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お母さんたちに告白

割り切れない思いを口に出した。


「あれから一年」


そう告げたのは、黒い服をまとった白い髪の女性だった。


「そうね」


答えたのは、丸いガラスのテーブルを挟んで向かいに座る

金色の髪を持つ黒い服を着た女性であった。


「ごめんなさい」

「何言ってるの」

「レーナちゃんはとても悲しんでいるでしょう。その気持ちを考えると」

「それはユキさんの母であるサラも同じでしょう」

「だけど、結婚式の次の日なんて、あんまりにもっ」


サラの目はだんだんと潤んでくる。


「私の息子と結婚しなかったらあんなにも悲しむことなんてなかったじゃない」

「そんなことないわよ!レーナが望んで選んだんだから。

そんなに自分を責めないで」

「うぅ、エリナ」


エリナは涙をこぼすサラの手を優しく包んだ。


エリナがサラを慰めていると、娘の泣き声が聞こえた。

そんな声を聞くと、とてもいたたまれない気持ちになった。

親友の息子で、生まれた頃から見てきて、

いつも娘の相手をしてくれたとても優しい青年で

さらには、娘の夫になってくれた。

悲しまずにはいられなかった。


しばらくすると、慌ただしくドアが開いた。

開けて入ってきたのは、

赤ん坊を抱いたレーナだった。


「お母さん!とユキ君のお母さん!聞いて!とっても驚くよ!」


こんな笑顔のレーナを見るのは、一年ぶりだった二人は、

思わず顔を見合わせた。悲しんでいた気分もどこかに行ってしまった。


「レーナ、とりあえず座って」


そうエリナは娘に声をかけた。

しかし、そんなことはどうでもよいという感じで、

レーナは衝激を告げた。


「それよりも、ユティがね、なんとユキだったんだよ!」

「は?」


あまりにも素っ頓狂なことを話すレーナに対して、声が出る。


「どうしましょう、娘がついにおかしくなってしまったわ」

「エリナ、まだレーナちゃんがおかしくなったって決めつけるのは早いわ」


二人のそんなやりとりを聞いたレーナは、

声を大にして、娘のユティとのやりとりを説明した。


「ほらユキ、あれをお願い」

「あい!」


まかせとけと言わんばかりに赤ん坊は返事をした。


「あう、あう、あう。

あう、あう、あう。

あう、あう、あう、あう、あう、あう、あう。

あう、あう、あう。

あう、あう、あう。

あう、あう、あう、あう、あう、あう、あう」


赤ん坊は、言い終えると何やらニンマリとした顔で

納得してくれない二人を見た。


「本当に三三七拍子だわ!」


サラが驚いたように、レーナに抱かれているユティを見た。


「もしかしてユキなの!?」

「いやサラ待ちなさい。偶然って可能性もあるし、何か質問してみましょう」

「そ、そうね」


サラはエリナの話を聞き頷くと、右手の人差し指を顎に当てながら、

ユキとの記憶に思いを馳せると一人頷き質問を出した。


「じゃあ幾つか質問するからね、はいかいいえの質問をするからね。

はいなら一回で返事をして、いいえなら、二回で答えてね」

「あい!」


赤ん坊は、本当に話が分かっているように返事をした。


「じゃあ質問。私の夫の名前はユウキ?」

「あい」

「当たりね。じゃあ次の質問、ユキからレーナちゃんに告白したのかな?」


その質問きいた瞬間、赤ん坊は固まった。


「さぁ、どっちなの、ユキ?」

「あう。あう」

「へぇーそうなんだ。ユキ知ってる、レーナちゃんはユキから告白されるの楽しみに待ってたんだよ。

じゃあ、次の質問ね、ユキがレーナちゃんのご両親に結婚の話をしに言った時の約束なんだけど、

レーナちゃんを必ず幸せにすると言ったのは本当?」


赤ん坊は、見るからに青い顔で答える。


「あい」

「そうよね。言っていたとはエリナから聞いてるしね。

ここで質問、ユキはレーナちゃんを幸せにできたでしょうか?」


赤ん坊は、涙目になりながら悲痛な面持ちで答える。


「あうっ。あううう」

「どうやら本当にユキみたいね」


赤ん坊は何やら恐れ多い感じで、抱きかかえている女性を見上げた。

赤ん坊に見上げられたレーナは綺麗な笑顔で赤ん坊に告げる。


「これから有言実行してもらえるんだよね?」

「あ、あう」

「期待してるね」

「あい!」


「それにしても本当にユキ君なのね」


エリナは赤ん坊の方を近づきながら話した。


「おうえう!」


勢いよく答えた赤ん坊にエリナは近づいて耳元で囁いた。


「今度、レーナを悲しませたら許さないからね」


赤ん坊は肝を冷やした。


誤字脱字等なにかありましたら、ご指摘いただけると幸いです。

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