6話 賢者、少女を助ける
「はぁはぁ…」
戦場には縁も無いような少女が紫色のした剣を振り戦う、その剣によって倒された魔物は数十匹を越えていた。その少女の名はリーヤ
「ハァ!」
「ギャッ」
リーヤの動きが徐々に鈍くなる
体が思うように動かない、ヒデキからもらった剣も雷撃が思うように出ないし何で?
リーヤには魔力切れするまで魔力を使うということをこれまでしたことが無かった、そのため魔力切れというものを知らないのだ
そして最悪が訪れる
「グガァァァァァ!」
「オーガキング!」
上位種の注意が向いてしまったのだ
「ガァァ!」
「っ!」
リーヤの体を軽く吹き飛ばし、木に激突する
「がはっ!」
その場で倒れ、意識が朦朧とし動けなくなる
村の人達やお父さんが何か言ってる…守れなかった…ごめんなさい
オーガキングが拳を振り上げた瞬間、その腕に黒い剣が当たり灰になった
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「やばい、やばい!」
リーヤがオーガにやられそうじゃん、吹っ飛んだリーヤに追撃しようとしてるし!
このままだと間に合わないし、俺のミスのせいで死んだら目覚めが悪い。どうする!?
「ホーちゃんどうしよ!?」
「あんたの魔法で腕だけ狙えば?」
「加減も魔物の強さもわからないから無理!」
「じゃあ、武器作ってたでしょ、その中の遠距離武器使えば?例えば弓とか」
「弓ならあるけど、この場面想定してなくて、威力追求し続けたやつだからリーヤ巻き込んじゃう!」
「何でそんな無駄なことを…!この駄目人間!」
「自覚してます!」
どうしよう、魔法は加減が出来ないから腕だけ無くすのは難しい、武器は威力が強すぎて腕どころかリーヤを巻き込んじゃうし…
「…そうだ!」
俺は剣を取り出す
「ここからじゃあ剣の間合いに入らないわよ!」
こうするんだよ!
「どりゃぁぁぁ!」
「え!?何で剣を投げたの?」
「武器を盗まれた時の為に俺の許可無く触れたらその場所が灰になる設定してた!」
「凄い無駄機能が役にたったじゃない!」
「無駄機能言うな!」
「そんなことよりその子治さなくていいの?」
そんなことよりって…
「ついでに魔力量の強化もしよう」
思ったよりも傷は深くないな
「ん」
「リーヤ起きろー」
頬をペシペシ叩く
「んぅ」
「ホーちゃんやっちゃえ」
「わかった」
リーヤの額を高速でつっつく
「痛!」
「おはよ」
「ヒデキ?魔物!」
やっぱこうなるよな
「ホーちゃんは俺の友達だから」
「友達、ということは喧嘩してた?」
「そうそう」
「こんなことしてる時じゃなかった、ヒデキお願い、私のかわりに戦って」
「俺が戦わなくてもリーヤがいるじゃん」
「私じゃあ無理だった、思うように体が動かないし、あなたがくれた魔剣も使いこなせなかった…」
あれ、俺のせいにしないのか?俺のミスだったのに、このまま勘違いしててもらおうかな
「あんたのせいじゃないわよ、ヒデキが魔力量を増やしてないのが原因だもの」
あ、ばらしやがった!