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叶えば所詮、夢物語  作者: 4.1 1.2 4.2
18/41

悩み ー若葉ー

 

 真紅は昨日の事が忘れる事が出来ずにいた。


 血の匂い、独特の感触、ゴブリン達の断末魔


 それぞれが脳裏に焼き付いている


 そんな断片的な描写がフラッシュバックするなか


「大丈夫?」


 と声が聞こえた。突然の事で一瞬ビクつくも

 聞き慣れた声で真紅は安心した


「翡翠か……うん、大丈夫だよ」

「………嘘ついてるでしょ。話したい事があるなら話したい方がすっきりするよ」


 どうやら翡翠には真紅の嘘は通じないようだ。それならと思い、真紅は翡翠に甘える事にした。そこで話した事は自分自身に抱いた疑念、疑問、何も感じない事の恐怖、その他諸々。この時、真紅はよくわからない事を喋っていた。言葉がうまくまとまらず、自分の思った事をただ淡々と喋っており、主語述語などまったく関係なく喋っていたからだ。


 しかし翡翠はその断片的なキーワードをまとめ真紅が伝えたい事を何となく察した


「そうなんだ……それはきっと自分を守るための防衛手段だよ。平常心じゃ耐えれなかったから、何も感じないように脳を停止させたんだよ」

「そうゆうものなのかな」


「そうゆうもんだよ。記憶喪失だって辛い事が原因で起こったりもするんだよ」

「そうか……ありがとう、少し楽になったよ」


「それならよかった!! あまり溜めこみ過ぎると良くないからたまには発散するんだよ」

「……うん」


 話しを聞いてもらい心が軽くなるのを感じる。僕の悪いところだな、こうやって溜め込み過ぎちゃうところ。こんな風に翡翠に甘えるところも。


 もう少し男ぽくとか、そうゆう事は別に求めないけど、何かあった時相談に乗れるくらいの人にはなれるようになりたい。


 真紅は「1人になりたい」からと言い訳をし、翡翠を寝かしつけた。


 本当に1人になりたいのもあったけど、自分の事でいっぱいだったあの時、若紫にキツく当たってしまった事を、心が落ち着いた今になり再度思い出したからだ


 もちろん謝りたいと思ってる。しかし謝ったからと言って、許してもらえるかは別の事。それでも、許してもらえる もらえないに関わらず、自分が言った事には責任を持ち謝る事が大切だと思う



 翡翠が寝て数時間。突然背後から「大丈夫か?」といわれ一瞬デジャヴるが声が違う事に気づく


「……若紫か。うん、あれ以降特に異常はーー」

「ちげぇーよバーカ。お前自身の事を聞いてるんだよ」


「…………さっき翡翠に相談して少し落ち着いた。その……さっきは心配してくれたのに酷い事言ってごめん」


「そんな事か、別に気にしてねぇーよ。誰でも1人になりたい時はあるもんだ」

「ありがとう」


 こんな1分にも満たないこの会話で真紅は救われた気分だった。許してもらえたからもあるが、僕の気持ちを理解してくれていた事が何より嬉しかった。


 そんな真紅の気持ちを代弁するかのように日は昇り始め、暖かな朝陽が真紅たち2人の体を包み込む。


 そんな暖かな朝陽に同調されるように、

 止まっていた時間が動き出すように、

 次々と蕾が開き大輪の花を咲かせる。


 毎日のように見ている風景なのに、いつもと違う、真紅の心が穏やかな気持ちになっていくのを感じるのであった


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