人から人へ
駅のホームで1人、寒さから身を守るようにうずくまる。身なりは整っている。どうやら女性のようだ。
そこに通りがかる男女数名。その中の誰かが彼女に気づいて声をもらす。
彼女は乱れた髪を揺らし、顔を上げた。目の前に自分をあざ笑う男女数名。彼女は綺麗に笑い返した。
人間は伝達に言葉を必要とする。思っているだけでは伝わらない。
努力していくという言葉に意思は伴わない。言葉なんかいくらでも出てくるんだ。
感謝しているなら、ただそれを口にするのではなく、体現しなければ意味はない。
行動しても相手に自分の本当の気持ちが届くことは稀だ。
それなら、相手(不特定多数)は私の何を知る?一体何がわかる?所詮、人間が知れる限界は自分止まりじゃないか。
それでも伝えたくて話す。相手がその半分も理解出来なくていても。
時には不安で。
愛に飢え、彼氏の包容力にしがみつき。傲慢に彼女の額にキスをして。
結果、残るものが何なのかを確かめたい。
そうして生きて、今があって、これからがある(たぶん)。
やがて気づく自分の気持ちに不満があっても素直に受けとめ、私の震える肩を自らの両手で優しく支える。
それを見る他人にキツい言葉を投げかけられたとき、こんなものか、とケラケラ笑った。
有難う御座いました。