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地球異世界で冒険をしよう!  作者: AZ
第2章 『メンバー集結編』
33/33

超感覚の真の能力

よければ、ブックマークと評価をお願いします。

今後とも、応援よろしくお願いします。

精進して執筆します。

「…ん?メール?」


 携帯を確かめると不動産屋からのメールだった。


「どうしたの?」

「みんな、物件の案内が来たよ」

「どれどれ…中々いいんじゃない?」

「どれも条件は良さそうだな」

「後は実際に見に行くだけだべ」

「どちらにしても今はモンスター狩りが先ニャ」

「そうだね。じゃあ、明日、案内してもらうようにメールの返信しておくよ」


 メンバーが増えたこともあり、ちゃんとしたパーティ拠点を作るべきだと言われ家を買うことにしたのだ。まあ、お金はあるしね。それに…今はまだ構想だけだが『ある考え』があってのことでもある。


「じゃあ、アタシたちは買い物に行ってくるわね」

「オーケー。帰ってきたら今度のことで話をするから」

「分かったわ」


 エリナ・(まな)・ピピマの3人で買い物に行く。

 残っているのは俺とアテリアとシャシャリーの3人だ。


「じゃあ、誰がいくニャ?」

「ワタクシから行こう。用意は良いか?」

「お願いします」


 午前中はアテリアたちに稽古をつけてもらっている。と言っても、朝食前には基礎体力作りとして20キロのランニングと腕立て伏せと腹筋を300回ずつに100メートルダッシュを20本しているのだが…。

 基礎体力はかなりついた。それでも神がくれた能力を完全に制御はまだ出来ない。能力を理解すると能力の使い方も分かるようになり、今では3割は能力を使えている状態だ。

 ただし、3割程度では彼女たちに適うはずもなく…。日々、能力向上に超感覚を5割の状態で稽古しているのだが、それでもなんとか彼女たちの動きについて行くのがやっとなのだ。


「…うむ。体力は付いてきたな。そろそろ、次の段階に進んでも良いだろう」

「次の段階?」

「超感覚を全開にしての体術稽古だ」

「でも、それって相当しんどいんだけど…」

「そうでなくては修行にならんだろう?」

「…ですね」

「クリア条件としては、ワタクシの『強度』を崩すことね」

「…じゃあ、行きます」


 ようやく『超感覚の能力』の使い方が分かり振り回されることはなくなったものの、常に5割の感覚で過ごすも精神への負荷が尋常ではないのだ。それを意識的完全に全開にするってことは、1年前の何も理解できずに能力を使っていた時よりも身体や精神への負担は比べ物にならないのは確かだ。


 超感覚の全開は空気の流れさえも視て取れる。アテリアの動きが分かる。攻撃に移る動きを感じて避けるが、できたのはそこまでで光太(こうた)からは攻撃を仕掛けることは出来なかった。

 厳密に言えばその隙がなかったのだ。超感覚で色んなことが分かることで、こちらの攻撃が当たらないことも分かってしまい攻撃に移れないのだ。


「感覚に頼りすぎると何もできないぞ?」

「くっ…」

「では…攻撃を『当てる』としよう」

「え?」


 次の瞬間、当たるはずのない攻撃が光太(こうた)に当たる。


「避けたはずなのに…どうして?」

「超感覚は確かに凄い能力ではあるが、タネが分かれば造作もない」

「タネ?」

「どんな能力にも利点と欠点がある。その欠点を付けば良いだけだ」

「能力の欠点?」

「感覚が鋭すぎると言う欠点だよ」

「?」


 アテリアの言う超感覚の欠点。それは、全てを感覚で捉えようとすることである。

 視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚を研ぎしますのが超感覚なのだが、それだけの情報量を1人の人間が処理するのは無理がある。音・臭い・目に見えるというだけでも微妙な違いが生まれる。その微妙な違いこそがアテリアの言う欠点なのだ。どれかの感覚に特化していればよかったのだが、5つの感覚が特化されたことで逆に妨げられる結果となったのだ。つまり、情報として0.5秒後に拳打が打ち込まれるとあたえた上で0.1秒後に当たる拳打を放てるとしたら?…ということなのである。

