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【書籍化】スライムマスターちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第3章 拠点強化とフィールド攻略編
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第67話



「骨ってレア素材だったけ?割と手に入るイメージあったんだけどなぁ……」


 雷鳴の小砂漠に来て1時間ほど経過した。ハイボルト・ラットとディスチャージ・ラクーン以外にハイスパーク・ウィーゼルってイタチとも戦ったけど……そいつも骨は落とさなかった。

 現状、小さめのモンスターばかり戦ってるんだけど……もしかして中型のモンスターじゃないと落とさない?


(だとしたら面倒だなぁ……小型のモンスターたちも厄介なのに)


 そもそも雷属性自体が厄介だし。感電と麻痺……金属防具?なにそれ美味しいの?って属性だからね。


(まぁ、対策されたら弱いっちゃ弱いんだけど)


 絶縁効果を持ってる装備とか、雷属性のパートナーに金属装備させて攻撃誘導させたりね。あとは雷属性は土属性に弱いから土属性の子を仲間にするのもあり……土属性の利点がそこしかないってことに目を瞑らなきゃだけど。


「そんなことはさておき……そろそろ目標を何かしら達成したいな。ん?」


 私がそんなことを思っていると砂の一部が青白く光っているのを見つけた。近くまで行ってみると軽く盆地のようになった地形に青白く光る砂が溜まっていた。


「やっと見つけた……雷属性強化薬の素材」


 雷光砂。上空の砂雲で擦れ合い雷を発生させている砂が雷と魔力によって変質した砂。普通の砂よりも重く、この盆地のような風の通りの悪い場所に溜まってることが多い。


「量はあるけど、採取するのに袋に入れなきゃいけないんだよね」


 液体とか粉とかの素材は割とそういうの多い。私は予め用意しておいたスコップと袋を取り出して雷光砂の採取を始めた。ここも何度も来るのは嫌だから採れるだけ採っていこう……ライムとレモンは進化して手が生えたからスコップ使えるしね。


「グルルル……」


 私たちがせっせと採取をしていると獣の唸り声が聞こえてきた。声の方を見ると青白い体毛を逆立てたオオカミが居た。体毛からはパチ!パチ!と火花が散っていた。


「「グルルル……」」


 唸り声をあげているオオカミの後ろから更に2匹追加が出てくる。オオカミって時点で複数居るだろうとは思ってたけど……まぁ、なんとかなるかな。


「「「ガァァァァ!!!」」」


 オオカミたちは唸るのをやめると咆哮を上げて駆け出してきた。動きは速い……だけど一直線な動きなら動きは読める。


「アセロラ。丸薬飲んで火炎放射」


 私はアセロラに丸薬を飲ませて火炎放射を放たせた。オオカミのうち2匹は回避できたが、1匹は避けれずに炎に飲み込まれる。


「ガ、ァァァ……!」 


 炎に飲み込まれたオオカミは全身から煙をあげて地面へ倒れて消えていった。仲間が丸焼きにされたのにビビったのか残りのオオカミたちの動きが少し鈍くなった……獣だから火は怖いだろうしね。


「逃げてくれるなら採取に戻れるから良いんだけど……ん?」


 私がふとさっきのオオカミから取れたのか見ていたら、なんと欲しかった骨が落ちていた。このオオカミ……ライジング・ウルフは求めていた骨を落としてくれるのか。じゃあ逃しちゃダメだね。1匹残らず狩らないと!


「自分たちから出てきたんだから……骨おいてけー!」


 私の目にはライジング・ウルフは素材にしか見えなくなった。雷光砂と骨がある程度集まれば目標達成……私はやる気を漲らせてライムたちに指示を出しライジング・ウルフを討伐。またライジング・ウルフが来るまでは雷光砂を採取と効率良く動いていった。



『個体名:アセロラのlvが一定値に達しました。進化が可能となりました』


 雷光砂の採取とライジング・ウルフの骨集め……素材集めに勤しんでいるとアセロラの進化が来た。スチンの進化からそんなに経ってないけどスチン、アセロラ、プルーンは仲間にしたタイミングが近かったから進化タイミングも近いんだよね。プルーンは戦闘に参加できなかった期間があってちょっと離れちゃってるんだけども。


「てかアセロラの進化……色々怖いな」


「メラ?」


 暴走して火事とか起こさないかな。色彩の迷宮って結構燃えそうなもの多いしね……まぁ、ダンジョンは再生するらしいし、火事になっても問題無いか。素材を燃やし尽くされなければ。とりあえず進化先を確認。


ーーーーーー

進化先

▶︎ブレイズ・スライム

燃え盛る火炎を体内に宿し、常に全身が燃えているスライム

周囲の酸素を取り込みより温度を上げた炎を吐くことができる

火山地帯や火属性のダンジョンでは炎の悪魔として呼ばれているが、鍛治士の間ではその能力から重宝されている


▶︎アブレーション・スライムヒューマ

人に近づきたい、人になりたいと願った火属性のスライムの進化先

主人に愛され、主人を深く信頼していないと進化先に現れない

人に近くなったことで熱量と火力の細かい調整が可能になり、燃焼と溶解が強化された

人とモンスター。その境目に至る可能性をもつ

ーーーーーー


 アブレーション……英語で焼き切るって意味なのね。んでもって上は絶対無いな……移動するだけで火事になるし。一応、アセロラに聞いたけどアブレーション・スライムヒューマでOKって感じの反応が返ってきた。てことで進化。


「メララララ!」


 進化したアセロラは相変わらず私に似てる……けど身長はかなり小さい。レモンより頭1個分くらいの低身長。妹感強いな……ステータスはどうかな。


▽▽▽▽▽▽

アセロラlv1/60

種族:アブレーション・スライムヒューマ

   (第3進化)

HP:110/110

MP:180/180

スキル

《悪食》《打撃耐性・Ⅱ》《炎無効》

《炎上強化》

《火炎放射・Ⅳ》

発火性の高い粘液を燃やしながら噴射する

範囲を広げて広範囲を燃やしたり、逆に範囲を絞って飛距離を伸ばしたりと小回りが効く

《爆炎弾》

爆発性の粘液の塊を燃やしながら放つ

爆発した粘液は簡単に消せず、着弾地点でしばらく燃え続ける

△△△△△△


 スキル的に『焼き切る』じゃなくて『燃やし尽くす』って感じな気がするんだけど?


「とりあえず《爆炎弾》あそこの岩に向けて撃ってみて」


「メララ!」


 少し離れたところにある岩を的に《爆炎弾》が放たれた。真っ赤なラグビーボールみたいな見た目の《爆炎弾》が岩に着弾しドカン!と爆発。岩が砕けて周辺が大炎上していた。


「威力高くて良いね……弾速があんまり速くないから避けられそうだけど」


 いつも通り《火炎放射》中心で戦わせよう。《爆炎弾》は遅くて硬い相手か身体の大きい相手に使う方針で……


「そろそろ雷光砂と骨も良い感じに集まって帰るから……活躍は明日だね」


「メラ……」


 そう悲観しないで……明日は霜降り草原の攻略だからね。火属性は大活躍間違いなし!


(そういえば……アセロラが進化したから湯たんぽ役居なくない?)


 あれ?もしかして……進化のタイミングミスった?私は嫌な予感がしてきて冷や汗が出てきた。




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― 新着の感想 ―
Eel(イール)はウナギです… イタチはWeasel(ウィーゼル)が近しいかと。
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