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イジメ


事件当日

ピンポン

「宅配か何かか?」

天国あまくに議員は、椅子いすから起き上がって、玄関へと向かう

「ごめんください」

確認すると、玄関の前に、三浦八太郎が立っていた

天国あまくに議員は、時計を見る

「もう、こんな時間か」

三浦八太郎と天国あまくに議員は、会う約束をしている

ガチャ

天国あまくに議員は、玄関を開ける

「どうぞ」

天国あまくに議員は、三浦八太郎を家の中に招き入れる

「こうして会うのは、久しぶりだな」

天国あまくに議員は、三浦八太郎にコーヒーを出す

「それで?話と言うのはなんだ?」

天国あまくにが話を切り出す

すッ

するとおもむろに三浦八太郎がナイフを取り出す

「この国の混乱の責任を取って貰う」

グサッ

三浦八太郎が突然、天国あまくにを刺した

突然の事で混乱したが、天国あまくには三浦八太郎を押しのた

しかし、三浦八太郎は執拗しつよう天国あまくにを追いかけまわした

身体を無数に刺された天国あまくには動かなくなった



「気づいた時には、病院のなかでした」

異常が天国あまくにからの証言しょうげん

「被告人!身に覚えはあるかね?」

裁判長が、返事を催促さいそくする

「いいえ、全くありません」

三浦八太郎は正直に答える

「裁判長、次なる証人を宜しいでしょうか?」

「うむ、許可しよ」

検事が呼びだした証人は、50歳前後の中年の女性だった

「彼女は、被害者の治療に当たった医者です」

検事が証人の説明をする

「あの時の傷はかなり酷かった」

証人の女医の話によると

「無数の刺し傷で、逃げてこられたのが不思議なくらいでした」

しかし、この女医が言っている事はデタラメである

そもそも、この女が本当に女医なのかすら、怪しい

三浦八太郎の我慢がまん限度げんどを越えている

「グッぐっぐ」

カンカン

「判決を言い渡す!!」

ついに審判しんぱんの時が来た

「被告人、三浦八太郎は有罪とする」

この裁判は、最初から結果が決まっていた。

「よって、死刑を言い渡す」

下されたジャッジは最悪の物だった

周りがあざ笑うかのように、三浦八太郎を見下す

「ほんと、お前を売って良かったわ!おかげで大金が入った」

三浦八太郎は、今、天国あまくにに対するにくしみで覆われた

「あまあくうい!?」

三浦八太郎が天国あまくにに襲い掛かる

「お前だけは!お前だけは!」

三浦八太郎は、天国あまくににとてつもない殺意さついを向ける

金のために裏切られたのだ。無理もないだろう。

「おっとあぶね」

三浦八太郎は、天国あまくにを鬼のような形相で睨み付ける

「取り押さえろ!?」

しかし、SPに抑え込まれて、三浦八太郎は何も出来なかった

「おい、アレを見ろよ」

天国あまくにが、三浦八太郎は、の後ろをゆび

(なるほどそういうことか)

そこにいたのは、己己己己いえしき途追とついだった

翌日、三浦八太郎の死刑が執行しっこうされた

死刑が決まった翌日に、死刑と言う異例の事態であった



担任の話から、三浦憲二は、父である三浦八太郎の死を始めて知らされた

その日の授業の内容も、先生の話も全く頭に入ってこなかった

「ただいま」

憲二は絶望と希望と虚無感を胸に帰宅した

最近まで元気だった父が死んだと言う絶望

本当は、何らかの間違い委で父が生きているのではないか?家に帰ったら父がいるのではないか?と言う希望

そして、何も考えたくないと言う虚無感

「おかえりなさい」

母親の七三があいさつを返す

「ねぇ、お母さん、お父さんが死んだって本当?」

憲二は僅かな希望を胸に、母親に父親の生死を確認する

「どうして、そんなこと聞くの?」

誰も息子がいきなり、父親の生死を確認するとは思わないだろう。

「学校で、お父さんが処刑されたって聞いたから」

息子の一言に七三は全てを里った

「いいえ、お父さんはね、処刑されたわけじゃないの」

母親である七三の一言で希望が見えた

「じゃあ!やっぱりお父さんはs?」

七三は、憲二のセリフをさえぎった

「お父さんはね、殺されたの」

父が生きているかもしれないと言う希望は完全に断たれた

「え?」

憲二の頭と胸は更にぐちゃぐちゃとなる

うそだよね?」

憲二は震える声で聞き返した

母親の七三は首を縦に振らなかった

「あああああああ!?」

三浦憲二はその場で泣き崩れて、大号泣した

父親の三浦八太郎が死んで悲しいからではない

叫ばないと壊れてしまう気がしたから叫んだ



1週間後

憲二は、1週間振りの学校に通う

「あれ?上履うわばきが無い」

下駄箱げたばこのどこにも、三浦憲二の上履きは無かった

三浦憲二は仕方なく、靴下で教室に向かった

1週間振りに教室のドアを開ける

1週間振りに学校に来た三浦憲二を迎えたのはみんなからの冷たい目線だった

つくえ落書きされてる)

