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人生における「攻略サイト」

カクヨム等に掲載していたものを所々加筆修正したものとなっております。なんなら、最後のほうはかなり加筆されていますが。それでも、普段感じることをそのまま書き殴ることを目指している僕としては良いのかなと思いますが。

 あなたは、ゲームをしますか。スマホでも、パソコンでも、または、コンシューマーゲーム機でも。僕は、ガチ勢ほどではないが、嗜む程度にやっている。傍から見たらのめり込み過ぎているかもしれないが。

 確かに一時は、のめり込み過ぎて、一日を棒に振った記憶もざらにある。ただ、別にゲームが人よりもうまいわけではない。ここでも僕は、「特別」な存在ではなかったようだ。

 けれども、ゲームが上手かろうが、下手であろうが、多くの人にとって関係ないだろう。人生や職業が決まるわけではないのだから。確かに、プロゲーマーという職業もあり、eスポーツも普及し始めている現代でゲームが上手いというのは1つのステータスになりつつあるのかもしれない。ただ、そこに僕は「価値」を見出すこともなかった。だから、ゲームが下手であろうが、そこでは卑屈にはならなかった。

 ゲームが上手くとも友達の中でもてはやされるだけ。小さな世界で評価されるだけ。別にそこの中では「特別」になれて自分の欲望が満たされるのだから。今思うと、もっとのめり込めば良かったのにと思うのだが。当時に僕はそうではなかったし、今現在もそうだ。

 「特別」になりたいという欲求があるというのに、今現在そうでないというのに、ゲームをうまくなろうと決断しなかったのは不思議なものだ。どこかゲームをやるということを低俗なことだと心の底で思っていたからかもしれない。なんとも自分勝手な人間だと思う。


 前書きが長くなってしまったが、あなたはゲームをするとき「攻略サイト」を見ますか。僕は、中々前に進めなくなってしまったり、見つけたいものが見つからなかったり、効率的に攻略したかったりしたときによく使う。少し罪悪感を感じながら使い始める。でも、一度使いだすと何も思わなくなる。苦労していたところを、自分で克服せず、他の人が試行錯誤して得た知識を何のも払わ対価ずに、用いて前に進むことであっても。ただただ、ストレスを感じないことに一種の快感のようなものを感じる。

 別に「攻略サイト」を使うことが悪だということ言いたいわけではない。自分だって使っているのだから。また、人のゲームのやり方にとやかく文句を言いたいわけではない。自分はそこまで崇高な人間ではないし、ましてやゲームのやり方ごときに口を突っ込んで面倒なことにはなりたくないだけである。ただ、ここでもゲームを何か自分の中で下に見ているようだ。自然と。ここでは、それには一旦触れないでおこう。

 僕自身「攻略サイト」を使うとき罪悪感を感じると前述したはずだ。なぜなら、ゲームを作成した側がゲームをする側のために用意した様々な仕掛けを、無視して他人が見つけた道筋に乗って淡々とクリアに向かっているからだ。別に僕はゲームを作ったことがない。だから、作成者が「攻略サイト」を使う人々のことをどう思っているか知らないのに、勝手に嫌悪してしまっている。不思議だろう。

 また、ゲームというのは娯楽のはずだ。少なくとも僕の中では。他の人の中では競争かもしれない。勝つことが全てかもしれない。まあ、それはやっているゲームの違いもあるだろうし、考え方の違いであるからどうこう思わない。

 ただ、娯楽だと思っている僕自身がゲームをやる際に、「攻略サイト」を使って十分にそのゲームを楽しめていないというのはいかがなものかと思うわけだ。楽しめばいいのに。その分からない謎を。乗り越えられそうにないアクションを。どれが効果的な選択肢なのかを。誰がどのように強くなっていくか分からない育成を。

 楽しめない。正確に言うと、スムーズに進まないと楽しめない。


 何故かはわからない。そもそも楽しみたいのかもわからない。

 ただ、思うのは止まっていることに焦りを感じるのだろう。だから、「攻略サイト」を見て前に進もうとするのだろう。自分にその力が十分に備わっていなかったとしても。

 

 ただ、その傾向がゲーム以外にも向いてき始めていると感じている。ゲームとは違い筋書きはない。ゴールも設定されていない。後戻りはできない。最初からスタートすることもできない。人生において。自分は止まっていると感じているのだろう。焦っているのだろう。人との差に。能力の成長のしなさに。努力をするということの面倒くささに。結果の出なさに。人生の「攻略サイト」を探し始めた。

 どうすれば成功できるのか。幸せになれるのか。汗水たらさず楽にして生きていくことはできないのか。

 そんな己の欲望を満たすため。人生の「攻略サイト」を探す。


 けれども、人生とゲームは違うのだろう。そんなことは当たり前のことではあるが。

 

