表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/18

13 弘斗と後輩



それからの弘斗は表面上は、以前と変わらない。


けど、わかる。


わかってしまう。


弘斗が笑っていても、目の奥は笑ってない。


あの二人と縁を切ったらしいから、そのダメージは計り知れない。


楓は大丈夫と言っていたが、本当に大丈夫なのだろうか。


俺に出来る事は……?


わからねえ。


未だにわからねえ。






四月になり、俺たちは二年生になった。


クラス替えもあったが、俺と弘斗はまた同じクラスだった。


相変わらず、弘斗はクラスに溶け込むのが早い。


殆どの奴が弘斗と友達になっていた。


あんな状態なのに……。


弘斗は今、楽しいと感じているんだろうか?


心の底から笑っていられてるんだろうか?


何も出来ない俺自身にイラついていた。






そんな日々の中、変化が起こった。



「弘斗先輩!お久しぶりです!!」


「あん?あ、もしかして瀬戸か?」


「そうです!瀬戸綾(せとあや)です!!会いたかったです!!弘斗先輩!!」


「おー、久し振りだな!元気だったか?」


「はい!頑張って勉強して弘斗先輩と同じ高校に来れました!!」


「お、おう。な、なんか瀬戸、雰囲気変わったか?」


「変わったっていうか、もう後悔したくないんです!」


「後悔?何の話だよ?」


「だって先輩、森口先輩と付き合ったって!」



バカが!まだ弘斗は……。



「!……もう別れたよ。」


「知ってます。だから私もう後悔したくないから。」


「どういう事だよ?」


「中学の頃からずっと弘斗先輩の事好きでした!それで卒業式の日に告白しようと思ってたんですけど、勇気が出なくて」


「ちょ、ちょおおおおおっと待て!瀬戸!こっち来い!!」



おお、スゲエな。


上級生の教室、ましてやクラスメイトもこんだけ居る中で告白しやがった。


弘斗、一瞬表情が沈んだが、それどころじゃなくなった感じだな。



それからその後輩は毎日弘斗にアタックするようになった。


底抜けにストレートに好意を伝えてくる後輩に、弘斗も徐々に絆されているようだった。



そして……。
































弘斗がちゃんと笑えるようになった。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