3 楓と悟
翌日。
授業が終わり、放課後。
「ねえ、なんか校門のところに金髪の一中の女の子がいるんだって!」
「なんだろうね?誰か待ってんのかな?」
「彼氏とか?ウチの中学にいたりして!」
「えー?なんかいいね!そういうの!」
金髪?一中の女?
嫌な予感がする……。
まさかな……。
「あー!!!やっと見つけた!!!」
げ……。
やっぱアイツかよ…。
「ちょっと!!名前違うだろ!!騙したな!」
「うるせえな……。」
「あのね!『ウチの学校にはジャイ〇ンはいないよ』ってアタシが今日何回言われたと思ってんの!!!」
「恥ずかしい奴だな。」
「アンタのせいでしょーが!!」
「あー、で?何か用か?」
「何か用かって……。もう!ちゃんとお礼しようと思ったの!」
「礼なんかいらねえよ。」
「そういうワケにもいかないの!アタシの気が済まないの!」
「へえ。で?何してくれんの?」
「あ、え、そ、それなんだけど……。アタシお金もないし、何も出来ないかも……。」
「へ?お前何しに来たの?」
「そ、そんな事言わないでよ!あ!そうだ!お礼にデートしてあげる!」
「いらねえ。」
「あ!ちょ、ちょっと待ってよ!じ、じゃあ、どうしようかな……何か奢るって言ってもジュースくらいしか…。」
「あー、じゃそれで。」
「え?」
「缶コーヒーでいいや。」
このままシカトしても諦めなさそうだしな。
「あ、そ、そう?えっと…近くに自販機ある?」
「ああ。昨日の公園の近くにあるぞ。」
「オッケー!じゃあ、行こうよ!」
二人で自販機に向かう。
「ねえ、名前教えてよ!」
「必要ねえだろ?」
「んー、そうかもだけど……。」
「だろ?」
「で、でもいいでしょ?名前くらい。」
「…まあ、そうか?」
「うんうん!!」
「山下悟。三年。」
「……騙してないでしょうね?」
「あー、悪かったって。今度はマジ。」
「そう?ならいいけど?」
コーヒーを奢ってもらった。
「ごちそうさん。じゃあな。」
「え?もう帰るの?」
「ああ。もう用はねえだろ?」
「う……。さ、悟はこれからどっか行くの?」
「いきなり名前呼びかよ……。」
「い、いいでしょ?同い年なんだし。」
「まあ、いいけどよ。」
「で?どっか行くの?」
「いつも行ってるバイクショップにでも行こうかと……。」
「私も行く!!!」
「はあ?何でよ?」
「私、ヒマなの!ね、いいでしょ?」
「ええ……?」
「そんなにイヤそーな顔しないでよ!傷つくよ?!」
「お前さあ、ずっと思ってたんだけどさ……。」
「なに?」
「俺の事怖くねえのか?」
「?怖くないよ?何かアタシ、アンタの目を見たらこの人は大丈夫って思っちゃったから。」
「なんだ?それ?」
「私もよくわかんないよ。だけど、そう思ったの。」
「全然わかんねえ。」
「ねー。アタシもわかんない!」
え?結局ついてくんの?




