表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】スライムマスターちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第2章 神官と第2回公式イベント編
55/172

第48話

中々満足行く出来にならず遅れてしまいました

あとこの時期忙し過ぎる……



 ゴロゴロ……


「嫌な天気だね……」


 雷のような音を響かせる黒い雲。ここに漂流するきっかけになった嵐を思い起こさせる。雨は降っていないけれど、そのうち降り出すかも……そうなるとアセロラは厳しいかも。


(薬の補充は問題無し。最悪、戦闘中に作れるように準備はしてあるしね)


 今回、私の役割は支援。戦闘班の回復などを手助けする感じ。まぁ、ガツガツ戦闘するより支援に回ってる方が活躍できるし。

 現在の状況としては各員それぞれ東西南北の拠点で待機。何処に悪魔が出てもすぐに対応できるようにしている。中央遺跡に集まっていないのは、悪魔の出現位置と予想しているため。下手したら死ぬかもしれないからね……

 ちなみにチェリーとミリアちゃんは現在は東の拠点に居る。各方向の強さを均一にするためにね。あぁ、チェリーに絡んだチンピラとストーカーは西に放り込まれてる。監視付きでね。


「と、そろそろ12時になるね……」


 私はメニューで時間を確認する。そして表示が12時になると小さな揺れを感じ始めた。最初は揺れている?としか感じられなかったけれど、だんだんと大きくなっていき立っているのがやっとな程大きくなった。


ゴロゴロ!ピシャーン!ピシャーン!


 無数の雷が落ちて大きな音を立てる。雷は中央の遺跡周辺にばかり落ちている……そして特大の雷が落ちた。


ドォォォォン!!


 地響きがして遺跡のあったところから紫色の光の柱が天に向かって伸びた。光の柱の中に黒い塊が出現し、それはどんどん大きくなっていく。それはとても大きな卵のようになり…………閃光と共に孵化した。


「ギシャシャシャシャ!!!」


 閃光と光の柱が消失し、黒い塊があったところには無数の触手のような尻尾を伸ばした角の生えた化け猫……壁画に描かれていた悪魔が出現していた。その大きさは……目算でも25mは超えてそう。笑い声のような声が島中に響き渡る。


(中央の遺跡から距離はそれなりに離れているのにあの大きさ……プレイヤーとか踏まれただけで死ぬんじゃない?)


 てか、大き過ぎて攻撃通るか分からないね……もしかしたら何かギミックがある感じかな?てか昔の人はよくこれを封印できたよね……


「ギシャァァァァァァ!!」


 悪魔は咆哮をあげて地面へと着地した。ズズーン!!という音が鳴り響き、神殿があったところから大きな土煙が広がった。大き過ぎて地面に居るのに身体が見えてる……


「突撃!!」


「うおぉぉぉぉ!!」


「1番槍は俺だぁぁ!!」


 悪魔が地面に降りると同時に号令が出た。共に戦闘班が一気に悪魔の方へと向かっていく……私は戦闘班が粗方居なくなってから着いて行った。


「「「ゴブゥゥゥ!!」」」


「「「プギィィィ!!」」」


 悪魔の方へと向かっていると黒化したモンスターたちが行手を阻んでいるようで、あちこちで戦闘が始まっていた。モンスターたちは何やら紫色のオーラを纏っている。


「くっ!?こいつら襲撃の時に比べて強いぞ!!」


「恐らくあの猫もどきが復活したからバフかかってんだろ!だが倒せないことはない!!」


「前線組を先に行かせろ!手が空いてるやつで減らしていくぞ!」


 予め役割を決めていたから黒化したモンスターたちの処理もスムーズに進んでいる。私も黒化したモンスターたちの処理に入る。


「ビリリリリ!」


「メララララ!」


 レモンとアセロラが黒化モンスターたちを蹴散らす。確かに襲撃の時よりもタフ……だけどそこまで硬くない。


「アセロラは雨降ってきたら火力下がっちゃうだろうから、今のうちに燃やしまくって」


「メララララ!!」


 私のその声が着火剤になったのか、アセロラは張り切ってガンガン燃やしていく。やり過ぎだからか他のプレイヤーもこっちに来ないね……なお、火事になりかけてるのはご愛嬌。燃やすことはちゃんと許可は得てるしね。燃やす先に人が居ないことも確認済み、拠点側に延焼しないよう木は事前に伐採されてる。


「火事になるかもとは聞いていたが、盛大に燃やしてるな……」


「モンスターもガンガン燃えてるから楽できるから良いだろ……最終日だし問題無い」


「やっぱりスライムが弱いってガセじゃね?進化させれば普通に強いやんけ……」


 最初の襲撃の時のような空気になっている気がするけど……気にしないことにしよう。私も目の前の燃え盛る森に軽くドン引きしてるし……


「「「ノコォォォ!!?」」」


「あっ、チャームマタンゴが燃えながら出てきた……既に瀕死だね」


 燃え盛る森から悲鳴をあげて飛び出してくるチャームマタンゴ……出てきてすぐにドサドサと倒れていった。あー、なんかごめん……出てくる前に焼き殺しちゃった。


「まぁ、集団戦で魅了撒かれると厄介だしね……」


 対抗策は用意してあるけど治すのも手間だしね。それにしても、もうチャームマタンゴが出てくるのか……ペース早いね。


(そのうちモスロックボールとかが出てきそうだね……)


