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幕末ブループリント  作者: ブイゼル
第6章(世界大戦)
64/65

64(平和)

1899年、冬。


帝都・江戸は、勝利の熱狂と、新たな時代の始まりを告げる静かな緊張感に包まれていた。

総攬府の執務室。

壁に掲げられた巨大な世界地図を前に、ミネルヴァと最後の調整を行う。


「…ミネルヴァ。各国の国力、国民感情、そして指導者の性格を分析した上で、最も反発が少なく、かつ我々の利益を最大化できる講和条約の『最適解』は、これで間違いないな?」


「はい、ジン様。この案であれば、敗戦国も国家の完全な消滅は免れるため、絶望による無謀な抵抗を続けるよりは、講和を受け入れる可能性が非常に高いです。また、中央同盟の仲間たちも、得られる実利の大きさから、日本の主導権を認めつつも条約に署名するでしょう」


「結構だ。では、閣僚たちを呼んでくれ。最終確認を行う」


程なくして、大会議室には帝国の重鎮たちが顔を揃えた。

彼らもまた、この歴史的な会議を前に、高揚と緊張を隠せないでいる。

俺は、彼らを前に最終的な方針を告げた。


「これから始まるのは、新しい世界の『形』を決める会議だ。我々の目的は、単なる勝利ではない。未来永劫に続く、新たな秩序の創造にある。各々、抜かりなく頼む」


§


数日後、横須賀軍港。

冬の鉛色の空の下、敗戦国の代表団を乗せた船が、静かに入港してきた。

彼らを迎えたのは、湾を埋め尽くさんばかりに並び立つ、鋼鉄の巨艦群だった。

究極の戦艦『大和』『武蔵』、そして『白峰級』。

その静かなる示威行動は、これから始まる会議が対等な交渉の場ではないことを、世界に知らしめていた。


大英帝国首相ソールズベリー侯、フランス共和国大統領フェリックス・フォール、ロシア皇帝代理セルゲイ・ヴィッテ、そしてCSA(アメリカ連合国)特使ベンジャミン・ティルマン…。彼らは、日本の圧倒的な武力の前に、戦わずして既に敗北を喫していたことを、その肌で感じていた。


§


総攬府(江戸城)・大広間。

絢爛豪華な障壁画と、磨き上げられた檜の床が、荘厳で静謐な空気を醸し出している。

議長席には、俺が座る。

両脇には、ドイツ帝国宰相クロートヴィヒ・ツー・ホーエンローエ=シリングスフュルスト、オーストリア=ハンガリー帝国外相ゴウホフスキ、オスマン帝国大宰相ハリール・リファト・パシャ、そして独立を果たしたフィンランド大統領ストールベリが、勝者としての顔を揃えていた。


俺は、血の気を失った顔で席に着く敗戦国の代表たちを見渡し、静かに口火を切った。


「諸君、遠路ご苦労だった。この会議の目的は、ただ一つ。未来永劫にわたる、新たな世界の『秩序』を築くことにある」


まず、俺は大原則を提示した。


「今回の戦争は、双方にあまりに大きな犠牲と戦費を強いた。敗戦国だけにその負担を押し付ければ、世界経済そのものが立ち行かなくなるだろう。それでは、勝者にも真の平和は訪れない。故に、金銭による過剰な賠償請求は行わない。その代わり、明確な『領土の割譲』によって、全ての決着をつける」


その言葉に、ドイツ宰相ホーエンローエが、即座に異を唱えた。


「お待ちいただきたい、扶桑総攬。貴国がこの戦争で果たされた役割の大きさは、我々も重々承知しております。ですが、ヨーロッパ大陸で最も多くの血を流し、国家の全てを賭して戦ったのは、我々ドイツとオーストリア、そしてオスマン帝国です。賠償金なしでは、国民が納得いたしますまい。このままでは、我々の同盟に亀裂が入りかねませんぞ?」


