着物を着て謎の動作をしている。
手には「祭」と書かれた団扇っぽいものを持っている。
微かにみえる団扇にはというものが見えた。
なんだあれ、楽しそう。
僕も混じりたい!
ねえレーナあれに混ざらない?
「私、一年間とても辛かった」
新婚旅行しましょう!
さぁ、すぐに行こう!
「うん!ありがとうユキ!大好き」
僕も好きだよレーナ。
こちらこそ、ありがとう。
レーナが笑顔でこちらを見てくる。
レーナは本当に綺麗。
髪は金色、つややかで眩しいほどに煌びやか。
目は澄んだ空ような青色に、長い睫毛。
肌は白く透き通って、すべすべのもちもち。
声は、柔らかな絹のように麗しい声。
優しくて、可愛くて、清らか。
一緒にいるだけでとっても心が落ち着いて、楽しくなる。
もっと一緒にいたくなる。
とっても幸せ。
「ね、ねえ、ユキ」
「う?」
「その、ユキの考えていること、私が解るってこと覚えてる?」
「あ」
体の底から熱が込み上げてくる。
息がつまりそう。
「あ、あう、え!?」
うわああああああ!恥ずかしい。
けど、本当のことなんだから仕方がない。
「えへへ、ありがとう」
また、笑顔をこちらに向ける。
レーナの笑顔はずるい。
ああ、もうどうしたらいいんだろう!
さっきから、もわもわして思いっきり叫びたい気分。
「ユキは前の姿でも女の子になっても、可愛いままだね」
「ぅうう」
「それじゃあ、新婚旅行最初の街へ向かおう!」
「おーーー!」
で、結局、みんなには話しした?
「まっさか、二人きりになれるチャンスだったからね」
お読み、ブックマークいただきありがとうございます!
今回の話はとても短いです。
また、何か誤字脱字等ありましたらご指摘いただけると幸いです。