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11 弘斗の彼女


一年生の年末。


弘斗と友達になってから、俺の周りに変化が起きた。


「オッス!悟!」


「おう、弘斗、お前朝から元気すぎねえ?」


「そんな事ねえよ。で?バイク買ったんだろ?いつ納車すんの?」


「ああ、来週の日曜日かな。」


「おお!いいなー!」


「なになに?山下バイク買ったの?」


「そうなんだよ!バイトして金貯めて買ったんだってさ!」


「へえ、すげえじゃん!」


「そ、そうか?」


「だって結構高いだろ?」


「まあな。けど、マジで欲しかったからな。」


いつの間にか俺の周りに何人も集まってきた。


「山下っていっつも睨んでるような目つきだったから話しかけにくかったけど、話してみたら全然普通じゃん!」


「な!俺も近寄んなオーラ出してると思ってたから、今まで話しかけなかったけど、弘斗が仲いいなら大丈夫かなって思った。」


弘斗は友達が多かった。


俺の印象も変わったらしく、皆が俺を怖がらなくなった。




「なあ、弘斗、いつも一緒に帰ってる子は彼女か?」


「い、いや、彼女ではない……んだけど、告白しようとは思ってる。」


「へえ、早く告白しちまえよ。」


「そうなんだけどよ。」



弘斗から弘斗の幼馴染の事を聞いた。


そんなに長い付き合いがあるのか。


俺とは大違いだな。



そのうち、弘斗が告白に成功して、付き合う事になったと報告があった。


付き合い始めたら、弘斗の彼女は弘斗にベッタリだった。


まあ、俺が邪魔すんのもな。


少し距離を置いた方がいいのかな。





年が明けて。


ある日曜日、俺は楓と駅前に遊びに来ていた。


「映画面白かったねー!」


「ああ、思ったより面白かったかもな。」


「どうするー?お昼ご飯にする?」


「そうだなー、何食いてえ?」


「なんかさあ、アタシ最近太ったかも?!」


「そうか?前が痩せすぎだったんじゃね?」


「さゆりさんの作るご飯が美味しすぎるんだよね!」


「いい事じゃねえか?」


「うーん、このままいくともっと太りそう……。何か低カロリーなもの……。」


楓がスマホで店を調べ始めた。


俺も外食なんてしないから、一緒にこの辺の店を調べながら、歩いていた。


「あっ!適当に歩いてたらこんなトコ来ちゃったよ、ど、どうする?悟?」


あ?あれ、ここは……。


いつの間にか歓楽街に入っていた。


この辺はラブホが何軒もある場所だった。


「え?も、もしかして悟狙ってたの?あ、アタシはまだ心の準備が……。」


「ば、バカ!そんなんじゃn……。」






あれは……!!!


弘斗の彼女?!!!!


隣に居るのは……弘斗じゃねえ!!!


アイツは確か……弘斗の幼馴染の須藤!!


どういう事だ?!!


どうなってる?!!!


「ど、どうしたの?悟?!」


楓の声で正気に戻った。


スマホで……距離はあるが……。


「ちょ、ダメだよ?!悟!ホテルから出てきた人を撮っちゃ!!」


「……俺に友達が出来たって話しただろ?弘斗って奴。」


「え?あ、うん。」


「その弘斗の彼女だった。」


「あ、そうなの?え?隣に居たのが弘斗君?」


「だったら、写真なんか撮らねえよ。」


「あ、そっか。え?じゃあ、隣に居たの誰?」


「弘斗の幼馴染の男。」


「え?なんで?あの子は弘斗君と付き合ってるんでしょ?」


「ああ。間違いねえよ。」


「ええ?う、浮気ってこと?」


「そうなるな。」



クソが!!十年以上の付き合いなんだろ?


なんで弘斗を裏切ったり出来るんだよ?!!!!


あの二人も一緒なのか……。


小さい頃から俺の周りに居た、俺を裏切ってきた奴らと……。






























ふ ざ け ん な








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