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【書籍化】スライムマスターちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第5章 第4回公式イベント 浮上都市編
146/173

第128話(ナギ視点)

しゅ、主人公より書きやすかった……え、こっちを主人公にすべきだった?


ココロ「殴るぞお前……いや殴るわ」


(o゜Д゜)=◯)`3゜)∵





「キャハハハハ!!」


ドォン!ドォン!ガラガラガラ!!


「「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」」」


 スキュラの触手が建物を破壊し巻き込まれたプレイヤーが瓦礫の下敷きになった。あー、あれは死んだな……早めに戻ってくれれば文句は無いね。

 現在の状況としては相手の餌を枯らし、中央から入り組んだ市街地辺りにまで誘い込んでいる。取り巻きのタコたちはこっちには居ない……取り巻き担当のメッセージをアーカイブが纏めて専用の掲示板に載せてるから、それ見て誘導していってる。


「それにしても……このタコ野郎。本当にしぶとい。前線のボスでもここまで耐えない……」


「見た目は女なんだから野郎じゃないでしょ?まぁ、しぶといのには同感するけど……」


 このクソタコ。食って回復する能力のせいでしぶといのもあるけど……素が硬い。こっちは攻略勢でも屈指の火力持ちを揃えて、囲んで攻撃しているのに応えてる感じがしない。しかも前にやり合った時に比べて硬いような……


(これ……もしや時間経過で強くなっていくタイプ?)


 強いからと放置してると手がつけられなくなるタイプ。そうだとしたら今日、本腰入れて討伐しに来たのは僥倖だった可能性がある。


「キャハハハハ!」


「とりあえず煩いあの口を閉じさせるか。ラヴィア。スティグレ」


「「シャァァァ!!」」


 ラヴィアが圧縮された火球、スティグレが爆雷を放つ。クソタコの背中で両方が爆ぜ、クソタコは地面に顔から倒れた。


「ちょ、蛇姫!!おま、危ねぇだろうが!!!」


「大技使うなら声掛けしろ!!」


「メンゴメンゴ……」


 倒した時にクソタコに巻き込まれかけたプレイヤーに文句言われた。でもさ、攻略勢なら避けれるでしょ?前線だと割とよくあることだし……雪山とか火山とか。


「キ、ギィィィィィ!!!」


「おっ、本性現した?」


 顔面から倒れたクソタコは笑い声をやめ、キレた鳴き声を出し始める。悪辣な笑みを浮かべていた顔も怒りに塗り潰され……ラヴィアとスティグレを睨みつけてる。


ガシ!ブン!


 クソタコは近くの瓦礫の塊を投げつけてくる。私はラヴィアに乗り、スルスルと逃げ回る……クソタコは私たちを敵と言わんばかりに追いかけてくる。


「ギィィィィィ!!!」


「やれやれ……たかが地面とキスをさせただけでキレ過ぎ」


 建物を壊してまで追ってくるとは……プライド傷ついた?でもさ。


「私を追いかけたら良い的だよ」


ドカーン!バリバリバリ!ズズン!


「ギィィィィィ!!?」


 私を追いかけていたクソタコの背中に攻略勢の攻撃が次々と着弾していく。また高威力の攻撃だけではなく、毒や麻痺などの弱体化効果のある攻撃も打ち込まれている……あんまり効果出てないけど。


「良い囮だったわよ……それにしてもデバフは全部ダメそうね」


「まぁ、食べてたものがアレだったし……状態異常には強いんでしょ」


 それにこの手のボスは状態異常の効きが悪いもの。最初から効くと思ってはない……効けば良いという感じだし。


「ギィィィィィ!!!」


 クソタコはブチ切れて8本あるタコ足で周囲をタコ殴りし始める。側から見れば子供が駄々捏ねてるように見えるけれど……巻き込まれたプレイヤーが宙を舞って死んでいっている。


「あれはうちのタンク役でも即死するわね……特殊能力無いようだけど、あの物理攻撃だけでも脅威的よ」


「そうだね……でも脳筋の敵なら問題ない」


 ただパワーあるだけの敵なんて絡め手を使えば問題無い。現に死んでいっているプレイヤーは手柄を得ようとして近づき過ぎてる馬鹿ばかり……私やカクリヨ、上位の攻略勢は近づかないで遠距離攻撃でチマチマ攻撃している。


(わざわざ足回りや指示だししやすいようにラヴィアとスティグレしか連れてきてないし)