 流石にそいつらは強化されてると面倒だね……上級のダンジョンに潜れる程のプレイヤーは悪魔との戦闘で忙しいから。


(私は参加しなかったけどさ)


 集団で1体のボス叩くとなるとアセロラやレモンの巻き込みを考えなきゃだからね……そんなん考える時間あるなら、雑魚敵を集団ごと倒してる方が貢献できる。


(こっちの方がフレンドリーファイアしても気にしなくて良いしね)


 ボス戦のフレンドリーファイアとか絶対気まずいし心臓に悪い。私は目の前の火事を見ながら小さく笑った。


「伝令!伝令!前線組が悪魔と交戦開始!!」


 おっ、本元の戦いも始まったみたいだね……じゃあこっちも頑張らないと。


「「「キノォォォ!」」」


「「「キュリリリ!」」」


 私は向かってくるチャームマタンゴやパフュームバタフライを燃やしていった。面倒な奴は焼却処分!灰になれー!



「ギシャァァァァァァ!!!」


 戦闘開始からしばらくして。押し寄せてくるモンスターたちを他のプレイヤーと倒していると悪魔の咆哮が響いてきた。それと同時にポツポツと雨が降り始める……雨は強く降っていき森の炎が鎮火されていく。


「アセロラはここまでだね。ここからはレモンとプルーンお願いね」


「ビリ!」


「ヒヤァ」


 私は陣形を変更した。そして敵に備えようとすると再び地面が揺れ始めた。そして背後の方が急に明るくなる。振り返ってみると紫色の光の柱が伸びていた。


「で、伝令!伝令!東西南北に光の柱が出現!柱周辺からモンスターが続々と出現!支援班で対処とのこと!」


 うへ、湧く場所が増えたか。しかもこの手のやつって放置してるとやばい奴な気がする。


「戦闘に自信があるやつはあの光の柱に向かうぞ!そうじゃないやつはここでモンスターの処理だ!」


「俺のパートナーは足が遅いからこっちに残るわ。光の柱は頼んだぜ!」


 急な仕事にも他のプレイヤーたちはテキパキと自分のやるべきことを判断して行動していった。こういうことに慣れてるの感じあるね……私はソロだからそういう経験は無い。


(こっちはもうモンスターの数が減ってきたし。私も柱に向かうか)


 アセロラが弱体化したせいで味方を巻き込み難くなったしね。私はライムたちを引き連れて光の柱へと移動した。

 光の柱は拠点を超え、最初に漂流した海岸近くに出現していた。光の柱の根元には紫色のラインが入った黒い石碑があった。そしてそれを守る番人も。


「ギィアァァァァ!!」


 石碑を守るように立ち塞がっているのは3日目に現れた悪魔……本家悪魔と被るから偽悪魔って呼ぼうかな?そしてそいつらの取り巻き……そいつらが問題だった。


「ゴブロォォォ!!」


「シャァァァァ!!」


「ドラワァァァ!!」


 兜を被った大柄なゴブリン。ヘビィスネーク。そしてドランク・アニマプラント……ゴブリンは確か初心者向けの迷宮のボスのゴブリンコマンダーだったかな?要するに……


「ダンジョンボスの詰め合わせとかふざけんな!!?」


「俺、あのドラゴンみたいな植物見たことないんだけど!!?」


「あの悪魔野郎と同時とか……地獄過ぎるだろ!!」


 偽悪魔自体が既にボスと同等の強さ。それプラスダンジョンボス3種類……いや、時間をかけていたらもっと増えるかもしれない。

 ドランク・アニマプラントなら私1人で相手できるし、あいつは引き受けようか。正直偽悪魔とやりたくないし。あいつシンプルに強いんだもん……


「あの草ドラゴンは私がやります。他の人は他2体と悪魔を。聖水を出し惜しみしないでさっさと片付けましょう!」


「せ、聖水神!あんたも来ていたのか!!」


「お前ら怯むな!!こっちには聖水の神が付いてる!!クソ悪魔とその取り巻き共に目にもの見せてやれ!!」


「「「おう!!!」」」


 なんか私の存在が変な風に働いてない?あと聖水神呼びやめてほしい……神官が神呼ばわりされるとか天罰が怖いわ!


「ドラワァァァ!!」


「さーて、ドランク・アニマプラント……黒化したから素材は呪いの欠片だけだろうし。さっさと片付けようか!」


 私はライムたちに喝を入れ、ドランク・アニマプラントを相手取った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
FFできるのか出来ないのかどっちなんだろ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