第1話 梯子
「今晩一晩は我慢しなさい。
そうすれば、この次はこらえるのが楽になる。
そして、その次はもっと楽になる。」
- シェイクスピア『ハムレット』第3幕・第4場より
「…さむい……」
1人。
12歳の少年にとって、それは何ら珍しいことでもなかった。
…しかし、それがこのような吹雪の夜なのは不幸だった。
『頭を冷やしていろ』
そう言い放つ、ひどく酔った養父の声が耳にこびりつく。
雪の結晶が、少年の肌を刺すように打ち付ける。
ぐぅ。
間抜けな音がした。
少年は空腹だった。
生ゴミが多く出されている裏路地。
そこに行けば、腐ったパンの耳くらいはあるだろう。
そこに行かなければ。
足の感覚は、とうに消えている。
それでも、少年は歩みを進める。
ぽふっ。
一瞬、何が起こったか理解できなかった。
冷たい。
それで、少年は気づいた。
自分は倒れてしまったのだと。
意識が遠のく。
「ぃ、や…っ…しぬのは…やだ…っ……!」
少年の目に涙が溜まる。
誰かに、抱きしめてほしかった。
誰かに、認めてほしかった。
誰かに、頭を撫でてほしかった。
あの子と、もっと一緒にいたかった。
その願いは、叶わなかった。
――もしも、"もう1度"があるなら。
――今度は、お腹いっぱい食べて、誰かに愛されてみたい。
そう最後に思い、少年は目を閉じた。
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「…あれ……?」
次に目を覚ますと、そこは暖かい平原だった。
少年は起き上がって周りを見渡す。
そして、体がやけに軽いことに気づく。
すると、1つの人影が立っていることに気づく。
その人影は手招きをしている。
なぜか、少年はそれに応えてみようと思った。
近づくにつれ、その人影が1人の女性であることに気づく。
「はじめまして」
聞いたことがないのに、なぜか懐かしい女性の声。
「…もう、大丈夫。――ユカくん」
少年は、ようやく思い出した。
母親が生きていた頃。
まだ、家が暖かい場所だったあの日。
母親は、少年を「由夏」と呼んでいた。
私です。
次世代型初代菅原道真です。
初投稿です。
何で書いたかは私にもわかりません。
知っているわけがないでしょう。
だって性癖を詰めただけなんだから。