特に驚きはしなかった

落書きの内容は罵詈雑言ばりぞうごんがほとんどである

下駄箱に上履きが無かった時点で予測は出来ていたからだ

雑巾ぞうきんで拭いても落書きは全く落ちない

落書きは油性で書かれていた

「はあぁ~」

三浦憲二は大きなため息をつく

三浦憲二は落書きを落とすのを辞めて椅子いすに座る

「イタ!?」

憲二が椅子に座った時、お尻に何かが刺さった

お尻を触ると画鋲がびょうが刺さっている

三浦憲二はお尻に刺さっているのを引っこ抜く

刺さったのは押しピンだった

「・・・・・・・・・・」

憲二は机の中に手を入れるのが怖くなった

机の中を覗き込むことすら恐怖を覚えた

憲二は椅子に座ったまま固まった

「あ!三浦君来てたんだ!おはよう」

爽やかな声が聞こえて、憲二は思わず顔を上げる

東江あがりえ君!?」

三浦憲二に声を掛けたのはクラス一のイケメンで人気者の東江あがりえ君だった

勉強も運動も出来て、クラスの委員長。更に女子にもモテる

三浦憲二も勉強や運動は出来るが女子には全くモテない

「うわ!何だよ!これ」

東江あがりえは三浦憲二の机の有様ありさまを見て思わず声を出す

「ベっ別に気にしてないから」

三浦憲二は誤魔化ごまかすように落書きを隠す

「それに、どうでもいいから」

三浦憲二は軽く流すように言った

「どうでもいいわけないだろ!」

東江あがりえは急に大声を出した

「僕このことを先生に知らせてくる!!」

東江あがりえは鬼のような形相ぎょうそうをして職員室に向かう



「ありがとう。東江あがりえ君」

東江は先生に事情を話して、三浦憲二の机を変えて貰った

「大丈夫、僕が付いているから」

この一言だけで、三浦憲二は救われた気がした

「東江君、俺の友達になってくれないかな?」

三浦憲二は自分でも驚くほど口からポロっと出た

「もちろんだとも!それに僕たちもう友達だろ?」

東江君にとってはあいさつ程度かもしれない。

三浦憲二から一粒の涙がこぼれる

三浦憲二はこの時、心から友達が出来た気がした



東江と友達になった翌日

「東江君!一緒に移動教室に行こう!」

三浦憲二は始めて、東江君を移動教室いどうきょうしつに誘った

クラスの人気者の東江君と友達になってから、イジメがパタリと止んだ

裏で陰口かげぐちは叩かれているかもしれないけど

少なくても、昨日は朝一番意外は何も無かった

「今用意するから少し待ってって」

教科書を取り出すと、東江君は三浦憲二の近くに来た

「それじゃあ、一緒に行こうか」

東江君はさわやかに微笑ひひえみかける



「東江君!今から一緒に遊ぼう」

給食を食べ終え、昼休みを迎えた

三浦憲二は移動教室の時と同じく、東江君を遊びに誘った

「いいけど、何して遊ぶ?」

東江君は当然の疑問を投げかける

「え!良いの?やった!」

三浦憲二は東江を昼休みの遊びに誘えた事が嬉しくて舞い上がる

「東江君の好きな事して良いよ」

三浦憲二は特に遊ぶ内容を考えていなかった

「それは憲二君が決めなよ」

「それじゃあ、しりとりで」

三浦憲二は思いついた遊びを提案する

「しりとりのり」

東江君がしりとりを始める

「リンゴ」

三浦憲二が続ける

「ゴルフ」

東江君が続ける

「服屋」

三浦憲二が続ける

「野菜」

東江君が続ける

「磯の匂い」

三浦憲二が続ける

「硫黄」

東江が続ける

「ウコン」

三浦憲二がしりとりを終わらせる

しりとりしている間に、昼休みが終わっった



翌日学校に来ると、教科書やノートが切り裂かれていた

「え?」

三浦憲二はただただ絶句した

(どうしよう!心配するだろうから東江君だけには知られたくないな。)

三浦憲二は教科書が切り裂かれたことよりも、そのことが友達にバレる事を恐れた

「おはよう」

タイミング悪く東江が教室に入って来た

三浦憲二は逃げるように教室から出て、トイレに向かった

「ここなら誰も来ないだろうし」

三浦憲二はトイレに入る

「憲二君いる?」

トイレの個室にいると、友人の東江君の声が聞こえた

「ここだよ!」

三浦憲二は声を上げる

「憲二君嫌な事でもあった?」

「いや、別にトイレしているだけ」

三浦憲二は悟られないように嘘を付いた

「みんな心配してるから、気が向いたら教室に戻って来なよ」

東江君は一言声を掛けるとトイレから去った

東江君の様子から、教科書の事はクラスの皆が知っていることになる

「やっぱり、東江君って優しいな」

東江君の優しさに感動している間に外が賑やかになっていた

「トイレって、人多いな」

トイレの個室には人は来ないもののトイレには多くの人の出入りがある

バシャ!