オスマン帝国の大宰相も、深く頷く。

そのやり取りを見ていた敗戦国の代表たちの目に、僅かな希望の色が浮かんだ。

だが、その期待は、俺の次の一言で打ち砕かれる。


「無論、貴国らの功績と犠牲は、正当に報われなければならない。だからこそ、提案がある。賠償金は、CSA(アメリカ連合国)からのみ徴収する。その全ての権利を、ドイツ帝国、オーストリア=ハンガリー帝国、オスマン帝国に譲渡しよう。彼らがハワイで仕掛けた卑劣な奇襲の代償だ。これならば、貴国の国民も納得するのではないかな?金額においては次の提案を聞いてもらってから相談させて欲しい」


俺は立ち上がると、彼らの背後に掲げられた、旧世界の区分けがなされた巨大な世界地図の前へ進んだ。


「今回の戦争で得られる大陸領土の全ては、貴国らで分配していただきたい。我が日本は、大陸には一切の領土を求めない。我らが望むのは、海と、そこに浮かぶ島々だけだ」


その、あまりに破格の提案に、今度は中央同盟の代表たちが息を呑んだ。

ホーエンローエ宰相の目に、打算的な光が宿る。


「…よろしい。まずはそのご提案、詳しく聞かせていただこうか」


こうして、勝者たちの足並みは揃えられた。

俺は、再び敗戦国の代表たちに向き直ると、旧世界地図の上で、冷徹な宣告を開始した。


「まず、大英帝国。貴殿らはインド、オーストラリア、ニュージーランド、マレー、朝鮮・満州、アフリカ南部、南米ギアナをはじめとする、全ての海外領土を失う。カナダは独立。残るのは、ブリテン島とアライドのみだ」


ソールズベリー侯が、屈辱に唇を噛む。


「次に、ロシア。モスクワまでのヨーロッパ・ロシアの全てを失う。フィンランドは独立国として、その主権を認める」


「アメリカは、ロッキー山脈を境に東西に分割。アラスカは独立共和国とする。CSAは、この分割に加え、多額の賠償金を支払う」


「また、アメリカ、ロシアは我が国への攻撃能力の一切を無くすため、太平洋側の領海を全て日本の割譲するものとする」


CSA特使ティルマンが、「野蛮な猿どもめ…」と低い声で悪態をつくのが聞こえた。


「フランス、スペイン、ポルトガル。貴殿らもまた、海外植民地の全てと、本土の一部を割譲する」


「イタリアは、支払いに足る海外植民地も、多額の賠償金の支払いも困難と判断したため国家を解体。オーストリアとドイツに領土を割譲し、小国へと再編する」


「オランダ、ベルギーは植民地を無くした場合、復興が困難と判断したため、ドイツ領に編入する」


「ギリシャも同様に、この度の戦費の支払いに足る土地を持っていない為、オスマンへ編入とする」


一人一人に宣告を下し終えたところで、英国首相ソールズベリー侯が、絞り出すような声で懇願した。


「…扶桑総攬。貴殿の武力が世界を制したことは認めよう。だが、力だけでは世界は統治できん。我々が数百年かけて築き上げた、この世界の『秩序』…鉄道を敷き、電信を張り巡らせ、未開の地に法と教育を与えてきた『文明国の義務』を、貴殿は一夜にして破壊するおつもりか? アフリカやインドの広大な土地を、ただオスマンやドイツに切り分けるだけで、本当に平和が訪れると? 必ずや、新たな混乱と紛争が生まれるだけだ! 我々が残したインフラと統治機構を維持するためにも、インドの自治権と、アフリカにおける一定の権益は、英国に残されるべきである!」


