第152話
私、復活!風邪かと思ったらコロナとは……体調には注意ですね。
そして本日、スライムマスターちゃんのVRMMOの2巻の発売日です!
興味のある方は是非購入してみてください。
「ギョベロァァ!!」
洞窟を歩いていると天井から不気味な鳴き声を上げながら星型の生物……ヒトデのモンスターが襲いかかってきた。
ヒトデは裏側の牙がびっしりと生えた口を裏返すように広げて飛びかかってくるけれど……狙った獲物が悪かったね。
「ビリリ!」
ヒトデに狙われたレモンから一筋の雷撃が放たれる。雷撃はヒトデを口内から全身へと駆け巡って焼いた。
「ギョベ、ロァァァ……」
全身から黒い煙を出しながら地面へ落ちた。ヒトデの丸焼き……あんまり美味しくなさそう。
「このヒトデの名前はビッグイーター・スターフィッシュ。大喰らいのヒトデか」
ヒトデって確か元から大喰らいだったような?まぁ、あの牙の量と口の大きさ的に名前負けはしてなさそうか。
ちなみに素材はゴミ……というか用途不明。ヒトデの触手って何に使うのさ?
(説明見ても薬の素材とか食材とかの明記が無いしね……)
まぁ、これは売れば良いや。使わない素材をテイマーギルドに売るのはいつものことだし。とりあえず今は……
「「「ギョベロァァ!」」」
「「「ジュビルルル!」」」
「「「ゴラァルゥゥ!」」」
「こいつら片付けようか」
「ビリリ!」
壁、天井、流れる海水から湧き出すように現れたヒトデたち。ビッグイーター・スターフィッシュに細長い触手にビリビリと電撃を纏わせたクモヒトデ。棘の代わりに白い珊瑚の欠片を身に纏ったオニヒトデの3種類が私たちを囲むように現れた。
「クモヒトデは見るからに雷が効かなさそう。オニヒトデは防御力高めかな?」
ならクモヒトデはプルーンとドランに任せよう。残りはレモンで対応できるしね。
「ビリリリリ!」
「「「ギョベロァァ!」」」
「「「ゴラァルゥゥ!」」」
レモンが放つ雷撃がビッグイーター・スターフィッシュとオニヒトデを蹂躙する。しかし思っていたよりもヒトデたちを攻撃できてない……原因は。
「「「ジュビルルル!」」」
やっぱりクモヒトデか。触手から雷撃を吸収している……あいつを片付けるのが優先か。
「プルーン。ドラン……あれ片付けて」
「ヒヤァ」
「メタァ」
私の指示を聞いたプルーンとドランが行動を始める。プルーンは小さめの槍を作り出して投擲、ドランは両腕を砲台へと変えて金属の弾を撃つ。
クモヒトデたちは氷の槍に貫かれ凍結するか、金属弾で身体に風穴を開けていく。クモヒトデたちはHPが低めなのがどんどん動かなくなり光へ変わっていった。
「ビリリリ!」
雷撃を吸収する邪魔者が居なくなり、レモンの雷撃が残りのヒトデたちを焼き殺した。ヒトデの丸焼きがあちこちに転がり消えていく。
ヒトデたちの軍団は私たちに触れることなく壊滅した。レモンは制圧力に長けてるからこういう時は助かるね。
「クモヒトデはエレキイーター・スターフィッシュ。オニヒトデはコーラルアーマー・スターフィッシュって名前なのね」
そして素材は触手……また用途不明の素材か。これらもテイマーギルドに売り払おう。
「ここ……もしかして景観は良いけど。素材的に美味しく無い?」
他のプレイヤーの姿も全然見ないし。そういえばあの記事……景観のことは褒めてたけど、他の部分は特に何も書いてなかったね。
(まぁ、今回はヒカリサンゴが目的だし……人が少ないのはありがたいね)
競争相手が居ないからね。そもそもこれ欲しがる人あんまり居なさそうだけど……私も今後取りに来るか分からないし。
「景観は本当に良いし……モンスターも対処可能だから緩く進もう」
私はヒカリサンゴを採取しながら更に奥へと進んでいった。
◇
「……なんだこれ?」
「メキュ?」
星喰いの洞窟を進むこと1時間ちょっと。私は目の前の鎖でガチガチに固められた鉄柵がある。急拵えで作られたのか作りが雑……
「と、案内板があったね」
鉄柵の近くに立て看板が置いてあった。そこには『この先、ブラックホール・アビスアネモネが暴れまわっているため立ち入り禁止』と書かれていた。
「ブラックホール・アビスアネモネ……ここのスワンプ・メガロドン枠かな?」
ちょっと掲示板で情報を調べてみる。ブラックホール・アビスアネモネは思っていた通り、スワンプ・メガロドンやヘルゲート・ガーディアンと同様のモンスター。イソギンチャクらしくその場から動くことは無いが、ブラックホールの名前の通り強力な吸い込み能力。獲物を探して何処までも伸びる猛毒の触手。そしていくら攻撃しても無傷同然に回復する再生能力を持っている。
(めちゃくちゃ面倒なタイプのボスだね……)
下手したらクラゲ神よりも厄介では?これは相手にしたくないね……こいつの戦闘には参加しないようにしよ。こういうのは強い攻略組に任せるに限る。
「まぁ、せめて薬ぐらいは用意するけどね……有料だけども」
さて……ブラックホール・アビスアネモネのことは良いとして。現在の最深部まで辿り着いたし帰るとしましょうか。
「ヒカリサンゴもそこそこ手に入ったしね……」
あとは香水の材料……これはアマゼニアで香りが良い花とか買ってこようかな?生憎、葉獣の樹海での採取じゃ薬の素材以外のものは採取しなかったからね。
「シーフロンティアからアマゼニアまでの転移代。結構かかりそうだけど……今の私ならそこまで痛くないか」
ヒトデたちの触手も売るしね。私は最後にチラッと鉄柵を見て、通ってきた道を通って帰還した。
作者「このイソギンチャク。実は前回イベントの没モンスターなんだよね……あまりにも凶悪過ぎて出せなかった」
ココロ「えー……なんでそんなのを今出したの?」
作者「作者がイソギンチャク好きだから。あとあのイベントだとエリアボスとして強かっただけで。スワンプ・メガロドンたちと大差無いから」
ココロ「そうなのねー……」
作者「今1番の懸念点は砂漠のクジラだね……あいつの名前を出したか覚えて無いんだよね。今までのお話読み返しても見つからないし。どうしよ?」
ココロ「もう1回。1から見直してこい」
作者「はい……」




