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【書籍化】スライムマスターちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第2章 神官と第2回公式イベント編
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第34話



「えーと……まずは何から手をつけようかな?」


 淘汰の大森林の素材。ストレージの表示を見ながら私は悩んでいた。どれも使ってみたいけど、それと同時に使うのが怖い。


「とりあえず眠気覚ましから作ろうか……準備運動がてら」


 眠気覚ましの作り方は目覚め草の花弁を刻んで擦り潰して、水と混ぜて加熱し濾過すると完成する。


「水は治療液にするとして……これとこれも混ぜてみようかな」


 私は刺激草とエナジービーの蜂蜜を取り出した。刺激草は少量なら良い刺激になるだろうし、エナジービーの蜂蜜には睡眠対策の効果が付いてるからね。隠し味的な感じで入れてみよう。


ブチブチブチ


 私は目覚め草の花弁を毟り取る。ある程度毟ったら、刺激草と一緒にナイフで細かく刻み治療液に入れる。


「エナジービーの蜂蜜は……加熱後に入れよう」


 加熱したら効果が下がりそうだからね。次のやつは加熱前に入れて加熱してみるつもりだけど。検証は大事。


「よし、試作品1号完成」


 加熱し濾したものに蜂蜜をひと匙混ぜて眠気覚ましが完成した。いつも通り丸薬になっている。効果の方はどうなったかな?


ーーーーーー

中級眠気覚まし丸薬

効果

飲むことで眠気を一気に覚まし

3分間、眠気に耐えることができる

噛み砕くとより効果が高まる

ーーーーーー


 ふむふむ……資料で読んだ眠気覚ましには耐性効果は無かった。これはエナジービーの蜂蜜を入れたおかげのようだね。改良点はこの持続時間くらいかな?


「伸ばすために大量に入れると副作用が強まりそう。地道に調整していこ」


 ということで試行錯誤して実験していく。いつも通りライムが手伝ってくれてスムーズに進んでいく。ただ今回はちょっと変化があった。


「ヒヤァ」


「ん?プルーンも参加する?」


 いつも調薬中はアセロラに絡まれてたり、スチンと一緒にいるプルーンが手伝いに参加しに来た。チラッとレモンたちの方を見ると集まって寝てた。今日、割と激戦が多かったから戦闘班はお疲れみたい。私を含めライムとプルーンの支援班よりも忙しかったからね。


「じゃあこの花弁を取るの手伝って」


「ヒヤァ」


 プルーンも参加し実験は進んでいった。そして1時間の試行錯誤の末、現状で最高の出来と言えるものが完成した。


ーーーーーー

中級眠気覚まし丸薬(5個入り)

効果

飲むことで眠気を一気に覚まし

10分間、眠気に耐えることができる

噛み砕いて飲むことにより効果が高まる

1時間以内に5粒以上飲むと死ぬことがある

ーーーーーー


 副作用があるけど、これでもだいぶマシ。3粒で確定即死だった時もあったから。なお、試しに飲んでみたらエナジードリンクの味がした。何故?


(エナジービーの蜂蜜は加熱した方が効果が高まるのも分かったしね)


 今後は混ぜてから加熱すれば良い。検証が1つ減って少し楽になる……本当に少しだけど。


「次は活力剤だね」


 これに関してはちょっと眠気覚ましと似てるんだよなー。活力剤って長時間の行動ができるようになる薬だから、どっちかというとこっちの方がエナジードリンクっぽい。主な効果は眠気と疲労、精神系の状態異常の軽減だしね。


「これ、ずっとゲームに潜って戦闘している廃人プレイヤーが欲しがりそうだね」


 パートナーに与えれば長時間の戦闘を行える。ただ、それはパートナーにストレスが溜まっていきそうだね。ストレスが溜まればその分能力が下がっていくんだけど……廃人プレイヤーは気にしなさそう。


「ある意味、取り扱い注意なものになりそう」


 とりあえず作っていこ。その前にニトロペッパーの処理だね……今のままだと簡単に爆発する爆竹だから。


「プルーンが起きててくれて良かった。プルーン、これに凍結液出してくれない?」


「ヒヤァ?ヒヤァ」


 私はビーカーに凍結液を出して貰った。そしてそのビーカーにニトロペッパーを入れる。ニトロペッパーの処理の仕方は冷やすという方法。冷やす温度が低ければ低いほど爆発する確率は減っていく……凍らせれば0%確定。


(氷系のパートナーが居ないと扱いにくいね)