突然上から水を掛けられた

「おい!いくら何でもやりすぎだって」

「良いのよあんな奴、どうなっても」

東江君が去った後を見計らっての犯行だった



トイレから出た三浦憲二は職員室に向かった

(いじめられていることを先生に伝えよう)

三浦憲二は精一杯の勇気を振り絞って職員室の前に立つ

「やっぱり無理だ」

三浦憲二は職員室から離れる

「こんな所にいたのか!」

職員室前の廊下から離れると、アラフィフの中年男性の声が聞こえた

担任の牧野博美まきのひろみ先生の声だ

「こんなびしょ濡れで!」

三浦憲二は一目見ただけで、全身濡れていることが分かってしまうほどだった

「あの、その」

三浦憲二はいざ先生が目の前にすると言葉が詰まった

(言うんだ!イジメられていることを)

三浦憲二は息をのむ

「どうせ、授業をサボって水浴びでもしたんだろ?」

三浦憲二は顔を上げる

「え?」

牧野先生はまるで心配している様子は無かった

「次の授業は必ず出なさい」

三浦憲二は今まで一度も授業をサボった事は無かった

「その今イジメられていて」

三浦憲二は勇気を振り絞って、イジメられていることを告白した

「はいはい、そう言う言いわけはいいから」

牧野先生は三浦憲二の告白を軽くあしらった

「本当に!イジメられていて」

三浦憲二は必死に食い下がる

「それなら誰に、イジメられているんだ?」

三浦憲二は言葉に詰まった

「ほら見ろ!」

イジメられているのは紛れも無い事実だ、でも誰にイジメられているのかは分からない


10


放課後

三浦憲二は誰もいない時間を見計らって、少し遅めに帰宅していた

「それがチョウ面白くてさあぁ!」

物陰から女子の声がした

「なんだろ?」

三浦憲二はこっそりと聞き耳を立てた

(動画とかゲームとか何か面白いことでもあるのかな?)

「それでさぁあ、あの時のあいつの顔メッチャ受けたんですけど」

クラスの女子の一人の田仲さんが携帯で誰かと話している

「そうそう、あの机の落書きを見た時の三浦の顔がメッチャ笑える」

田仲さんが誰と話しているかまでは分からないが、田仲さんが三浦憲二の机の落書きに関与している事は間違いない

「しかも、落書き見て、トイレに引きこもるとか傑作けっさく笑」

話している内容はとても面白いと思えるものではなかった

最初は「これが面白かった」と聞いたらすぐにこの場から離れる予定だった

しかし話の話題は案の定、自分の事だった

「え?この写真をネットにアップするから送れって?」

話が最悪な方に進んでいく

「いいね!それ!面白そう」

田仲が話している相手が誰か分からないがこのままだと、三浦憲二は外に出れなくなる

「じゃあ、送るね」

田仲が携帯のボタンを押そうとする

「お前かあぁ!?」

三浦憲二大声を上げて走って来る

「は?」

田仲が三浦憲二の方を振り向く

ボグフ!

三浦憲二は振り向いた田仲の顔面を思いっ切り殴り飛ばした

「ブ!」

田仲は殴られた鼻を手で抑える

「ちょ!いきなり女の子を殴るとか最低!」

田仲は鼻血を出しながらも、三浦憲二をにらみ付ける

「うわあぁ!?」

三浦憲二は起き上がろうとした田仲に強烈な蹴りを入れた

「ちょ!何すrブ!」

文句を言おうとしたら途中で蹴れて田仲は倒れた

三浦憲二ゴミを見るような目で田仲を睨み付けた

憲二!朝よ!早く起きなさい?」

三浦憲二の母親の三浦七三が起こしに来る

「ほら!早くしないと学校に遅刻するわよ!」

三浦七三は中々起きない息子の憲二を叩き起こす

「んう~ぅ」

三浦憲二は起き上がる

「ほら、早く起きて朝ご飯を食べる!」

三浦憲二は身支度をして朝食を食べる

「学校に行きたくない」

三浦憲二はボソリと呟く

「馬鹿な事言ってないで、早く学校に行きなさい」

三浦憲二の我がままは軽く流され、聞いて貰えなかった

「行ってきま~す」

三浦憲二は家を出て学校へと向かう


11


教室に入ると、みんなから冷たい目線が向けられる

実際には目を合わせないようにしている

しかし、教室に冷たいオーラが漂っている

三浦憲二は自分が冷たい視線を向けられている事はすぐに分かった

しかし、理由が分からない

そもそも思い当たるふしが無い

後ろの隅に、大怪我をして、上半身を包帯巻きにしている少女が座っている

憲二が殴って、蹴った田仲と言う少女だ

あの後何があったのか知らないが、明らかに田仲の怪我は酷い物である

憲二は極力、田仲と関わりたくないため声を掛けずにスルーした

「はい!みんな席について」

かなり太っている超肥満体質の担任の牧野博美先生が教室に入って来た

あいさつをして、朝の会が始まる

「まず最初に、三浦憲二君、後で職員室へ来るように」

三浦憲二はいきなり職員室へ呼び出された

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