第10話
感想でゲーム名が一文字違いの作品があることを知りました。
検索したら昔読んだことのある作品でしたね……なろうの検索でヒットしなかったんで大丈夫だと思ったんですが。
ゲーム名変えた方が良いですかね?
「おっ、餌の種類が増えてる……進化後のモンスターって餌の嗜好が変わりそうだから助かる人多そう」
帯電砂利が切れたため、モンスターショップに補充しにきたらファストロンの店よりも品揃えが豊富になっていた。具体的には倍ぐらいは増えてる……ファストロンが1階建てだったのがここは2階建てになっている理由が分かったね。
「帯電砂利の上の餌で帯電小石が買えるようになってるね」
帯電小石はピンポン球サイズの帯電砂利って感じ。同じ重さの帯電砂利と比べて内包している電気の量が1.5倍程多い。蓄電用の電池としては帯電砂利よりも良さげだね。
「コスパもこっちの方が良い。とりあえず2000G分購入しよ」
私は帯電小石を購入する。これでレモンの放電攻撃が使いやすくなった……といえ自己発電できないのは不便。複数体相手にすると蓄電が隙になる。
(やっぱり攻撃役をもう1人欲しいかな……早急にlvを上げよう)
今lv8……残り2なら沼地より森の方が手早く終わらせられるかな。ロンリーウルフ10体ぐらい倒せばいけるはず。
(サクサクっと上げてきちゃおう)
私は森に移動してlvを10にしてきた。50%蓄電の放電でサクサク倒せたね……帯電小石は1個で15%蓄電できて、3個と移動での蓄電を含めて丁度良く50%。ロンリーウルフを一撃で倒せる。
「新人テイマーが消えた……これからはデスペナが普通にくるから気をつけないと」
今まで1回も死んでないし、これからもそれを維持するだけ。
(目標達成したし。早速新しい子を仲間に加えに行こう……)
私は再びセカンディアへと戻り新しい仲間……勿論スライムを仲間にした。
「ピキュ……」
「なんかダウナーな感じの子が来たね……」
「メキュ」
「ビリリ」
新しい子はなんというかローテンションな子だった。やる気が無いってわけでは無いみたいだけど……この子の個性かな。
(モンスターそれぞれに個性。まぁ、生物として当たり前か)
ライムは割と世話好きだし、レモンは元気で活発。そこにダウナーな子が増えただけだしね。名前は……なんにしよう?
「何が好きか調べてからにしようかな……」
進化先に合わない名前だとね……それはそれでアリな気もするけども。そんなこんなで新入りの餌を探しに向かう……そして新入りが選んだものは。
「黒泥……えっ、何これ?」
名前の通り真っ黒な泥のような謎の物体に反応したんだけど……説明を見てみようか。
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黒泥
沼地の深い部分に溜まる黒い泥
堆積物が分解された泥に強い圧力がかかり圧縮され鉄のように重い
植物の肥料として最適であり、植物系のモンスターが非常に好む
※乾燥しているため与える時は水を混ぜること
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これ肥料なのね。随分とダークマターみたいな見た目してるけど……これに反応するならアースワームの肥沃な土も食べるかな?試しに見せてみると反応はあった……黒泥の方が気持ち食いつきいいけど。性格のせいでほぼ差異が無いからちょっと面倒だね。
「うわ、重……本当に鉄みたいな重さだね」
黒泥の入ってる袋はスーパーの小麦粉の袋と同じくらいの重さなのに物凄く重い……片手で持とうとしていたら手首が逝ってたかも。
「しかも1袋1000Gもするのか……また金策頑張らないとかな?」
とりあえずこれを5個購入。しばらくはこれと肥沃な土を与えていこう……そして名前も決めた。今回も柑橘類……と行きたかったけど、黒色に進化しそうで黒い柑橘類って無い筈だからフルーツから名前を取ることにした。
「あなたの名前はスチンね。これからよろしく」
「ピキュ……」
由来はマンゴスチン。果物の女王と呼ばれるフルーツ……確かライチに似た味だけどマンゴスチンの方がとろけるような柔らかさなんだったかな?
(食べたこと無いけどね)
『称号:スライムテイマーを獲得しました』
スチンに名前を付けたら新しい称号を獲得した。名称からスライム関係の称号ぽいね……早速確認しよ。
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スライムテイマー
▷効果
スライム及びその進化系の能力を2倍にする
スライム以外のモンスターを仲間にすると、この称号は消失する
▷取得条件
3体目までスライムのみを仲間にする
2体以上のスライムを進化させる
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強。これは今後スライムで固めるのが良さそうだね……スライムだけだと移動大変そうだけど。この称号があると馬とか仲間にしにくい……まぁ、私はどっか大きい町に拠点を構えてまったりするつもりだから必要無いか。それにこういう称号持ちでも旅の足が手に入るようにはされてるはず。
「称号の確認はもう良いか。さて、スチンのlv上げをしたいけど……その前に私の装備をいい加減どうにかしようかな」
私の服はゲーム開始してから一切変わってない。お金が無かったし、然程装備を更新することに興味が無かったしね。だけど……
「流石に変えないと……いい加減恥ずかしい」
気分としては時代遅れの流行にしがみついているかのよう……それに初期装備ちょっとダサいんだよね。ということで私はプレイヤー用の装備が売っているお店に来た。
(私としてはスライムへの強化と調薬の強化の装備がいいかな?)
お金は充分にある。だから金に糸目は付けずに良いものを揃えにいく……その結果が。
「なんだこの……悪の組織にいる科学者みたいな服装」
試着しているのは、スライム系のモンスターに対して指示を通しやすくなる黒いボディスーツ風の服。そして調薬の成功率と作った薬の品質が上がる白衣……SFの悪役感が凄まじい。
あと沼地に入るように沼に入る用のブーツ、植物系の素材を採取する際に失敗しにくくなるグローブも装備してる。どっちもカラー変更で黒くしてるから悪役感を上乗せしてる。でも黒くないとボディスーツに合わないんだよね。
(なんでスライム関係の装備はボディスーツばっかなの……1人だけファンタジーの世界に合わなくなるんだけど)
SFのFはファンタジーじゃなくてフィクションのFだしね。とはいえ今後スライムを仲間にしていくならボディスーツは受け入れなくてはいけない……
「チンチクリンな私が着てもそこまでエロくないか……誠に遺憾だけども」
私は恥を忍んで購入する。試着状態だったのが装備状態に自動に変更され、初期装備が無くなった。
(ストレージにも無い……新しい装備を手に入れると消えるんだ)
上着だけ買った場合は上着だけ消えるのかな?そういえば最初の頃にチグハグな装備のプレイヤーが居たなぁ……初期装備と別の装備を合わせたような。
(あれはちょっと面白かった。それじゃあ沼地でスチンのlv上げしつつ、新しい装備を試してみよう)
しばらくは沼地と町を行ったり来たりしそうだね……毒との戦いはまだまだ続きそう。
(毒消しの需要は何処まで続くかな……)
私の金策期間ができるだけ長く続くことを期待しつつライム達を引き連れ大通りを進んだ。