「秩序、だと? あなた方の言う『秩序』とは、アヘンを売りつけ、奴隷を運び、逆らう者を銃で黙らせることだったか? あなた方の言う『文明』とは、自分たちの富のために、他国の文化を奪うことだったか? 我々は、あなた方の作った、偽りの秩序を破壊する。そして、真の秩序を、我々の手で新たに創る。インドの未来はインドの民が、アフリカの未来はアフリカの民が、我々の同盟国と共に決めることだ。そこに、もはやあなた方の席はない」


英国首相が膝から崩れ落ちる。


「…せめて、我が女王陛下と、ヨーロッパ各国の王室の存続だけは…お認め願いたい」


俺は、その言葉に静かに頷いた。


「よかろう。全ての国の王室の存続は認める。我々は、無用な混乱を望むものではない」


ドイツ帝国宰相ホーエンローエ、オーストリア外相ゴウホフスキ、オスマン帝国大宰相ハリール・リファト・パシャに目線を送るが、彼らも頷いてくれた。


そして、俺は側近に合図を送った。

古き地図が取り払われ、その下に現れたのは、全く新しい世界の姿だった。


赤、黒、緑、紫、そして青。五色に塗り分けられた、新しい世界地図。

それは、神の視点から、人類の歴史を再編したかのような、あまりに冷徹な設計図だった。


「これが、新しい世界の姿だ」


挿絵(By みてみん)


俺は、地図を指し示しながら、新しい秩序を宣言した。


「割譲された領土は、三つの文明圏によって再編される。第一に、ドイツ帝国とオーストリア=ハンガリー帝国を中心とする、キリスト教文明圏とその植民地」


地図上の黒と緑に塗られた部分が、それを指し示していた。

ドイツは、低地地方、フランス北部、ロシア西部、そしてアフリカ南部、インド、東アジア、南米と、広大な植民地を獲得し、名実ともにヨーロッパ大陸の覇者となる。

オーストリアもまた、イタリアとロシア方面とアフリカ中部に領土を広げ、中央ヨーロッパにおける影響力を確固たるものにする。


「第二に、オスマン帝国を中心とする、イスラム教文明圏」


地図上の、広大な紫色の部分を指す。

連合国が持っていた植民地のうち、イスラム教徒が暮らす地域は、全てオスマン帝国へと割譲される。

これにより、オスマン帝国は、イスラム世界の盟主としての絶対的な地位を、再びその手に取り戻す。


「そして、第三に。我が大日本帝国が主導する、多宗教・海洋文明圏だ」


地球の半分近くを覆う、広大な『赤』。

オーストラリア大陸、太平洋、インド洋、カリブ海、南大西洋の島々、そしてロシア極東とアメリカ西海岸の海。その全てが、日本の領土・領海となる。


オスマン帝国大宰相ハリール・リファト・パシャが、そこで口を挟んだ。


「総攬。日本が賠償金を求めないのは結構だが、我々も同じように領土を貰い、その上で賠償金も全て我々だけで分け合うのは流石に…」


ハリール・リファト・パシャの言葉に、隣に座っていたオーストリア=ハンガリー帝国の外相ゴウホフスキが、こわばった表情で続く。

彼の声には、勝利の昂揚よりも、戦後の現実に直面した者の疲労が色濃く滲んでいた。


「大宰相閣下のお言葉、ごもっともです。そして、扶桑総攬…率直に申し上げます。我々は、この戦争で得た広大な土地を、明日から統治せねばなりません。ですが、そのための資金が…正直に申せば、尽きかけているのです。戦時国債の償還もございますし、何より、貴国から供与された数々の新兵器の代金も、まだお支払いできておりません。このままでは、手に入れた領土の開発はおろか、維持さえも…」


