異変
「………なんだよ……これ」
辺りを見渡すと、そこには先程まで見ていた風景とはまるで別世界だった。窓から見えていた、校庭や外を走る車、住宅街……それら全てが綺麗サッパリ消え、草原へと変わっていた。
異変はそれだけではなく
「お前、目 なんか変な色になってるぞ」
そう言われ鏡を見ると僕の目真っ赤に染まっていた。
「そっちこそ……って、あれ? 名前も思い出せない!」
僕も含め 男子の幼馴染にも目の色、一部記憶に異変が起こっているようだ。
「そうか、記憶にも異変が………!! そういえば、もう1人の幼馴染みは!?」
「あぁ、あいつなら 1人で笑ってるぞ」
僕は男子の幼馴染みが指す方向へ視線を向けると
「あはぁはぁぁ! なんか、みんなの目の色 へんなの〜 あはあはあは」
女の子の幼馴染みの方は、こんな状況でも大きな口を開け笑っていた。まぁ、昔からそうだ、どんな状況でも笑っていたし、それがあの子のいいところでもある
周りを観察していると 少しずつではあるが、今起きている異変について分かってきた。今、確認出来たのはこれ、
・名前の記憶だけ抜けている事。
・さっきいた場所とは異なる事。
・人それぞれ目の色が違う事。
恐らく他にも、僕たちの知らない事があると思うが、今の現状で把握できるのはこの範囲までだ。
その頃になると、クラス内の騒めきは落ち着きを見せていた。それと同じ頃、何故かメガネ君がメガネを外していた。
僕たちは新たな情報を求めようと、席を立とうとした瞬間、バーーンと教室の扉が勢いよく開けられ 教室が静まり返り、視線が一気に扉の方へ向けられる。
そこに立っていたのは、黒スーツに身を包み、目元のみをピエロマスクで覆った、怪しい男だった
そのピエロマスクは僕たちの視線など気にも留めず、コツコツと革靴の音が響かせながら教壇に立ち クラス全員を観察するように見渡していった。そして一通り見渡したし終えると、溜め息混じりにボソッと、でも確実に僕の耳には低い声が届いた
《今回もハズレか》って
しかし、他の人には聞こえていないようで僕だけが反応している。ピエロマスクも僕の挙動不審な行動を察知したのか、俺の方を見て ニコリと微笑み 人差し指を口の前に持ってきた
僕はこの不気味な笑みに恐怖を感じたのと同時に、人差し指の意味を考えていた。一般的に考えらは『大人しくしろ』だが、さっきの言葉が どうも引っかかる。どうゆうことなんだ
訳も分からず自問自答を繰り返していると、さっき聞こえた 少し低めの声とは正反対に甲高く、ピエロのような少し気持ち悪い声でこう言うのだ
「さぁー!!これから異世界の授業をはーじめーるよー!!」




