第151話
体調不良につき短いし戦闘シーン無しでも許して許して……
ルベリーの試練を終えて、私は梯子を登って試練の間を後にし拠点に戻った。そして強化された聖書を見る。
(これで半分の結晶が豪華になった……)
残るは植物、土、風、金属の色になっている結晶……そして色彩と崩壊の2つの色になる予定の結晶。後者に関しては仲間にするまでにlvを100まで上げないとだね。まぁ、プレイヤーは上がりやすいから問題無いだろうけど。
「プレイヤーのlvってお飾りだからね」
多分、第1陣でカンストしてないの少数派だろうし……私がそんなことを思っているとコンコンっと窓から音がした。音がした窓を見てみるとアーカイブのロゴが入った小さい帽子を被ったスズメが居た。嘴には手紙のようなものを咥えている。
「チュン!」
窓を開けるとスズメは手紙を渡してパタパタと去っていった。
「手紙……あー、そういえばアーカイブがなんか新しいサービスで始めてたっけ?」
確かアーカイブが所在を知っている人限定の手紙サービス。フレンド登録してない人にメッセージを届けるために始まったんだよね。
まぁ、送るにはかなり厳しめの審査を通らなきゃいけないし。中身はアーカイブの担当が一度確認。値段もかなり高くて使う人は珍しいらしい。
「えーと、差出人は……」
確認してみると差出人はマシロさんだった。内容は……ふむふむ。
「交流会のお誘いか」
なんでも神殿所属の女性プレイヤーの交流会をするみたい。場所はマシロさんの拠点……あぁ、拠点は護衛隊とは関係無い個人の拠点。護衛隊は……非公式ファンクラブみたいな立ち位置だからね。良い人たちではあるんだけど。
「えーと、時間は今度の土曜日……2日後の15時からか」
特に予定は無いね。あとこの交流会は参加しておいた方が良い気がする……ヘルゲート・ガーディアンと戦う時は他の神殿と協力することになるだろうからね。
「後でアーカイブに行って返事を出しとこう」
あとは何か手土産でも持っていこうかな?薬……はあれだし。折角なら香水でも持って行ってみるか。最近使ってないし。
(本当は料理とかお菓子とかの方が良いんだろうけど……)
私はできない。ライムとルベリーがやるのはケミカルクッキングだからね……あんなの人にお出しできない。
「メキュ?」
「ノロォ?」
「なんでも無いよ。ライム、ルベリー」
何かを感じ取ったの様子のライムとルベリーに気にしないでと手を振る。とりあえず何かしら持っていこう。だけど香水の素材あんまり無いんだよね……悪臭の実は沢山あるけれど。
「そういえば……この前の新聞に面白い記事があったね」
確か生産に使うと液体をキラキラさせる素材の記事。キラキラさせるだけで効果が強化されたりしないから気にしてなかったけど。手土産に使うなら良い感じになるかも。確かその素材があるのは……
「星喰みの洞窟だったね……入れるかな?」
地震の影響があったフィールドだからちょっと不安。とりあえずアーカイブ行くついでにテイマーギルドで確認しよ。私は出かける準備をした。
◇
「目的の素材が浅瀬でも取れて助かったね」
「メキュ!」
湾岸都市シーフロンティアからちょっと西、海と水湧きの霊山が接する場所。そこには怪物の口のような洞窟があって、海から水湧きの霊山へと海水が流れ込んでいる。
(これが星喰みの洞窟……山が海を食べてるみたいだね)
そんなことを思いながら私は洞窟へと向かった。洞窟までは岩の道があるからある程度は安全……足滑らせたら海に真っ逆さまだけど。
「フィールドに行くまでが危険って……あんまり無いよね?」
今までのフィールドを振り返りつつも洞窟の入り口まで到着。ゴウゴウ!と流れ込む海水の脇の道を歩いて中へと更に進んだ。暗いから灯りを出してと。
しばらく歩いていると流れ込む海水の音が静かになっていき……代わりにどんどん明るくなっていった。そしてちょっとした曲がり道を曲がると。
「わぁ……」
そこには光を放つ珊瑚によって輝く洞窟。海水の通り道だけでなく壁や天井にも生え、星空のような幻想的な景色をしている。成程、だから星喰いの洞窟っていうのね。
(確かアーカイブのデートスポットランキングでもランキング上位の場所なんだっけ?)
割と前の記事でうろ覚えだけど、欠点がここまで来る戦力が必要ってことくらいだったはず。ちなみに1位は王都……まぁ、安全で広いし行きやすいからね。
「そんでこれがお目当てのヒカリサンゴか……」
私は近くに落ちていた光る珊瑚の欠片を拾った。これを粉にして混ぜれば薬がキラキラと輝く、そして効果は洞窟の奥にあるものほど良くなる。
「どうせなら行けるところまで行って採取かな」
今回のメンバーはライム、レモン、スチン、プルーン、ドランで戦力は十分だしね。ここの難易度もあまり高くないらしいし。私は早速探索を開始した。
作者
「風邪だと思ったらコロナでしたわ……私の免疫が負けた……!?」
ココロ
「免疫の強さだけがアイデンティティだったもんね……アイデンティティ消えた?」
作者
「流石に他にもあるわ!!」




