ステータス確認と祝福スキル
よければ、ブックマークと評価をお願いします。
今後とも、応援よろしくお願いします。
精進して執筆します。
「ふぅ…。やっと一息吐ける」
「それにしても…濃い1日だったな」
「疲れたのじゃ。お風呂に入ってゆっくりしたいのう」
「まあ、今日くらいは良いだろう。明日には今後のことを話し会わなければならないしな」
「そうだね。お風呂の用意してくるよ」
あの後の職員との会話は思い出したくもなかった。
と言うのが、正直な感想だ。
今後訪れるであろう3人の過酷な運命。
人によっては羨ましいことなのかもしれないが、今回のような『棚ぼた』ではどうにも素直に喜べないと言うのもあって、余計に憂鬱になる3人だった。
◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆
「メディアに…ですか?」
「これから、色んな所で取り上げられるだろうねぇ…」
「……」
今回起きた『冒険者の不始末』を払拭するための『生贄』として、ルーキーブレードを使うと言う。
冒険者のイメージUPと話題性を考慮したと言うことだが、要は『ルーキーのパーティが起こした奇跡』として国や県で大々的にアピールすると言う。そして、冒険者ギルド(協会)としては、イメージキャラとしても売り込むと言うこととなった。
最低でも3ヶ月は本業は行えないとのこと。
まあ、給与面では冒険者が平均的に稼ぐよりもかなり多い額は貰えると言う。
だが、そこは光太たちとしては意味のない物であった。
お金は正直余るほどある。どちらかと言えば本業である冒険者を続けたいと言うのが本音だ。
しかも、冒険者のイメージキャラとして使われると言うことは『有名人』扱いと言うことになる。
そう言う目立ち方は3人としては不満であった。
「あの…ちゃんと本業に戻れますよね?」
「しばらくは無理でしょうが、本業も疎かにはできないでしょう。あくまで『冒険者』の『代表』と言う扱いになりますからね。実力が伴わないと…となるでしょうから…」
「そこにもイメージはついてくるんですね」
「最低でも1年はなんだかんだとメディア向けの仕事はあるでしょうから我慢していただくしか…」
「なんか、本業も『業務化』しそうだな」
「自分自身のためでなく、メディア向けのレベルUPか…なんか辛いのう」
「そこはまだ我慢できるけど…カメラとか写真とか…ムリだよなぁ」
別に芸能人になりたいわけでもないのに、そういう仕事をすることになるというのは苦痛でしかない。
だが…光太の家族は喜ぶだろう。それは、ゼノやフィリィの種族も同じかもしれない。
言ってみればこれは種族にとって名誉なことだからだ。
「まあ、色々と調整などもありますし本格的にメディアで取り上げられるのは1ヶ月後となるでしょう」
「何か…処刑までのカウントダウンって感じですね」
「実際には真逆ですがね」
「あー…そうですよね」
兎に角、あと1ヶ月で自由はなくなる。
それまでに、やるべきことはやらないといけない…。
あー…憂鬱だ。
◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇
「とりあえず明日は、ステータスを確認してこれからの方針を決めよう」
「武器や防具も直さないとな…」
「妾は、そのうち呼ばれるじゃろうなぁ」
「呼ばれる?家に?」
「まあ、家と言うより族長の娘としてじゃがな」
「それは僕も同じさ。宴があるだろうねぇ…」
「…それって、君たち個人だけだよね?」
「え?…あー3人で呼ばれるかもしれんのう」
「その可能性を失念していたよ。僕の方も3人で呼ばれるかもしれないな」
「…やっぱり」
今回の件は3人で得た栄誉だ。
ならば、それを祝うのであれば3人が揃わねばならないだろう。
「何か…1ヶ月なんてあっという間に過ぎそうだね」
「じゃろうのう…」
「確かにな」
ハアァ…と深い溜息を吐く3人であった。
…今日はもう寝よう。
◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇
…寝すぎた。
起きると午前11時だった。
ゼノとフィリィも今起きたところだ。
どうせもうすぐお昼なので、軽く汗を流しに行く。
結果から言うと、軽く…のはずが10キロをランニングしていた。
いや…自分たちにしてはかなり軽くだった。
身体がとにかく軽い。しかも、体感が緩やかなのにいつの間にか100メートルを走りきるほどに。
計ってみると、8秒フラットだった。なにこれ…?
