第73話
お待たせしました
リアルが忙し過ぎて全然書けなかった……
ペースを上げていけるように頑張ります
決してブルアカ、MDばっかりしてて忘れてた訳じゃないです
「あー……疲れた。やっぱり学校は面倒だね」
「メキュ?」
学校初日。午前で終わったから今日は攻略を進められそう……色彩の迷宮の素材は有用な素材が多いからしっかり集めないと。
「とりあえず地下2階への階段は見つけてはあるんだよね……」
最短距離なら30分くらい、戦闘時間は抜きでね。新しい階層だし新しいモンスターが増えてるだろうなぁ……面倒な状態異常を持ってね。
(石化はいるらしいし……そういえばクイラさんはどうしてるんだろう?)
まだイスティリアにいるのかな?爆発させて牢屋に送られてないと良いけど……多分送られてるだろうな。あの人が人から言われて実験をしなくなるなんて、青空から槍が降ってくるくらいのことだね。
「今回は素材集めの効率を上げたいからメロン連れて行こ」
攻撃役のレモンとアセロラがスライムヒューマになったしね。1階層程度ならメロンを連れて行っても捌けるはず……
「今の私のlvが65……70まであと少し」
70になったら土と風の子を仲間にする。金属属性の子は単体でlv上げする予定……連れ歩ける枠の半分消費しての育成する度胸は無い。
「ルベリーもそろそろスライムヒューマになりそう……ちゃんと戦えるようになってからlv上げが本当にスムーズだね」
最初の方は食事がメインだったのに、レモンの時なんて最初ミミズと泥試合だったからね。ミミズから取れた肥料は全部畑に使ったからない……ミミズの土、王都の店売りの肥料と比較しても中々良い感じなんだよね。
(まぁ、回収しに行くつもり無いけどね)
今更新緑の森に行くのもね……あそこの素材とか王都で買えるし。テイマーギルドを使えば割と数を揃えられる。
「そういえばテイマーギルドからまた指名で依頼来てたね……」
来てる依頼は大まかに2種類。片方はいつも通りの衛兵隊詰め所から。こことは定期契約結んでも良いね……ちゃんとお金払ってくれるし。液体も作れるようになってからは購入数も増えた。
もう片方の方は香水に関してで依頼人は貴族から、こっちはあんまりやる気無いんだよね……だって香水って暇つぶしに作った物だから。それに依頼の約6割が足元見てる値段、かつ専属にしてやるから香水を作りまくれ的なことが書いてある。私のこと舐めてるよね?
(ちゃんとした依頼人にだけ流してはいるけど……そろそろ面倒な奴をどうにかするか)
神殿の権力……はできれば使いたくない。クティアさんにお願いしたらヤバいことになりそうだし。とはいえ他に使える伝手は無いんだよね……うん、ウザい貴族に関しては一旦無視しよう。どっかの馬鹿のおかげで拠点のある旧市街地は立ち入り制限あって来れないだろうし。来て実力行使しようにも留守番組が蹴散らしといてくれるでしょ。
「留守番役は……レモンとスチンよろしく。侵入者には容赦しなくて良いからね」
「ビリリ」
「ドロォ……」
私は留守番にそう伝え、色彩の迷宮に向かった。さーて、少ない時間頑張って素材と経験値を稼ぐとしよ。
◇
「「「キシャァァァ!!」」」
「メラララ!」
いつもより興奮したデッドリーベノム・スパイダーたちがメロン目掛けて突撃してくる。そいつら目掛けアセロラが火炎放射を放ち燃やし尽くしていった。入れ食い状態で素材と経験値を稼ぎまくってる。
「虫系は魅了に弱いのかな?凄いホイホイやってくるんだけど」
デッドリーベノム・スパイダーの素材はしばらく来なくても問題無いくらい溜まったね。他のも順調に溜まってきている。
「メロンのlvもガンガン上がってるね。ルベリーもそろそろ進化できそう」
本当にlv上げにメロンは最適だね……常時発動じゃなければ普段から使える。見知らぬフィールドに連れて行くには勇気がいる。
「てか東以外の町から行けるフィールド……小砂漠以外行ってないな」
流石に1回はどんな場所か確認した方が良いよね。気が向いたら行ってみることにしよ……なんか面白い場所があるみたいだし。
「にしても絵面が変わらなくてちょっと飽きてきたね……良い加減下に降りよ」
新しい素材が私を待ってる。私はアセロラに虫たちを殲滅させて下へと降りる階段に向かった。階段は朽ちた大きな切り株の根元にあって、根でできたトンネルを進んでいく感じ……なお、階段にはモンスターは入ってこないから安心。
「地下2階。見た目は特に変化無いね」
モンスターはどんなのが出てくるかな?私は慎重にそれでもワクワクしながら先に進んだ。デッドリーベノム・スパイダーやスタンラバー・センチピートなど上の階層に居た奴らと戦っていると新顔に出会えた。
「キチチチチチ!!」
見た目は灰色のセミの幼虫。地面から出てきて鋭い管のような口をこっちに向け……灰色の液体をこっちに飛ばしてきた。
「プルーン」
「ヒヤァ」
飛んできた灰色の液体をプルーンが氷の大盾で防ぐ。液体はピキピキと音を出しながら固まりセメントのようになった。
「こいつが石化のモンスターか……」
思ったより早く出てきたね。目当てのモンスターに出会えるのは良いけど、こんな早い段階で出会えるのは割と面倒な気がする。
「キチチチチチ!」
「メララ!」
セミの幼虫は再び石化液を吐こうとする。しかしそこに目掛けてアセロラの《爆炎弾》が撃ち込まれ、セミの幼虫は木っ端微塵になった。
「アセロラ……もしかしてアレの見た目が嫌で消し飛ばしたね」
「メ、メラ……」
「いや、別に怒るつもりはないよ……アレのビジュアルが苦手な人は多いし」
セミはね。幼虫も成虫も苦手な人が多いと思う。桜はセミが大っ嫌いだからね……特にひっくり返って死んでるみたいなのが急に動くのが嫌いらしい。
(嫌いな虫ランキングとかあったらゴキとセミはトップ争いになりそう……そういえばゴキのモンスターって見たことないな?)
