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地球異世界で冒険をしよう!  作者: AZ
第1章 『フィールドデビュー編』
16/33

冒険者カード

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 光太(こうた)のモンスター肉がブランド化することが決まった日。

 貯まったモンスター肉を買い取ってもらうことにした。

 1週間分のモンスター肉の総数は100体を超えていた。

 もちろん、食べた以外で…だ。


「また、えらい貯め込んだわねぇ」

「すいません。1週間分ありますので…」

「じゃあ、種類ごとに出してくれる?鑑定するから」

「お願いします」


 しばらくの時間、モンスター肉を出しては鑑定をするという一連の流れが続く。

 100体分以上と言うこともあって、鑑定にかかった時間は1時間ほど経っていた。


「グラスバードが60羽、ローンフォックスが46匹、エルガーシュヴァインが21体で…総額で1億3300万円になるわね」

「い…1億超えた……」

「そう言えば君たち『冒険者カード』はあるの?」

「いえ…持っていませんが…」

「僕も持ってないな…」

(わらわ)も持っておらんな」

「じゃあ、いあすぐ銀行で作ってきなさい。冒険者カードの発行は銀行でしか扱ってないから」

「あの…どういうことでしょうか?」

「…どうやら知らないみたいね。まあ、銀行の通帳があればそれだけでも事足りるんだけど、でもカードを作っておいた方が、君たちには都合が良いと思のよね」

「えーと…」

「つまりね、君たちの今のやり方なら『冒険者カード』を作っておいた方が、これからの活動にプラスになるってことよ。詳しいことは銀行の窓口で尋ねてみなさい」

「は、はぁ…」


 言われるがままに銀行へと向かう。

 お金の支払いはカードを作り次第と言うことになった。


「長友銀行大町支店へようこそ。どのような御用でしょうか?」

「えっと、あの…冒険カードを作りたいんですが…説明を聞いてもよろしいですか?」

「分かりました。まず冒険者カードは『冒険者のみが作れるカード』です。冒険者かどうかはこの水晶に手を置いていただくと分かるようになっております。カードの利用目的は様々ありますが、1番の理由は金額の多さとセキュリティの安全が主となっております」

「つまり高い金額報酬を得た場合の支払いに使えるってことですか?」

「そうなります。それなりの冒険者となりますと1回の支払いで億単位と言うことが多くなります。しかし、現金受け取りなどは双方にとってもデメリットとなりますので、カードを提示するとその場での支払いが簡単になるわけです。またこの冒険者カードは、魔術付与(エンチャント)によって本人以外には使えず、紛失しても手元に戻ってくるようになっておりますのでご安心していただけると思います」

「それは、作らない理由がありませんね」

「まだあります。冒険者カードには幾つかの特典があります。1つ目が『カードランク』です。預けた金額によってカードのランクが上がり、それによってより特典が増えます。まずは10億円になるようにしていただけると、次の『シルバーランク』のカードになるわけです」

「最初は何ランクなんですか?」

「最初はアイアンランクとなります。続けてよろしいでしょうか?」

「あ…はい。お願いします」

「2つ目の特典は、カードでの支払いで冒険者割引として1割引きしてもらえます。これもカードランクを上げると割引額が増えます。3つ目は、カードには個人の冒険者LVの表示やパーティランクの表示もできるようになりますので、身分証としてのお使いいただけます。以上がアイアンランクのカードでの特典となります」

「カードは個人ごとに持っていたほうが良いんでしょうか?」

「カードの明記にパーティ名と個人名の両方を入れることで共通カードととすることも可能となり、また個人での支払いでのプライバシーも守らます」

「どうする?」

「共通カードで良いだろう。パーティとしての意識と個人のプライバシーの両方を満たしてくれているしな」

「そうじゃのう。個人的買い物は自分のカードで支払いたいが、報酬は全員の財産と言う意識でありたいのじゃ。(わらわ)も共通カードで良いのじゃ」

「じゃあ、共通カードでお願いします」

「ありがとうございます。では、まずは水晶に手を置乗せください…」


 こうして、冒険者カードの手続きが始まり20分ほどでカードが発行された。

 俺たちはカードを手に意気揚々とカガミ精肉店に向かたのだった。


「カード作ってきました」

「じゃあ、さっそく支払いの方するわね」


 そう言うと、瑠衣子(るいこ)さんはカードを受け取り、店の奥に入っていく。

 5分もすると戻ってきてカードを返してくれた。


「金額はキャッシュディスペンサーで確認してね。はい、これ明細書よ」

「これが、明細書ですか…」


 初めて貰った明細書には、金額が1億3300万円の文字が…。

 これはぜひ額縁を買って飾っておこうと思う。


「また、よろしくお願いします」

「それでこれからどうする?」

「何を言っておるのじゃ、もちろん狩りに行くぞ…」

「そうだね。そろそろレベルも上がっていいと思うし、ここで休むのは勿体無いよな」

「じゃあ、そろそろ次のエリアを試すのも良いんじゃないか?」

「え?大丈夫でしょうか…」


 瑠衣子(るいこ)の一言に俺たちは驚きの声を上げる。

 確かに草原エリアは狩り尽したと言える。

 だが、未だレベルは上がっていないので次のエリアはレベル2になってからと思っていた。

 そこで、この発言だ。驚くのも無理はないだろう。


「あくまでも試しに入って肌で感じてみるってことね。モンスターも1体で試すって感じでやってみたらどう?」

「どうする?」

(わらわ)は今の自分の実力を試してみたいのじゃ」

そうだね。今の僕らでどれだけ戦えるか…試してみたい」

「じゃあ、行ってみようか…次のエリアへ」


 カガミ精肉店を後にし、光太(こうた)たちはいつものモンスターフィールドに向かう。

 


◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇



「…順調にここまで来たね」

「次のエリアは、『岩場エリア』か…」

「本当にいきなり変わるんじゃな。草も生えない地面に岩ばかりとはのう…」


 目の前に広がる乾いた大地に岩ばかりが見える。

 道と言う道も無いのは草原エリアと同じだが、岩場エリアは今まで以上に難解な場所であることは分かる。

 それでも、今余裕があるのは草原エリアの向こうに家々が見えるからだ。

 だが、中に入っていくにつれて道が無いと言うのは問題になる。


「目印や地図作成が必須になるな…」

「そうだね。でも、できればそういうのが得意な人を仲間にしたいよね」

「そうそう、都合よく現れんじゃろう。頭が必要なことはゼノに任せるかのう」

「まあ、頑張らせてもらうよ」


 ゼノは、やれやれ…と言った感じにそう言った。


「岩場と言うのは、どこもこんな寂れた感じだから地図作りも難しそうだな」

「こういうところって防御力がやたら高いモンスターが多そうなイメージがあるよね」

「よく分からないがそうなのか…?」

「それはゲームの話しじゃろう…?それよりも、入るのじゃ」

「ハハハ…そ、そうだね」

「では、入ろう…」


 ついに、光太(こうた)たちは第2エリアとなる『岩場エリア』へと足を踏み入れた。

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