実際には初めから0.1秒のスピードの拳打なのだが、視覚や聴覚に与える情報を狂わすのだ。これはフェイントの1つなのだが、筋肉の動きや風の音を誤魔化して実際よりも遅い拳打に見せかけたのだ。通常ではこのようなフェイントは効きにくいが超感覚ならではの欠点と言えるだろう。

 そして、一度陥れば後は無し崩し的になるというわけだ。


「そうだな…。お前は超感覚の使い方を間違えているんだよ。相手にのみ感覚を向けるのではなく、広範囲に超感覚を張り巡らすのだ」

「…広範囲に」


 言われるままに超感覚を広げるようにしていくと、集中していて見えていなかった部分が見えるようになる。それにより、一気に感覚がクリアにっていく。


「こ、これは…」

「超感覚は研ぎ澄ますのではなく、周りに広げてより曖昧にする方が逆に色んなものを捉えやすくなるんだろう」

「集中することが良いと思っていたけど…俺はずっと間違った方に使っていたのか…」


 通常能力は自分のためにあるものだ。だから、能力を使うのはより集中力が必要になると考える。細かな注意が必要な能力ならよりその方向性が強まる。超感覚も身体全身で使うため、より体の内側へと集中させていた。だが実際は、感覚を外へと向けるようにすることで身体に伝わる感覚がハッキリと感じられるようになったのだ。それどころか、身体や精神にかかる負担が消えたのだ。


「色んな感覚が分散されていけば情報が増えて負担になっていくと思っていたのに…逆に増えた情報が色んなものを感じさせて…心が落ち着いていく」


 見えない物が見えるって…超感覚においては必要なことなんだ。

 俺は見たいモノだけを見ようとしていた。でもそれじゃあ、ダメだったんだ。

 感覚のアンテナを張り巡らすことで、自然のあらゆる動きを把握してこそ超感覚の真価と言えるんじゃないだろうか?


「では、続きといくぞ」

「―――っ」

「グハッ!」


 …アレ?攻撃が当たった。と言うか、攻撃できた?

 あまりにも自然にアテリアの攻撃にカウンターで一撃を当てられたことに驚きを隠せない。

 先ほどまでは攻撃に転ずることさえできなかったのに…だ。


「これが、超感覚の真の能力(ちから)か…」

「そうなんだが…いきなりここまでできると釈然としないな…」

「今の動きはウチにも見えなかったニャ」

「動きもだが、一瞬のことで気配も感じられなかった…」

「自然と身体が動いたんだ。あれだけの動きをしたのに…身体への負担を全く感じない…」

「どうやら、毎日欠かさなかった体力作りが身を結んだようだな」

「これニャら、フィールドボスの攻略に向かっても良いんじゃないかニャ」

「確かに、それだけの実力は付いたが…ここは第5エリアで実力を付けてからでも遅くあるまい」

「それに、フィールドボスを攻略するならフィリィやゼノも一緒が良いしね」

「ならば日取りを決めて、それまでは鍛錬を積むというのでどうだ?」

「それが良いニャ」

「じゃあ…とりあえずメールで知らせておくよ」


 詳しい話は2人の都合の良い時にで話すとして、俺は早速メールする。

 そうしていると、エリナたちが買い物から帰ってきた。


「あれ?光太(こうた)がボロボロじゃない?」

「それどころか、光ちゃんが元気一杯だよ?」

「どうやら、能力の使い方が分かったんだべな」

「それって、超感覚のこと?」

「だべ。そろそろ、『コツ』を教えてもええ頃だって話してただよ」

「まあ、完璧にコツを掴まれたのは予想外だったけどニャ」

「後は実戦で超感覚をどれだけ持続できるかだな?」

「それもだけど、連携の訓練もしないとね」

「どうやら、やっとスタートに立ったって感じだね。ここからが本番か…」


 1年か…長かったな。ようやく『赤ん坊』から卒業できた。

 さあ、ここから『俺たち』の『本当の冒険』が始まるんだ。

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