デカいゴキとかトラウマになる人多そうだね。私は別にそこまでじゃないけど……お母さんが苦手過ぎてゴキ退治が私の仕事だから慣れてる。嫌いなのは見た目より衛生面的な部分だし……とりあえずセミの幼虫の素材見るか。
「名前はペトリファイ・シカルゴラーヴァ。素材は石化液の入った袋だね」
これは濃縮誘惑香液と同じく隔離実験器で扱わないとダメだね。最近、この手の危険物増え過ぎな気がする……隔離実験器って1番安いやつ使ってるんだけど良いやつに変えた方が良い?
「この先もっと危険な素材扱いそうだしね……1番良いやつ買っとくか」
またお金が消えていく……必要経費だから仕方ないけども。1人で全部やってるのが負担が大きい理由かな……普通は拠点とか複数人でお金を出し合って購入・改良していくものだろうし。
「まぁ拠点の購入代はタダだけども……それに生産設備が高いだけで、普通の家具やインテリアは高くないし」
かけた分のお金は割とすぐに回収できるしね。今回も石化関連で一稼ぎしよう……ということでペトリファイ・シカルゴラーヴァ狩りと行きますか……メロンがいるから探さなくても寄って来きてるけど。
「「キチチチチチ!」」
ペトリファイ・シカルゴラーヴァたちは石化液を吐いてくるが全てプルーンが防御して防いでいく。
後ろに降りてきた階段があるから逃げることは可能。そもそもプルーンが居る方向以外はアセロラが焼き払っているからそれなりに安全。取りこぼしや正面の奴にはルベリーが呪いをかけて妨害。多少のダメージはライムが治しているから盤石……メロンが釣り餌としての役割しか無いね。
「ピヨォォォン!」
「おっ、また新顔だ」
今度の新顔は黒いアゲハチョウ。羽には不気味な模様が浮かび上がっている。湿地帯のボスもアゲハチョウだったけど、アレよりも小さいな……人を包み込めそうなほどの大きさではあるけど。
「ピヨォォォン!」
アゲハチョウは羽を激しく震わせた。羽から黒いモヤが出て球体を形作り、こっちに向かって飛んできた。弾速は早くない……だけど物凄く嫌な予感がする。
「ノロォ!!」
私が黒い球体を警戒しているとルベリーが前に出て球体をバクッと食べてしまった。ルベリーの様子を見てみると特に変わりは無い……だけどルベリーが食べたってことは。
「あれ呪いか」
遂にイベントの敵以外で呪いを使ってくるモンスターが出てきたか……これ素材の性能によっては呪いの欠片を霊結晶に回せるね。そろそろ呪いの欠片の在庫ががが……
(イベント中に結構集めたんだけどね……そろそろ代用素材が欲しいところだった)
霊結晶は沼地に行けば回収できるけど……人多いし今更行く理由も無いんだよね。だから呪いの欠片の代用できるものはいくらでも欲しい。
「とりあえずアセロラ。あのアゲハチョウ燃やしちゃって」
素材が気になってしょうがないからアセロラに燃やしてもらう。アゲハチョウはなす術無く焼かれて燃え滓に変わった。うーん、薄いからかよく燃える。
「素材はハイカース・バタフライの鱗粉……呪いの欠片の代用に使えそうだね」
寧ろ最初から粉状で、使いやすさならこっちが上だね。これもたくさん集めとこう……
「メロン連れてきて良かった。じゃんじゃん素材を稼いで行こう」
無理しない程度だけどね。休憩自体はトンネルでできるし……うちはパートナーにブラック労働だけはさせない。私は生産でブラック労働気味だけどもな。治療液はコツコツ合間合間で集めてるからライムもブラック労働はしてない。ルベリーと一緒に近くに居るけども……
(自由行動させてても近くに居るんだよね。何故?)
そんなことを思いつつ私は指示を出して素材集めに勤しんでいった。




