プロローグ・新たなる仲間
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「ハアアッ!!」
「ギャヒィッ!」
「おしっ。倒したな」
「まあ、この位はね」
木崎湖のモンスターフィールドの森林エリアでオークを倒し、エリナが喜ぶのを謙遜で返す光太だった。
「ねえ、光ちゃん。オーク肉って美味しいの?」
「うん?ああ…どこの部位を食べても高級イベリコ豚を超える美味さだよ」
「食べたことあるの?イベリコ豚」
「いや…冒険者ギルドの食材集に書かれていたんだよ」
「な~んだ。タダの受け売りか」
「まあ…そう言われればそうだけどさ…」
「でも、美味しいのは確かみたいだし楽しみだよ」
「愛は相変わらずだな」
「世界中の美味しいものを食べる!小さい夢じゃない」
「十分大きいわ!」
光太は呆れたようにため息を1つ吐く。オークを解体してアイテムボックスに仕舞い2人の女性を見る。
彼女…『宮薙愛』は光太の同級生だ。と言っても、同じクラスで多少は喋っていたクラスメイトの1人と言うだけである。その彼女が光太と行動を共にしているのは、『仲間』になったからである。黒髪ロングで黙っていれば大和撫子に見える美少女。168センチの身長に着やせするタイプらしく実はスタイルも良い。だが口を開けば勝気でサッパリした性格であることがすぐにバレて男子よりも女子にモテるタイプである。ジョブは『狩人』でレベルは5である。固有スキルはアイテムボックス以外に『経験贈与スキル』の1つしか持っていない。
メディアに取り上げられてから1年が経とうとしていた。
初めこそ4人と1匹合同でメディアに取り上げられていたが、半年もしないうちにカリスマ性のあるゼノとフィリィとガル(ガルはフィリィとワンセットと言う扱い)がどんどん取り上げられ、凡人である光太とメンバーとしては付属にすぎないエリナはどんどんメディアから遠ざかっていくことになった。それでもたまに全員で呼ばれるときには出向く感じである。ゼノとフィリィたちがメディアに引っ張りダコになり、それを機に光太は冒険者稼業に戻ったのだが、そのままではエリナと2人きりでの活動という効率の悪さに繋がってしまう。そこでゼノたちにも相談して仲間を光太の任意で仲間にしてもかまわないと言うことになったのだ。もちろん、2人には報告はしているが…。
現在、光太は5人の仲間と行動を共にしていた。
「光たんは動きに無駄がなくなってきたべ」
体長120センチの小柄な体に似合わない大金づちを背負った少女、ドワーフ族の『ピピマ』である。髭は無いがずんぐりむっくり体形なのにやたら可愛いつぶらな瞳の女性だ。しかもメンバーの中で1番の女子力の持ち主でもある。
中級職の『鍛冶士』のジョブで、固有スキルに『付与スキル』と『軽量化スキル』持ちである。
「ですが…もう少し盾を上手く使えた方が良いですね」
大型の盾を持った中級職である『盾使い』である赤髪のポニテの女性。名前を『アテリア』。身長は172センチと長身で背が高いのを気にしている。ハイエルフである彼女は気品ある風格と言葉を使い、『聖騎士』を目指している。美貌の持ち主だが貧乳である。固有スキルは『強度スキル』と『古代魔術スキル』持ちである。
「クンクン…獲物の臭いニャ」
山猫獣人である彼女は名前を『シャシャリー・クリアレント』と言い、常にやや猫背の態勢をしている。身長は156センチの小柄で身軽な『狩猟士』と言う中級職である。双短剣使いで、黄色のウェーブのかかった髪型に長猫耳を持った天真爛漫な女性である。固有スキルは『双武器持ちスキル』と『獣化スキル』持ちである。
「どんどん狩っていくわよ!」
「今日の目標は30匹は狩るよー。光ちゃんが」
「俺かよ!」
エリナと息が合う愛がバンバンと光太の背中を叩きながら言う。光太は突っ込みながらも心なしか嫌そうではなかった。
「これも修行よ。…と言うか、上級職もちなのにどうしてワタクシたちよりも弱いのかしら?」
「動きがぎこちないニャ。もっと自然に動くニャ」
「武器の整備は任せるべ。どんどん行くだよ」
容赦ない3人の言葉に苦笑いしか出ない光太。
この3人は元々エリナの友達で、それぞれがソロプレイをしているいわゆる『変態』の部類の冒険者である。実力はあるのに群れたがらない孤高タイプなのだが、光太の仲間を集めよう発言を聞いたエリナがメールで呼びかけて集まったのである。愛に限っては冒険者ギルドでたまたま偶然に出会い誘ったのである。この5人…何故か馬が合い意気投合したのだ。光太をイジるのも好きで、だからこそ仲間になれたと言うところもある。
「普通に見たら羨ましがられるんだろうなー…」
「何言ってるのよ。選り取り見取りじゃない。贅沢者ね光太は」
「贅沢者か…。普通ならそうなんだろうなー…」
5人を見回す光太。確かに5人5用に美女と言って良いだろう。だがいずれも『黙っていれば…』と言う言葉が頭に付くが…。5人に共通するのが良くも悪くも思ったことを口にすると言うことだ。しかも、分かっていて光太の心を抉ることもしばしば…それでも上手く関係を保っているのは5人とも光太自身を気に入っているからだろう。
光太としても、経験豊かなエリナたちの助言は感謝しているし、元クラスメイトがいることは精神的な安定につながっていた。それ以上にイジられてもいるが…。
結局、この日はモンスター狩りでノルマを達成するまでイジられ続ける光太だった。