 人生はある一定のレールは敷かれているが、選択肢は無限大で、選択後の結果も不確定。ゲームは筋書きがあり、選択肢は有限で、結果は確率もあるのだろうがある程度確定されている、もしくは予想可能であろう。

 人は異なる価値を持ち、異なるゴールを目指し、異なる成功と失敗の経験を積む。それによって得られる経験値も人それぞれ。ゲームはやる側の考えは異なるだろうが、メインとなる目指すものは同じで、操作する人によって経験するものは異なるが、キャラクターに入る経験値は同じであろう。

 頭の悪い僕でも、人生とゲームが異なるというのは深く考えなくてもわかっているはずだ。しかしながら、ゲームの時と同じ感覚で人生の「攻略サイト」を探そうとする。

 見つけた「攻略サイト」を見れば、それに従えば、すべてうまくいく。そんなことを心の底から思うわけではないが、そういう気分になってしまう。なんなら、気を付けなければ既にそうなっているのかもしれない。


 そうやって顔と実績だけしか知らない、他人が書いた「攻略サイト」に沿って行動し、すぐには結果が出ずに疑心暗鬼になり、また別の「攻略サイト」を手に取る。人の言うとおりにしたって、自分で考えて生きていたって、すぐに結果に出ることなどないということは分かり切っているのに。

 ただ、「攻略サイト」を出すのは世間一般でいう成功者だ。そんな人たちの物を見るものだから、自分との差に焦り、我慢ができない。

 そうやって、碌に自分自身で考えることもなく、世間がおだてあげる成功者の「攻略サイト」を手に僕は今日も生きていく。

 そりゃあ、自分が何者なのか分からなくなってくるだろう。


 

 数日前までの僕は、上記のように、人生における選択肢を考えるうえで「攻略サイト」なるものを使用することを批判していた。後になって読んでみると、人生におけるすべての事象において、思考停止でそれを使用し、結果が出なければそれのせいにすることが悪であるということを伝えたい文章だと感じた。これがその当時、伝えたかった文章の意図とイコールではないかもしれないが。

 この考え自身が変わったわけではない。しかし、この考えが揺らぐことが起きた。少なくとも僕にはそう感じた。

 1つ忠告しておきたいことがある。以下の事象の説明で、どこまで、固有名詞を使用していいのか分からないので、それを避ける形で書かせていただく。人によっては分かりづらくなってしまうかもしれないが申し訳ない。

 先日開催された、アメフトの最強を決める試合。そのハーフタイムに行われる音楽ショーに関することだ。それに出演したのが、2024年のHIP HOP界を席巻した、今間違いなくその業界のKINGと言われる男。ここまで書けば伝わるだろうか。

 元々彼の曲が好きで、楽しみにしていたわけだが。実際、楽しめた。ただ、彼の曲には、彼が生まれ育ったコンプトンという街、黒人文化、それに即したスラング。そして今までHIP HOPが約50年間紡いできた伝統に敬意とそれを守るという信念が込められている。そこに彼自身が感じることをラップするわけだ。純日本人で、生まれてきてから日本で過ごしてきた平和ボケの僕には理解できない街、コンプトン。それに加え、ただでさえ英語が分からないのに、スラングとキリスト教関連もふんだんに含まれる詩的な歌詞。そこに惹かれたわけでもあるが、それを自分自身では100%楽しめない。だから、和訳動画や解説動画といったある種の「攻略サイト」なるものに頼っているわけだが。

 そんなこんなで、彼の曲をできるだけ理解しようと努力してきた。しかし、彼のライブパフォーマンスを画面を通してとはいえ、リアルタイムで見るということは今までなかった。

 そのためだろうか。彼のハーフタイムショーが素晴らしいと直感では分かるのだが、彼が伝えたいメッセージ性の部分を理解することができなかった。音楽的な面でも、演出的な面でも。だから、必死になって「攻略サイト」なるものを探したよ。なんなら今でも探し中だ。


 そんな、長々と最近の事情を書いたわけだが、加筆として伝えたいのは次のことだ。知見を深めるために、簡単には理解できないことのために「攻略サイト」なるものを使うのは良いのではないか。むしろ、人生をよくするのではないか。

 書いていて、都合のいいときだけ称賛する痛い奴のようになってしまっているが、元からそうなので関係ない。

 ただ、数日前に書いた文章の反省点として言えることは確かにある。「攻略サイト」ということがあまりにも広義すぎたことだ。それはゲームに対しても、人生に対しても。そこを明確にすべきだった。


 時には優柔不断に生きることも精神的にはいいのかもしれない。そう言い訳をしながら、今日も生き続ける。

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