その切実な訴えに、ドイツ宰相も深く頷く。

勝者でありながら、その懐事情は決して安泰ではなかったのだ。

敗戦国の代表たちは、そのやり取りを固唾を飲んで見つめている。

勝者たちの間に、亀裂が生まれるかもしれない、もしくは厳しい賠償請求が始まるのではないか...と。


「案ずるな」と俺は彼を制す。


「我が同盟国に、勝利の代償で苦しむことなどさせはしない。貴国らが我が国から購入した武器弾薬の代金、そして我が国が保有する貴国らの戦時国債。その全ての支払い開始を、10年間猶予しよう。まずは、手に入れた土地の統治と、国民の生活を安定させることに全力を注いでほしい。そうだな、貴国らに気を遣わせるのは忍びない。それではここを頂こうか」


俺の指が示したのは、地図の最下部、氷に閉ざされた白い大陸――南極だった。


その、あまりに寛大な提案に、今度は中央同盟の代表たちが息を呑んだ。10年の猶予。

それは、破綻寸前の彼らの財政にとって、まさに天からの恵みだった。

その対価が、不毛の大地だけで良いという。


だが、オスマン帝国の大宰相ハリール・リファト・パシャは、安堵の表情を浮かべるどころか、さらに真剣な面持ちで俺に食い下がった。

彼の声には、心からの尊敬と、それ故の強い義憤が込められていた。


「総攬、そのお心遣い、感謝に堪えません。ですが、だからこそ申し上げたい! この戦争は、貴国がいなければ、我々だけでは決して勝てませんでした。ヨーロッパの『瀕死の病人』と呼ばれた我が国を、イスラムの盟主として再び立ち上がらせてくれたのは、貴国なのです。それなのに、貴国が割譲された領土は我々より少なく、賠償金も取らず、ただ不毛の大地だけで良いなどと…それでは、我々の『義』が立ちませぬ! どうか、我々と同様に、正当な賠償金をお受け取りいただきたい!」


その叫びに、議場は静まり返る。

俺は、彼のまっすぐな瞳を見つめ、しばし沈黙した。

そして、ふっと口元に笑みを浮かべると、とんでもないことを口にした。


「…義理堅いのだな、大宰相は。そこまで言うのなら、分かった。では、賠償金の代わりに『月』を貰おうか」


「……は?」


議場にいる全員が、時が止まったかのように固まった。

ドイツ宰相は葉巻を口から落とし、ソールズベリー侯は自分の耳を疑うように首を傾げている。


俺は、呆然とする彼らを意にも介さず、続ける。


「我が国は、賠償金の代わりに、この、今はまだ誰のものでもない、価値なき大陸と衛星を頂こう。あぁ、勿論、月を見るのは皆さんの自由だ。だが、今後(あれ)に建物を建てたければ我々にお伺いをたてていただきたい」


オスマン帝国の大宰相は、この狂気と思える言葉に黙って頷くしかなかった。

月に行くことなど、出来るものなのか?

これは我々への心遣いと取るべきなんだろうか...?


各国代表が固まっているうちに、俺は続けた。


「新たに我が国の州となる地域において、旧宗主国の総督、軍司令官、政府高官は、速やかに本国へ送還する。これは、現地先住民の人権を回復し、彼らを真の帝国民として迎え入れるための絶対条件だ。ただし、それ以外の者については、帝国臣民として残るか、帰国するかの自由を認める。帰国者の財産は、帝国政府が正当な価格で買い取ろう」


議場は、完全な沈黙に支配されていた。

ドイツ宰相ホーエンローエも、オスマン大宰相ハリールも、自国が得た莫大な領土に満足しつつも、目の前の小柄な青年の底知れぬ器量と、日本の圧倒的な国力の前に、もはや異を唱えることはなかった。

彼らは、自らが新しい世界の重要な一角を担うという栄誉と、しかし、その世界の頂点には、この日本という国が立つという現実を、静かに受け入れたのだ。


会議が終わり、各国代表が席を立つ中、ドイツ宰相ホーエンローエは世界地図を見ながら心の中でつぶやく。

(…勝った。我々は、ヨーロッパの覇者となった。だが、本当にそうか? 我々は、あの東洋の怪物が描いた設計図の上で、踊らされただけではないのか…。手に入れた領土は広大だが、その全てが、日本の海洋権益…あの赤い海によって、間接的に支配されている。今はいい。だが50年後、100年後…我々の子孫は、再び、あの赤い帝国と対峙する時が来るのか…?)