 エンジェくらいは連れて来ても良かったかもしれないけど……回復は光の聖女とその親衛隊がやってくれるから必要無い。ココロの薬もあるし。


「ギィィィィィ!!!」


「あら?あの子、また貴方の方に来たわよ?モテモテね」


「そう思うなら代わって……はぁ、メンド」


 顔面転倒でヘイト買い過ぎたか……こいつ多分ダメージでヘイト向かないタイプだな。最近、前線で発見された感情によってヘイトが変化するタイプだと思われる。この手のはタンク役にヘイト向かせるの難しい……仕方ない、今回は私がヘイト役頑張ろう。


(とりあえず……プレイヤーが居るところに誘い込もう。アーカイブの情報で場所分かるし)


 そこで火力を叩き込ませる。この辺りはさっきの大暴れでプレイヤーが減ったから……新しいところに連れていく。そのことを掲示板に書き込んだらアーカイブが場所を指定してくれたので、そこに連れて行こう。


「ギィィィィィ!!」


 私は追いかけてくるクソタコを誘導しながらアーカイブの指定場所まで連れていく。指定地点に着くとクソタコに攻撃が叩き込まれる。殆どが溜めれば溜めるほど高火力の攻撃……私が連れて来ている間に貯めてたね。


「ギィィィィィ!!?」


 攻撃されたクソタコはまた暴れて周囲のプレイヤーを殲滅する。そしてまた私を追いかけてくるので次のポイントに連れて行き、そこでまた高火力攻撃を叩き込ませる……型に嵌めてしまえば簡単な仕事。


「ギ、ギィィィィィ……」


 7箇所巡った辺りでクソタコにやっと弱りが見えた。前線ボスが30体は死んでる火力を叩き込んでようやくか……そしてこいつの大暴れに巻き込まれて何人死んだかな?


(そろそろトドメさせるか……掲示板に投稿っと)


 私が掲示板に書き込むとアーカイブから座標が送られる。なるほど……向こうも処刑場を用意してくれてるようだね。


「ラヴィア。ここに移動して」


「シュルル!」


 私はラヴィアとスティグレを連れて座標の場所へ向かう。そこはクソタコが最初に居た広場……積み重なっていた餌は無く、取り巻きの姿も無い。そして……周辺にはプレイヤーが隠れて待っている処刑場となっている。


「ギ、ギィィィィィ!」


 そんな場所にノコノコと着いて来てしまったクソタコ。私への殺意や憎悪、その他の負の感情がダダ漏れ……最初の笑っていた様相は見る影も無い。


「ギィィィィィ!!!」


「わっと」


 クソタコは私を叩き潰そうと足を振り回し叩きつけてくるが、私はラヴィアに乗ったまま回避していく。そんな怒りに身を任せた攻撃……うちのラヴィアたちが当たるわけない。


「シャァァ!?」


「おい……スティグレ。掠ってるんじゃないよ」


 前言撤回。このお調子者(スティグレ)は油断して掠った。この子は後で指導だね……いつまで経っても調子に乗る癖治らないな。そう思いながら私はクソタコとの距離を大きく離す。クソタコも追いかけようとしたが……そこに無数の攻撃が叩き込まれる。


「ギィィィィィ!!?」


 周囲から高火力の攻撃が叩き込まれ、クソタコは攻撃に晒され下手くそなダンスを踊る。私はその隙にラヴィアたちにココロから買った属性強化薬……威力を5倍まで強化する代わりに被ダメージを3倍にしてしまう薬だけど、この場面なら問題無い。トドメを刺せれば良いからね。カクリヨの奴も使ってるみたいだし。


「ラヴィア、スティグレ……最大出力」


「「シャァァァ!!!」」


 追いかけ回されてイライラしたからね。ラヴィアたちも多少は鬱憤があったのか、顔面に容赦の無い熱線と青白い雷撃を食らわせた。


「ギ、ギィィィ……」


 プスプスと顔面から煙を上げたクソタコは地面に倒れた。地響きと土埃が巻き起こる中、クソタコは起き上がることは無く消失していった。ふぅ……疲れた……


「勝ったぞー!!」


「「「ウオォォォォ!!!」」」


 ボスが消えあちこちから勝ち鬨の声が響いた。それと同時に開きっぱなしだった掲示板に研究所のボスが攻略されたという情報が上がる……向こうも勝ったようだね。


「さーて……疲れたし。一旦拠点戻ろう」


「「シュルル」」


 拠点戻って他の奴ら連れてレベリング。早くラヴィアを第5進化にしたい。私は勝ち鬨が今も響き続ける地下街を後にした。


そ、そろそろラスボス戦行きたいなぁ……

その前にクッション挟みますけど

また間が空くかもしれませんがお待ちください








ココロ……あいつ思いっきり殴ったな

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― 新着の感想 ―
ココロなだけに心を込めて殴ったんだね 愛されてるぅ〜
掲示板に参加しながらとか、ずいぶん余裕あるんですねw
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