ゼノは9秒。フィリィに至っては5秒だった。しかも、俺たち3人とも全力は出していない。
「これが、レベル10の領域なのか?」
「それにしては、何か変じゃのう…」
「確かに、単なるレベルの違いとは違うような…」
「ステータスを確認しよう」
「まあ、ここで予想してても仕方ないし…昼食を取ったら確認しよう」
「それが良いじゃろう」
話をいったん終え、家に戻って昼食を取る。
ジャイアントオーガの肉を焼き肉のタレでいただく。
ジューシーで軟らかく、噛む歯ごたえを感じる前に溶けてしまうほどだ。
ガルも美味そうに食べている。
正直、ジャイアントオーガの肉は霜降りでも無いただの赤身肉のはずなのに、今まで食べたどの肉よりも旨味を感じる。脂身の様なしつこさはまるでないのにネットリとした舌触りがここと良い。
タダの市販の焼き肉のタレなのに、高級焼き肉店の肉を凌駕する美味しさ。食べ過ぎに注意だな。
しかし、今まで食べたどの肉より美味しいのに、前の様な感覚にならないのはどういうわけだろう?
普通に食事を楽しめているしな。
昼食を終えて、リビングでくつろぎながらステータス確認をする。
そこには、とんでもない内容が書かれていた。
◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇
氏名:『風見光太』
年齢:『18歳』
ジョブ(取得職業):『戦士』
LVレベル:10
HP(生命力数値):(158/158)
MP(魔法力数値):(87/87)
SP(技能力数値):(112/112)
AKT(攻撃力):89
DEF(防御力):103
AGI(素早さ):74
MAT(魔法攻撃力):55
MDF(魔法防御力):68
技能スキル:『初級剣技』『初級槍技』、『初級斧技』
魔法スキル:『―――』
固有スキル:『アイテムボックス』『スカウトスキルLV.5』『解体スキルLV.10』『調合スキルLV.5』
祝福スキル:『超感覚:S』 『肉体強化:A』 『超回復:A』 『剣神:S』
氏名:『ゼノ』
年齢:『67歳』
ジョブ(取得職業):『魔法使い』
LVレベル:10
HP(生命力数値):(102/102)
MP(魔法力数値):(243/243
SP(技能力数値):(64/64)
AKT(攻撃力):53
DEF(防御力):67
AGI(素早さ):91
MAT(魔法攻撃力):127
MDF(魔法防御力):103
技能スキル:『―――』
魔法スキル:『初級火炎魔法』『初級水泡魔法』『初級風撃魔法』『初級地形魔法』
固有スキル:『アイテムボックス』『天雷魔法スキルLV.5』『魔法力増強スキルLV.7』
祝福スキル:『超感覚:S』 『肉体強化:A』 『超回復:A』 『魔法超強化:S』
氏名:『フィリィ・ノエル』
年齢:『17歳』
ジョブ(取得職業):『無手』
LVレベル:10
HP(生命力数値):(155/155)
MP(魔法力数値):(69/69)
SP(技能力数値):(124/124)
AKT(攻撃力):101
DEF(防御力):90
AGI(素早さ):103
MAT(魔法攻撃力):53
MDF(魔法防御力):49
技能スキル:『初級体術』『初級武術』
魔法スキル:『―――』
固有スキル:『アイテムボックス』『獣化スキルLV.7』『意思疎通スキルLV.8』
祝福スキル:『超感覚:S』 『肉体強化:A』 『超回復:A』 『獣拳:S』
◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇
「祝福スキル…?」
「何々…『神のクエストをクリアした者に与えられるスキル』で、『同じスキルを持つ者以外には見ることができない』と説明書きされているな…」
「神のクエスト?受けた覚えはないのう」
「もしかして、『ジャイアントオーガの討伐』がそうだったんじゃないかな?」
「それしかないだろうな。しかも、どのスキルも本当に神級だ」
「身体の違和感は単なるレベルUPによるモノじゃなかったわけじゃな」
「とりあえず、スキルの説明を見ておくか…」
スキルに合わせてクリックするようにする。
説明にはこう書かれていた。
『超感覚:S』…五感が研ぎ澄まされ、第六感も身に付けた。全てがゆっくりに感じる。
『肉体強化:A』…肉体を超人の域にまで高める。超感覚に耐えられる。
『超回復:A』…等間隔に常に肉体を回復する。傷や骨折、肉体異常や精神異常を瞬時に回復させる。
『剣神:S』…剣系の武器を装備してると攻撃力が5倍になり、剣技を使うと10倍に跳ね上がる。SP消費量は変わらない。
『魔法超強化:S』…全ての魔法が10倍の威力になる。MP消費量は変わらない。
『獣拳:S』…獣人が肉体で戦う時攻撃力が5倍になる。格闘系の技をを使うと10倍の威力になる。SP消費量は変わらない。
「最強じゃないか?このスキルたち…」
「慣れるのにどの位かかるんじゃろうのう…」
「1ヶ月じゃ無理なのは確かだね…」
最強と言うより、チートだよなぁ。
ただ言えるのは、『神』って本当にいたんだね…ってこと。
ただでさえレベル10になって戸惑っているのに、神から与えられたスキルってどうなるんだろうね?俺たち…。
今はただ、笑うしかなかった。