CSAアメリカ代表のティルマンもまた、会場を後にしていたが、ドイツ宰相のような安堵や不安は一切無い。あるのは奥歯を砕かんばかりの屈辱だけだった。


(我々は負けたのではない! これは、神が我ら白人の信仰を試しておられるのだ! 野蛮な猿どもが、我らの庭を一時的に汚すことをお許しになったに過ぎん! 見ていろ、扶桑 仁! 我ら南部の民は、この屈辱を決して忘れん! 必ずや、我らが神の正義と、白人の優位性を、再びこの世界に取り戻してみせる!)


敗戦国の小国は更に悲惨な運命を背負った。


「…三百年の歴史が…ジャワも、香料諸島も、そして我々の国そのものも、地図から消えるのか…。ああ、神よ…」


殆ど発言を許されなかったオランダ代表は会議後に小声で呟いたが、それを聞いたものは居なかった。



§


数日後、この『江戸条約』に、全ての国が署名した。

ヨーロッパが世界を支配した数百年の歴史は、完全に終わりを告げたのだ。


会議の全てを終え、俺は一人、総攬府の天守から、眼下に広がる帝都・江戸の街並みを見下ろしていた。

夕日が、街を黄金色に染めている。

戦争は終わった。


(俺は、正しかったのだろうか)


ふと、そんならしくない感傷が、胸をよぎる。

傍らを歩くミネルヴァが、静かに、しかし確かな信頼を込めて、俺の心に応えた。


「ジン様が、正しいのです。なぜなら、あなたが、この世界の新しい『正義』そのものになったのですから」


「…そうだな」


俺は、眼下に広がる帝国の姿に、静かに頷いた。


「ミネルヴァ、覚えているか?俺たちが最初に目指した日本の在り方を」


「ええ、勿論。最強の海洋国家(シーパワー)を作ると仰っていましたね」


「そうだ。出来たぞ、史上これほどの海を支配した国は無い。俺たちは50年で世界の半分を手に入れた、どうだ?楽しかったか?」


「ふふっ、とても、とても楽しかったですわ…ですがジン様、一つお伺いしても?」


「なんだ?」


「講和会議での『月』と『南極』。あれは一体、どういうお考えで?」


俺は、夜空に浮かぶ、美しい満月を見上げた。


「ミネルヴァ。人類が、まだ誰一人として到達できていない場所が二つある。一つは、光の届かぬ深海。もう一つは、あの星々が輝く宇宙だ。南極は、その両方に最も近い場所だ。南極があれば『群島国家の領海権』で調査できる海がぐっと広がる。それに南極の中にはまだ見ぬ湖があるんだろう?そこに、俺たちの知らない新しいエネルギーが眠っているかもしれない。何より…浪漫があるだろう?」


俺の言葉に、ミネルヴァはくすりと笑うと、心からの信頼を込めて、俺の隣に寄り添った。


「ええ。実に、ジン様らしいお答えですわ」


「それは良かった。ところで講和会議で変な目で見られていたが、やはり見た目が悪いな」


「ジン様はとても見目麗しゅうございますが、政治の表舞台に出てから50年近くたっていますものね。流石にそろそろ厳しいかと」


「確かにな。最後に1つだけ仕事をする。それで引退だな。それまで頼むよ」


「畏まりました。私はいつだってジン様の味方です。それまでと言わずいつまでも...」


大いなるゲームは終わった。

そして、俺たちはその勝者となったのだ。



ーーーーー

日本領土と領海。地球面積の半分くらいありそうですね。

挿絵(By みてみん)

後1話だけ続きます。

明日更新です。

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