2話 賢者、村に滞在する
少し長くなってしまいました、すいません
髭や髪を魔力で鋭い風を起こし整えていると、子供達が遊んでいるようで笑い声が聞こえる。
「追いかけっこやってるのか、近くに大人はいないんだろうか?」
周りを見渡すが子供達だけだった
「危なくねぇ?こんなとこに魔物が現れたら」
ん?これはフラグになるのかな?
悲鳴が上がり、子供達の方を見ると狼型の魔物数匹が子供達を囲んでいた
「フラグだったか!」
急いで駆けつけ、魔力で水を凍らせ狼目掛けて飛ばす。一匹の頭を貫通し絶命させるが、他の奴は避けて逃げていった。
子供達が居なければ全滅させてやったものを!
安心させるため子供達に声をかけた
「怪我はないか?」
顔を鼻水や涙でぐちゃぐちゃになっていたけど、怪我はないみたいだった
「ひぐっ、ありがとう、お兄、ちゃん」
村に戻ると子供達は親に怒られた、当たり前だけどな
「ありがとうございます、ところであなたは?」
「リーヤに助けてもらった、ろくでなしです」
「リーヤ様のところの方でしたか、顔が見えなかったものですから」
まぁ、凄かったからなぁ
「それでは、リーヤのところに行きますので。ちびっ子共次から気をつけろよ」
「うん!」
「ありがとう!」
「あとで、一緒に遊ぼうね!」
手を振って返事をする
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「あなた、ヒデキよね?」
「当たり前だろ」
「ご飯でも食べながら話しをしましょ」
村の唯一の食堂だったけど、めっちゃうまかった。
食べ終わったころにリーヤが話しを切り出した
「あなたこの村にどれくらいいるつもりなの?」
余所者はあまりいて欲しくないってところかな?
「ホーちゃんが帰ってき次第」
「あんな酷いこと言ったのに戻ってくるの?」
「俺とあいつは固い絆で結びついているのさ!」
「この村にいるんだったら、働いて貰わなきゃいけないんだけど、あなたは何が出来るの?肉体労働が出来ることは知ってるけど」
なるほど、労働力の問題か
「魔法、錬金術、魔法薬作り、魔道具制作、武術一通り、こんなとこかな」
「結構やれることって多いのね、ところで錬金術って?」
「は?」
リーヤに錬金術のことを教えた
「そんな便利なものがあったのね」
この反応からすると知らないらしい
「錬金術って常識じゃないのか?」
「王都ではそうなのね」
そういうことなのか?
「それならあなたには畑の手伝いでもしてもらおうかしら」
「そんな勝手に決めていいのか?」
「大丈夫よ、やってもらう畑は私のだから」
それからしばらく畑作りした。魔力を使って作物を育てやすくしたり、スプリンクラーのような魔道具を作って水をまいたり、好きなようにやってたある日、
「あなた、やりすぎよ」
「よかれと思ってやったんだけどなぁ」
「そのせいで作物を消費出来ない位になってんの!」
村人は気にも止めたかった、リーヤと俺の言い合いはここ数日で慣れてきているらしい。といっても食堂にいるのは数える程だけど
「はぁ、もういいわ。あとどれくらいでホーちゃんとやらは帰って来るの?」
「さぁ?」
会話をしていると村人が青い顔をして食堂に入ってきた
「リーヤ様!村長がお呼びです!」
「どうしたの?」
「魔物が大量に発生しました!」
リーヤはそれを聞いて急いで村長の所に走って向かった
俺も向かおうかな…