 あー、でも。淘汰の大森林に入れるなら、北のエリアに持っていって冷やせるか。霜降り草原だと凍らせるのは無理だから、爆発のリスクを抱えて作成しなきゃいけないけど。


「とりあえず手持ちのやつは全部凍らせておこ。爆発物をストレージに入れっぱなしは怖い」


 凍らせてストレージに戻せばいつでも使えるからね。他の危険なやつも下処理する時は全部まとめてやっておこう。


「ヒヤァ」


 プルーンに手伝ってもらい手持ちのニトロペッパーの処理は全て完了した。さて、それじゃあ早速活力剤を作ろう。


「まずはニトロペッパーを砕いて……凍ってるから少しやり難いね」


 ニトロペッパーを薬研でゴリゴリと細かくしたらエナジービーの蜂蜜に混ぜる。この時点でニトロハニーってアイテムができる。


ーーーーーー

ニトロハニー

ニトロペッパーとエナジービーの蜂蜜の混合物

食べると身体が温かくなり、やる気が漲る

食べ過ぎると身体に負担がかかるため注意

ーーーーーー


 これもちょっと売りに出してみようかな?料理ができる人が欲しがりそう。


「次はこのニトロハニーを治療液に混ぜて……」


 比率は1:2ぐらい。中々に濃度が高めだけど……実験の時に色々と模索してみよう。


「あとはこれをじっくり弱火で加熱して……いつも通りの作業で完成」


ーーーーーー

活力丸薬

効果

噛み砕き飲むことで効果を発揮する

飲んでから30分間。精神を高揚させ眠気と疲労を軽減する

効果時間中に更に摂取すると、身体に重い負担がかかる

ーーーーーー


 やっぱり眠気覚ましとあんまり変わらない……あー、でもこの説明文だと眠気覚ましと違って自然な眠気が対象か。ミストビーの睡眠毒やスリープリリーの花粉のような外的要因による睡眠には効かないっぽい。


「これパートナーや住民専用だね。プレイヤーは寝なくてもずっと活動できるし」


 そう考えるとプレイヤーって人間か怪しいね。食事はしないと死ぬんだけども……そういえばストレージの食料そろそろ無くなるね。


「そろそろ安いパンとか串焼きとか飽きてきたんだよね……」


 実験中にお腹空くと中断しなきゃいけなくて面倒だし。なんか実験中でも問題無く満腹度を回復できるものは無いもんかね?


「前に見た時は無かったんだよね……今見たら何かあるかな?」


 最後に確認してから日数空いてるしね。私はちょっと休憩がてらプレマを見ることにした。おー、色々増えてる。


「ハンバーガーとかもある……よく作ったね」


 色々難しいと思うんだけど、私はそう思いながらスクロールしていく。そしてある食べ物で指が止まった。


「棒付きキャンディー。こんなのあるんだね」


 木の棒に丸い飴が付いているタイプのやつ。よくゲームセンターとか映画館に自販機?みたいなのが置いてあるやつ。効果の方も中々面白い。


ーーーーーー

棒付きキャンディー(5種類セット)

効果

ミルク、ベリー、ミント、オレンジ、コーヒーの5種類のフレーバーの棒付きキャンディー

舐めている間、ジワジワと満腹度を回復させていく。最大値は1本で50%。

噛み砕くと満腹度をすぐに回復するが、舐め切るよりも回復量が下がる

作成者:パティシー

ーーーーーー


 現状でこんなに味を用意できるなんて凄いね。ミントとかは刺激草を使えば再現できそうだけど。


「これ……手を塞がなくても回復できるから良いのでは?」


 味も色々あるなら飽き難いだろうし……うん、買おう。割とキャンディーは好きだし。


「よく見たら購入制限付いてないね……とりあえず10セット買おう」


 合計7000G。その程度ならすぐに取り戻せる。私は初めてプレマで買い物をした。そして早速1本食べてみる。


「これはベリー味かな?甘酸っぱくて美味しい」


 やる気出てきた。よーし、活力剤……活力丸薬の実験頑張ろう!私は休憩を止めて実験に取り組んでいった。


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― 新着の感想 ―
[一言] ロリ巨乳ヘソ出し白衣少女が棒付きキャンディーをなめている、と……他人に見られたら変な性癖に目覚めそうだなw
[気になる点] ニトロペッパーの採取時に爆発して大変だったと思うのですが、「冷やす温度が低ければ低いほど爆発する確率は減っていく」というのであれば、凍らせない程度にすればもう少し安全に採取できたのでは…
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