異世界ペットギルド~婚約者が義妹が病気で誕生日会を欠席された令嬢がシベリアンハスキーと出会った話
「お前は追放だ!」
「少しも役に立たないな!」
「何でいつも舌を出して走り回っているの!少しも番犬にならないわ」
「キャイン?」
僕はシベリアンハスキーのライナー、とてもお利口さんなのです。
追放と言われたので家を出たのです。
ペットギルドに帰るのです。ペットギルドとはペットとご主人様との出会いの場を演出する素敵な場所なのです。
あ、蝶蝶なのです。追いかけるのです。
追いかけていたら。
「キャン!キャン!キャン!」
生け垣に頭がはまったのです。
「クゥ~ン!」
鳴いていたらとても綺麗な方が助けてくれたのです。
「まあ、ワンちゃん。今助けてあげるわ」
「お嬢様、危険です」
「大丈夫よ。狼に似ているけど優しい顔をしているわ。大丈夫だと思うわ」
引っ張って頭を外してくれたのです。
「ワン!ワン!ワン!」
お礼に彼女の周りを回ったのです。
「まあ、ワンちゃん。元気そうで何よりですわ。クス」
これはもうご主人様なのです。
なので後をつけたのです。
「あら、ワンちゃん・・・ご主人は?」
「お嬢様、騎士団に引き渡しましょう」
「ワン!ワン!ワン!」
「待って、マリ、この子首輪をつけているわ・・・何々?ペットギルド?住所がかいてあるわ。南の市場だわ」
「ペットギルド、聞いた事無いですわね・・・」
ペットギルドにつれて行かれたのです。
☆☆☆ペットギルド
「ハラショ、お嬢さん。この子はシベリアンハスキーです。この薄い青の毛色、綺麗でしょう」
「ええ・・・」
「ワン!」
「私は灰色の枢軸卿です。ロシアの妖精です」
「まあ、妖精さん?ロシアとは聞いた事のない国だわ」
「お嬢様!ただのやせた初老の男ですよ!妖精ではございません!」
いえね。ロシアから動物たちと異世界転移をしまして。イポーニヤのアニメですかね。
私は現世で役目がないのです。何故ならば、
「地獄は空っぽ。何故なら地上は悪魔だらけ。地獄が天国になったからさ」
シーンー!
「ゴホン、ライナーは貴方を気に入っています。どうぞ、ペットとして買取りを要求します」
「断ったら・・・」
「ゴホ!ゴホ!私も寿命が近いのです。ワンちゃんたち。餓死をするでしょう」
周りを見渡したら店内に毛の長い上品な猫と動物・・・熊がいる。
「ミャー」
「ガオン!」
「ヒィ!」
結局、ワンちゃんを引き取ってしまったわ。
「ワン!ワン!ワン!」
「はい、お散歩ね・・・」
「キャイン!キャイン!」
「もう、またはまって・・・」
とても世話のかかるワンちゃん。
あ、婚約者のジーニス様だわ。
「やあ、メリング、今日の誕生日会は・・」
「もちろん。準備していますわ」
「延期だ。義妹が病気になったのだ」
ガーン!と頭の中で銅鑼が鳴ったわ。
「今日は、私の誕生日ですわ・・・」
家門総出で準備したのに・・・
「ワン!ワン!ワン!」
「ライナーちゃん。グスン、慰めてくれるのね・・・ごちそうお食べ」
「ワン!ワオオオ~~~ン」
食べ終わったら走り回るわ。
すごい運動量、馬鹿ではない。言葉が分かっているように思える。
「こら、ライナー殿、洗濯物に頭を突っ込まないで下さい!」
「ワン!ワン!」
「ですから、お手伝いをしなくて良いです」
・・・お馬鹿なのかしらね。
「あ、灰色の枢軸卿さん」
「ハラショ、資本主義的アフターサービスです。何かお困りごとありませんか?」
「そうですね。少し元気がいっぱいで・・・」
「おや、お嬢様、他に悩みがございませんか?」
「ええ、実は・・・」
灰色の枢軸卿さんに婚約者が不実だと話したわ。
そしたら。
「いいでしょう。私が解決します」
灰色の枢軸卿さんにジーニス様の屋敷を教えたわ。
少しも安心出来ない。
☆☆☆
私は資本主義的解決法を提示する事にした。
「やあ、君がジーニス君か?」
「え、誰ですか?」
庭で義妹とやらと遊んでいる男がいた。多分、こいつだ。
病気ではないな。
「義母の連れ子で戸籍に入っています・・・立派な貴族令嬢ですよ」
「ほお、それならセックス出来るではないか?」
「ヒィ!」
「何だ。こいつ」
ほお、義妹を背に隠して守るか。なかなかだ。
うむ。見たところ、この世界の住人は背が低い。肌も荒れがちだ。栄養状態は悪いのだろう。
なら、ロシアのイケメンならイチコロであろう。ハニートラップはスパイのアーべーヴェーである。
「召喚!身長180センチ、金髪イケメン白人ロシア男性!」
ポワ~とでた。召喚はイェポーニェツの専売特許ではない。
「あの、ここはどこですか?僕はイワンです」
「キャアアー、イケメン!」
「メ、メルル!」
「ふむ。イワン君、この家でお世話になりたまえ。ここなら平和だぞ」
「はい!」
「おい、勝手に決めるな!」
ヤポンスキー表現だと、メルルの瞳に♡マークになっている。
「これで解決である!」
良いことした。帰ってウォッカでも飲むか。
☆☆☆ジーニス視点
あれから、謎の男に義妹は夢中だ。
そうだ。私には婚約者がいたではないか?
屋敷まで行った。
「メリング、お茶会をしよう」
「キャア、ライナーたら、今度は屋根の上にいるわ。どうやって昇ったのかしら」
「キャイン!キャイン!」
「メリング・・・」
「あら、ジニーアス様、何かようですか?」
「お茶会を・・・」
「延期でお願いします。ライナーちゃんのお散歩二時間しますのよ」
「それよりもお茶会・・・」
「そうね。婚約者はライナーちゃんに合わせられる方が良いかしら」
「ヒィ!」
義妹が病気問題は崖っぷちであった。婚約破棄は更にその先を行く。
異世界ペットギルドは顧客のアフターケアも忘れない。
最後までお読み頂き有難うございました。




